希望の種は想像以上で……
それじゃあさっそくさっき手に入れた称号を確認していきますか!
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神獣に認められし種
神獣に可能性を見出されたものに送られる称号
【希望の種・赤】の成長速度が上がる
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ふむふむ、なかなかいい称号じゃないか?
次に【希望の種・赤】を飲み込んでみますか!
「それじゃあいっせーので飲み込むぞ」
「OKだよ!お兄ちゃん!」
「それじゃあいっせーのっ!?!」
なんだこの苦さは……吐き気がする……
何とか飲み込んだけど……特に何か起きるわけじゃなさそうだな。
こんだけ苦かったんだからおまけにバフとかついてないかな……
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希望の種・赤
可能性の開花とともに目覚める種【変化】
デバフ・新たな称号・スキルの入手不可
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Oh……デバフのほうですか……
しかもきっついし。せめてもう少し軽いのがよかった……プラスに考えていこう。その分強力なスキルになるかもと。
「フィアのほうはどうだ?」
「私もおんなじだよ……うげー……お兄ちゃんは大丈夫なの?」
「苦さは置いておいてデバフは……まぁ種が目覚めるまでは修業期間だと思えばな」
「あーね……私もそういう考えで行こうかな?」
「とりあえずいろいろあったし帰るか」
「そうだね!」
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俺たちは道中の蜂やら鳥やらを倒しながら、最初の町に帰っていた。
「それにしてもこの辺の敵は倒すの簡単だね!」
「あんな格上と戦った後じゃあしょうがないって……」
「それもそうか。あれ?あそこにいるのサマービーじゃない?」
「あ、本当だ。しかも50はいるぞ?なるべく避けていこうか」
「了解!ん?あそこのおじいさん危なくない!?」
そこにいるのは白毛の兎人のおじいさんだった。距離的にも危ないじゃないか!?助けなきゃ!間に合ってくれ!
「おじいさん!?大丈夫か!?」
くそっ!急いではいるがサマービーの群れのほうが速いっ……
このままだと間に合わな「大丈夫じゃよ」へっ?
今の声、おじいさんのほうからしたんだが?
あわてて確認してみると、おじいさんは2本の杖を構えてサマービーの群れを待ち構えていた。サマービーがいくら弱くたっておじいさんじゃきついんじゃないか……しかも魔術師っぽいし1人じゃ無謀だろ!?
間に合わないっ!?サマービーの突きがおじいさんに届いてしまうっ!
「君たちもそこで見ておきなさい」
おじいさん!?なんでサマービーの群れに向かっていくんだ!?
おじいさんがサマービーの群れへと突っ込んでいったと思ったその時、おじいさんの杖から光が走り辺りを照らした。俺が目を開けると右の杖から剣のように光が纏っていた。さらに、光で失明したのかサマービーの動きが鈍くなっている。すごいな……一回の魔法だけでここまで状況を変えられるのか。
そしておじいさんはサマービーを斬りつける。サマービーも攻めようとするが左の杖でいなされ思うように攻撃できていない。
そしてものの5分もしないうちにサマービーの群れは全滅した。
「さて君たち、先ほどの戦いから何か得たものはあったかね?」
おじいさんはどうやら俺たちに何かを感じてほしかったらしい。俺もこのゲームでの強さとは何かが分かった気がする。
「はい!おじいさんの魔法の使い方は今後の参考になります!」
「それだけじゃなくて、攻撃のいなしかたとか攻撃と防御の切り替えとか参考になることだらけでした」
「それはよかった、それじゃあ私はこのへんで失礼s「まってください!」ん?どうしたのかね?」
あの戦いを見て分かった。俺は今までごり押ししかしていなかったと。正直なんで朱雀様に認めてもらえたかわからなくなるくらいつたない戦闘だったと。
朱雀様に追い付くにはこの人の戦闘方法を吸収して自分のものにするしかない。
そのためにまずは……
「弟子にしてください!お願いします!」
「急にどうしたの!お兄ちゃん!?」
「ほう、私の弟子になりたいとそういうんだね?」
「はい!あなたの戦い方は俺の思う強い人の理想でした。なのでいろいろ教えてくれませんか?」
「ふむ。そこのお嬢さんはどうするかい?」
「お兄ちゃんがおじいちゃんの弟子になるなら、私もお願いします!」
「わかった。2人とも弟子にとろうじゃないか。兄弟子もいるからあまり長い時間は面倒を見られないけれどね」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます!」
よかった。弟子にしてもらえた。あとは特訓をひたすらするだけだな。俺が思うにこのゲームは小手先の技術が重要だと思うんだ。だからこそそれを学べる師匠ができたのは大きいと思う。フィアも弟子になるみたいだし。2人で特訓するなら大樹にもあとで伝えておかないとな。それに兄弟子か……プレイヤーだともめそうだな……そうじゃなくてもいい人がいいな。
「そういえば自己紹介がまだだったね。私はジェームズ・ハーヴェスター。ジェームズ師匠とでも呼びたまえ」
「俺はスカーレッドといいます。よろしくお願いします」
「私はフィアって言います!よろしくお願いします!」
「ふむ。そういえば君たちは新人類だったりするかい?」
新人類?聞いたことがないな。というかあーちゃんからそういう重要そうな話聞いてないんだが……あーちゃん……
フィアも知らないみたいだから許すけど。
「え?すみません、知識不足でして……新人類っていうのはなんですか?」
「新人類っていうのはね、簡単に説明すると神様からの加護を持ち、死んでも神殿でよみがえる新しい人類らしいよ。新人類は自分たちのことをプレイヤーと呼ぶとかなんとか。」
なるほど。要するにプレイヤーを新人類と呼ぶってことか。ん?ていうことは、アダマスさんの言っていた新人って新人類のことだった?
「そうですね。俺もフィアもその新人類で間違いないと思います」
「そうか、なら特訓時間を無理に決めるのも違うな。自由な時間に来てくれて構わないができるかどうかはその時に決めよう」
「了解です」
「おっと。長く話し込んで済まない。そろそろ私の店に移動しようか」
「わかりました!ってお店ですか?」
「あぁ。私はこれでもちょっとしたカフェの店主なんでね」
カフェのマスターだったのか。雰囲気はあるけれど、あの戦闘力を持つマスターっていったい……
祝10話!(*´▽`*)
とりあえずここまでこれたのも読者の皆さんのおかげです!ありがとうございます!
ここからようやくタイトルの“双槌”が絡んでこれるかな?
次は新元号最初の日、4月1日を予定しています
次回をお楽しみに!




