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目標は狩猟祭で


狩猟祭に荒らしプレイヤー、そして闘技場イベント。

ちょっと掲示板を見ただけでこんなに情報が出てくるとは……

荒らしプレイヤーはおいといて、イベントは先に狩猟祭のほうが来るだろう。

となるとそれまでに鍛えるのはもちろん、情報収集も並行してやらなくては。

井戸端会議のおばちゃんの噂の中にも大きな祭りの商品の噂があったけど、おそらく狩猟祭のことだろう。噂を信じるなら古代魚の鱗とかが出るっていう話だから装備強化狙いでやってみるか!

そういえば俺達って装備未強化だったな。後で強化しておこう。素材はいっぱいあるわけだしな!

さて、寝る前にAFの続きやりますか!


********


 再びログイン!まずはおばちゃんに話を聞きに行くか。

というかAF内は常に昼間なのか。夜で見通しが悪くならないのはいいんだけど、こういうところでゲームだなと思ってしまう。いや?むしろわざとそういう風におもわせるような造りにしているのかもしれない。ゲームとリアルの違いを判らせるためにそうしてるのかもな。

で、おばちゃんのいる井戸はたしか東の通りだったな。


********


 おばちゃんから話を聞いてきました。おばちゃんの話が長かったからよくわかんなくなってきた。とりあえず狩猟祭についての内容をまとめると

狩猟祭は1週間後に北門で開始される。賞金が順位に応じて配られて、1位が100万Gもらえる。(そもそもお金の単位を知らなかったんだけどね……)

順位は狩ってきた魔物・動物のレアさ、重さの合計で決まる。噂だと今回の賞品は古代魚の鱗とか、不死鳥の羽とか、腐敗竜の牙とか……

優勝候補は衛兵のジョニーだとか。(つまり住民の方々も参加すると)

という感じか。おばちゃんの話は長いけど有能だったよ。

これを踏まえて考えると、どの魔物を狩るかが重要になってくるな。

北門スタートだから南側の森っていう慣れた場所が遠いのもつらいな。

とりあえずフィアもログインしているみたいだしジェームズ師匠のところに移動しますか。


********


 「ただいま帰りました」

 「あ!お兄ちゃんおかえり!」

 「ったくここはお前らの家じゃねえぞ……おかえり」

 「アダマス君も認めているではないか。おかえり、スカー君」


 あったかいな。帰る場所があるっていうのは。これだけでこのゲームをやってよかったと思ってしまった。


 「にしてもお兄ちゃん遅かったね?どこいってたの?」

 「狩猟祭の噂を聞いて聞き込みをしてたんだ」

 「お兄ちゃん、狩猟祭ってなに?」

 「魔物とか動物を狩って競う祭りらしい。商品も出るとかっていう話だよ」

 「狩猟祭か……俺も昔は出場してたな」

 「アダマスもか。でもその言い方だと最近は出てないんだろ?」

 「狩りすぎて出場禁止になったんだ。あ、そういう人は他にもいるからな」

 「ふーん、てことはもしかしてジェームズ師匠もだったり!」

 「もちろんだよ。私の場合相当前の話だけどね」


 一定の成績を残すと、次以降の狩猟祭には出られなくなるのか……

祭りは楽しみたいけど次以降出られなくなるのはつらいんだけども……


 「なぁアダマス、祭りに参加できないってどうなんだ?」

 「別に出場しなくても参加はできるだろ?出店はあるし、賭けもある。ほかにもいろいろやれることがあるぞ」

 「そっか、それならまぁ大丈夫か」


 まぁ出場したほうが楽しいんだろうけど、それ目当てで手を抜くのはしたくないからな。


 「そうだな。せっかくだし君たちには狩猟祭で1位を目指してもらおう」

 「な!?無理じゃないですか!?強い住民の人も出るんでしょ!?」

 「落ち着いて、さっきの話を思い出してほしい。本当に強い人はみな出場ができない、つまり残っているのは新人かそれと同レベルが多いんだ。中には強いのもいるが、その人たちは本気を出さず出場を楽しんでるのが多いんでね?

