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再開は突然に


 ジェームズ師匠と一緒に街まで帰ってきた。そこまでの道のりは一切苦労しないで進むことができた。というのも襲ってくる魔物の半分を師匠が倒してくれたからだ。戦闘の特訓のために戦わせてほしいと聞いたところ、


 「変な癖がついても困る。今は魔物との戦闘に慣れることだけやればいい」


 と言われた。そういわれると納得できた。

今いるのは大通りから離れた場所にあるレンガ造りの一軒家の前だ。どうやらここが師匠のお店らしい。意外とこじんまりしているというか、もっとすごいところで働いてるかと思ってた。


 「それで師匠、これから何をすればいいでしょうか?」

 「まぁ待ちたまえ。これから君たちの兄弟子を紹介しよう。店の中で待っているはずだよ」

 「待ってるって誰か勧誘する気満々だったんじゃない……」

 「フィア君?それには事情があってね?私の流派は後継者が少ないんだよ。それを問題視した私がこうして動いているというわけだ。わかったかい?」

 「なるほど。了解です!」

 「それじゃあ中に入ろうか」


 中に入るとあったかい空気が広がってきた。よく見ると奥に暖炉がある。テーブルやいすは木でできているらしく、つるされたランプも相まっておしゃれな雰囲気が漂っている。

そして、一番奥のテーブルにいるのは茶色い髪をぼさっとさせて地味な服を着た男性だった。多分あの人が兄弟子の人かな?


 「ようこそ、私の店【シルバーハーヴェスト】へ」

 「えっと……よろしくお願いします」

 「よろしくおねがいします!ところであそこの人ってもしかして兄弟子さんですか?」

 「ああ、そうだとも。紹介しよう。彼が私の元唯一の弟子、アダマス君だ」


 え!?アダマスってもしかして?


 「マスターから紹介されたアダマスだ。よろしくなって……スカーレッド!お前ここに来たのか!」

 「ですよね!あの時はお世話になりました」

 「いやいや!あん時は俺も世話んなったからお互い様だ」

 「ほう、もう知り合いだったとはね?奇妙な偶然もあるものだな」

 「お兄ちゃん?私にも紹介して!」

 「そう言えばお前はあの時いなかったんだっけ。この人はアダマスさん。例のクエストボードの時助けてくれて知り合ったんだ。アダマスさん、こっちは妹のフィアです。俺と同じくジェームズ師匠に弟子入りしました。」

 「よろしくな。フィア!」

 「よろしくです!アダマスさん!」


********


 二人にそれぞれを紹介した後、休憩することにした。とはいえ休憩中でも話題はこれからの修行の話になる。


 「それでお前たちはマスターから何を学びたいんだ?」

 「俺は主に手数を増やす方法と攻撃の受け流し方を学べたらなと」

 「私は身体をぶれないようにする特訓としっかりした型を覚えたいかな?」

 「二人とも意外としっかり決まってるんだな。俺なんて最初のうちはどう強くなるか全く決まっていなかったからな」

 「俺たち新人類?がそういうのしっかり決めてる人が多いだけだと思うぞ」

 「そういうもんか?」


 実際キャラメイク時点で大体の育成計画は立ててる人が多いと思うんだよな。俺なんかも……あれ?いつのまにか魔法メインじゃなくなってる?いやでもモーニングスターを使うのが楽しいのが悪いし……


 「そういえば、アダマスさんは……」

 「無理して敬語使わなくていいぞ。呼び捨てで構わない」


 あー……目上の人に敬語使うのは癖なんだよな。直すのも難しいけど、それが嫌っていうならば……


 「わかり……わかった。それで、アダマスは何の武器を使うんだ?」

 「俺はメイスの二刀流だな」

 「メイスの二刀流?イメージつかないんだけど」

 「私も想像できない!」

 「まぁそうだろうな。マスターが二刀流のスペシャリストなんだよ。それで俺も二刀流を使いたかったんだ。ただ、俺の適性がメイスに向いていたんで、その二刀流を鍛えることになったってわけだ」


 適正か……今から武器を変えろと言われても難しいぞ……

それにしても、メイスの二刀流ね……戦ってるところ見てみたいな。


 「なるほどねー!でもメイスって二刀流する意味あるの?」

 「一応あるぞ。片方の武器を完全に防御用と割り切るんだ。すると、攻撃を受けにくくなったり、カウンターもしやすくなったりといいことずくめだな」

 「攻撃はどうするんだ?両手で持てない分火力は落ちるだろ?」

 「まぁな。だからこそマスターに弟子入りするやつが少ないんだ。防御をおろそかにするやつらばっかなんだよな……」

 「なるほどー。だとすると私たちは運がいいね!」

 「確かにな」

 「ん?運がいいってどういうことだ?」

 「俺たちは火力はすでに足りてるんだよ」

 「だから防御の方法を学びたかったんだ!それに防御の方法だけじゃないんでしょ?」

 「まぁな。しかしなるほど、本当にここに来てよかったな!お前たち!」

 「ああ」

 「うん!」


 本当に俺たちは運がいいな!ただでさえ盾職のいないパーティになりそうだったし、火力も魔法陣や魔道具で補えるからな!


********


 休憩も終わり、いよいよマスターに指導してもらうことになった。

マスターがなにやら赤い水晶のようなものを持ってきた。その水晶からは1本のコードのようなものが出ていて大きな石板につながっている。


 「まずはこれに触ってほしい」

 「これはなんですか?」

 「これは適正確認装置といって、その名の通り適性を確認するためのものだ。その水晶に触ると、この石板に適性がEからAまでの5段階で表示される。その適性を見て、どう特訓するかを決めていこうという話だ。ここまで理解できたかい?」

 「わかりました!」

 「今使っている武器が適正でない場合はどうするんでしょう?」

 「その時はその武器を使いこなせるようにする練習からになる。最も君たちは問題ないと思うが」


 んー?つまり他の適性を見て戦い方を変えていくって方針なのかな?それならまぁわからなくもないが……アダマスはなんでメイスにしたんだ?適正じゃなくとも何とかなったんだろ?


 「アダマスの適性はどんなだったの?教えて!」

 「ちょ!フィア!そんな聞きにくそうなことを……」

 「別に聞いても大丈夫だぞ?俺の場合はメイスにだいぶ寄っててな。すぐ戦う用事があって武器を一番適性のあるメイスにしたんだ」

 「なるほどねー!」

 

 「それじゃあさっそく始めようか。どちらからにするんだい?」

 「それなら俺からでお願いします」

 「わかった。じゃあスカー君……長いからスカー君と呼ぶことにするがいいかい?」

 「大丈夫ですよ」

 「それじゃあスカー君。水晶に手をかざしてくれたまえ」


 言われたとおりに水晶に手をかざす。すると水晶が光り、大きな魔法陣が一瞬現れ水晶に吸い込まれていく。一体俺の適性はどういう感じなんだろうな

次は4日を予定しています

続きをお楽しみに!

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