表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/32

冒険の始まりはおまかせで


 「長かった…(ようや)く届いたか」


 ついため息が出てしまったが、それも仕方ないだろう。なぜなら、俺が半年以上前に予約し、発売するのを心待ちにしていたゲームが届いたのだから!


 「お兄ちゃん、それ何?」

 「ふっふっふ……これこそが噂のVRMMO【アトラシア・フロンティア】だ!」


 妹の静葉が聞いてきたこのゲームこそが、俺が待ち望んでいた完全新作、アトラシア・フロンティア、通称AFである。ジャンルは王道ファンタジーにして初の完全没入型RPGらしい。らしいというのは、βテストこそあったが、βテスターは第二陣からしかプレイできないとか、クラスが100以上あるのにプレイヤーによってクラスが変化するとかいろいろうわさが立っているからだ。しかも、わけのわからないぐらい情報規制されているため詳しい内容は俺にもわからない。

唯一出回っている情報はNPCがその世界で、生きているということだ。曰くそれは最優先で伝えないといけない話らしい。

つまりNPCは死んだらリスポーンしないってことだと思う。……たぶん。


 「おー!予約してたんだ!」

 「モチのロン!あ、おまえの分もあるぞ」

 「え!?ほんとに!!」


 俺は静葉にゲームを渡す。ちなみに俺はMMORPGはみんなで楽しむ派だ。

そのため無料MMOを妹や親友の大樹とやるのはよくあることなんだが……


 「買ってこないと思ってたのか?」

 「いやぁ……さすがに最新機種って高いでしょ?」

 「あぁ……これ買うために貯めてたしな」

 「え!?お兄ちゃんが!?」

 「それだけこのゲームに期待してるってことだ」

 「なるほどね……大樹君の分は?」

 「あいつは自分で買ったってさ。明日の9時からゲームが遊べるんだが時間空けといてもらえるか?」

 「もちろん!」

 「それじゃあ明日、始まったらどこかで集合な!」

 「了解!」


 静葉とフレンドコードだけ交換して、それぞれの部屋へと戻る。

明日が楽しみだから興奮して寝れないかもしれないな……


********


 約束の時間がやってきた。さて、ゲームを起動しようか!

説明書は事前に読んだんだが、ゲーム内容には一切触れられてなかった。

まぁこのくらい想像ついてはいたけどな。んで、ゲームの起動の仕方はこの機械をかぶって寝ればいいらしい。

じゃあAFを起動しますか!


 「起動!」


そういうと強烈な光のようなもので一瞬辺りが見えなくなる。

********


 目を開くとそこは、床、壁、天井、そのすべてが真っ白な部屋だった。

ここはおそらくログイン画面ってやつだろう。

中央にある変なものがキャラメイク用の機械か?

今の自分の格好はゲームにログインした時の格好そのままっぽいな。


 「にしても自分の身体と全然変わらないな……」

 「そりゃ最新技術を使ってますからー」

 「おうぁっ!?!」


 だ、誰だ!?いやまて?これは小説とかでよく見るAIってやつなのでは?

よく周りを見ても誰もいないし……って機械の後ろに女の子がいるじゃん!


 「君がキャラメイク担当の子かな?」

 「お!察しがいーねー。私がキャラメイクとチュートリアルを担当するAI、あーちゃんだよー」

 「AIって割には反応が人間ぽいな」

 「そりゃ私たちは最新の人工知能を持った生きてるAIだからねー、普通のAIと比べないでほしいなー!」

 「なるほど、それは失礼」

 「いいってことよー」

 「それじゃあ早速キャラメイクをさせてくれ」

 「あいよー」


 女の子、改めあーちゃんは例の機械を操作していく。その最中にあーちゃんから戦闘システム等を教えてもらった。

まず基本的にメイン・サブ合わせて2つのクラスといくつかのスキルを使って戦うらしい。

スキルは無尽蔵にとれるし、いくつ持ってもペナルティはないらしい。が、一部のスキル以外はスキルにパッシブスキル(常に発動するスキル)がないから使いこなせる数にするようお勧めされた。