まったく勝ち目がないわけじゃないんだよ」


 なるほど。それならワンチャンあるかもしれない。とはいえ、今回はプレイヤーもいるわけだしどう転ぶかわからないだろう。それまでに鍛えて一歩先を進むくらいじゃないと優勝はないだろうな。


 「俺はやります!頑張って強くなって1位を目指します!」

 「私も!勝ち目があるなら全力でやるだけです!」

 「よく言ったね2人とも。それじゃあ特訓に入ろうか。まずは2人の戦闘スタイルを改めて確認するところからやろうか」

 「はい!」


********


 俺たちはジェームズ師匠の店の地下に入っていった。するとそこには巨大な地下空間が存在した。周りを石の壁でおおわれていて、少し威圧感があるというか……

そんな感じの場所でそれぞれの持っているスキルと普段の戦い方を見せてほしいらしい。


 「それじゃあ俺からやりますね」

 「あぁ、よろしく頼むよ」

 「それじゃあ、訓練開始!」


 訓練?スキルを見せるだけなんじゃあって……え!?

なんか猛獣が出てきたんだけど!?


 「スカー君!そのモンスターに向かって攻撃したまえ!」

 「お兄ちゃん!頑張って!」


 こいつに攻撃すればいいのか。ならば!まずは打ち上げっ!ヒット!

猛獣(仮)が宙に浮いたならばそのまま落とす!叩きつけっ!

ついでに【魔力纏い・亀裂槌】からの【魔法陣起動・フェニックスブレイズ】

魔法陣によって作られた火の鳥は、猛獣(仮)から飛び出てそのままUターンして突っ込んでいく!

その間に体勢を立て直したのか猛獣(仮)は火の鳥の突進を避けようとする。

だが遅い!俺はすでにその位置に向かって鉄球を飛ばしているんだよ!


 「【フォールメテオ】!!!」


 【フォールメテオ】と【フェニックスブレイズ】に挟まれた猛獣(仮)は、逃げ場を失い両方に当たり昇天した。


 「そこまで!スカー!お前なかなかやるじゃねえか!」

 「うむ、追い込み方といい一撃の重さといい戦い方の基礎は教えることはあまりなさそうだね」

 「ありがとうございます!」

 「ただ、もう少し色々見せてもらえると今後の育成方針を固められたんだけどね」

 「あー……それは考えてませんでした……すみません」

 「まぁ後は口頭で教えてもらうとするとして、次はフィア君の番かな?」

 「はい!頑張ります!」


 フィアが舞台に立つと、俺が戦ったのと同じ猛獣が現れた。

真剣な目で相手を観察している。いつ来るか、タイミングを計るように。


 「試合開始!」

 「はぁぁあああああ!!!」


 合図とともにフィアは一気に猛獣に向かって駆け出した。猛獣(仮)も迎え撃つ姿勢を見せているがどうするんだ?あのままだとカウンターを受けそうだけど……

フィアは猛獣まであと少しというところまで迫ると、一歩を大きく踏み込み、勢いよく空へ飛び出した。なるほど、そのタイミングで飛ぶのか。飛ぶタイミングは狙われやすいから、自分から隙を作りに行ったのだろう。そのまま空から、唖然としている猛獣(仮)に向かって攻撃を開始する。


 「【クリティカルポイント】【スターストライク】!」


 【クリティカルポイント】は、相手に弱点箇所を付与するスキルのことだったかな?それによって攻めやすくする作戦か。その後も【スターストライク】によるヒット&アウェイな戦いを続けていく。攻撃を受けたと思ったときも、【残像】によるデコイだったりして、相手のペースを乱し続けた。

そして……


 「【チャージ】【強槍撃】!」


 その一撃がとどめとなり、猛獣(仮)は昇天した。

さすが俺の妹!危なげなく戦ってくれる!


 「いい戦いだったぞ!フィア!」

 「あぁ、なかなかにいい戦いだった。ただ火力不足は感じたかい?」

 「えぇ。正直もっと火力がほしかったです!」

 「それじゃあ今後の課題はフィア君は火力、スカー君は落ち着きと手数といったところか」

 「了解です」

 「わかりました!」


 俺たちの今後の目標と課題が決まったし、これから特訓を頑張らなくては!

次は12日を予定しています

次回をお楽しみに!

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