しかもスキルによってはデバフが付くものもあるらしく取れるだけ取ると損するシステムらしい。

クラスは本当に100種類を超えてるらしく、しかも進化によってオンリーワンな性能になっていくらしい。

魔法はスキルとは別枠らしく使用できる魔法の枠は最初は5種類らしい。

ただ、5種類しか覚えられないわけでなく、その枠に使用する魔法をセットして使うらしい。枠を無視する方法もあるとか。

詠唱は指定の文字数であればなんでもいいらしい。


 「そういえば、ステータスとかレベルは?」

 「ステータスに関しては内部データにあるけどHPとMP以外は確認できないよー。レベルはないから気をつけてねー」

 「レベルがない……だと!?」


 つまり装備やスキルで強さが決まるということになる。そういうゲームはなくはないが珍しいな。実力重視ってことみたいだな。


 「それじゃあキャラメイクの準備ができたよー」

 「OK。まずは何を決めればいい?」

 「まずはキャラネームを決めようかー」


 キャラネームか。俺の名前、緋野晴樹をもじっておこう。

うーん……晴樹だからサンウッド?それとも緋野からもじってレッドフィールド?……ここはシンプルに行くか!


 「それじゃあスカーレッドで」

 「りょーかい。次に見た目を決めてねー。大きくは変えられないけど、髪色とかなら変えられるよー」

 「それじゃあ髪を赤にして肌を若干黒く、目を濃い青色にしてくれ」

 「わかったよー。次は種族だねー。人間、エルフ、ドワーフ、狼人(ロボウド)獅子人(シシウド)兎人(ラビウド)鳥人(バーディウド)がいるよー」


 ふむ、俺は魔法系がいいと思っているんだが魔法に強みがあるのがエルフ、鳥人、兎人らしい。

エルフは無難だが魔法使いっぽすぎて対人に向かなそう、兎人も意外に速くないらしいから却下、となると鳥人だが飛行技術か……


 「鳥人の飛行難易度ってどのくらいだ?」

 「えっとー、そこそこ難しいねー。スキルの練習と同じくらい?」

 「なるほど、なら人間で頼む」

 「およよー?なんでまた人間なのかなー?」

 「消去法、と言いたいが人間の底力を信じてみたくてな」

 「おーそうきたかー。りょーかい。次はクラスだよー」


 クラスか、やりたいことはなんとなく決まってるんだが……


 「なぁ、やりたいことを伝えるからそれに近い動きができるやつをお勧めしてくれ」

 「いいよー!どんなのー?」

 「えっとだな…魔法の作成及び遠隔起動ができるものを頼む。罠系の魔法を張って誘導できるかんじで」

 「ピーキーなの要求するねー。なんでそれにしたのん?」

 「どうやら俺は観察眼がいいらしくてな。ならそれに特化させようかと」

 「おーなるほどー」

 「あと、実はそこには罠が仕掛けてあったのだよ!とかやってみたいし!」

 「そーなの……検索するから待っててー」


 あーちゃんが機械を操作している間、このゲームの仕様について聞いておいた。

 もちろんあーちゃんからも質問は飛んでくるわけで……


 「武器を持たないで行くつもりはあるー?」

 「いや?何かしらの武器は持つつもりだが……何かおすすめがあるならそれにしてみるつもりだぞ?」

 「りょーかいりょーかい―、魔法の属性は何がいい?」

 「火と光で頼む、火のほうがメイン属性な!」

 「おーけー、それならここをこうして……」


 ……こうして待つこと3分弱、完成したキャラクターがこちら。

 ________________________________


 スカーレッド/人間


 クラス

  整備士/陣魔導士


 HP/MP

  195/210


 スキル

  魔法陣・魔法陣作成・亀裂槌・魔力纏い・フォールメテオ


 クラススキル

  整備・魔導陣


 魔法

  ファイア・ライト・ファイアランス・サンダー・フレイムウォール


 装備

  始まりのモーニングスター


  初心者の帽子

  初心者のシャツ

  初心者のズボン

  初心者の靴

 __________________________________

初投稿です。よろしくお願いします。

MMOはあまりやらないので“ぽいもの”になってしまってますが……

次は明日を予定しています。

続きをお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