旅に出る前日の夜
母さんが作ってくれた夕食はとても美味しかった。いつ帰ってくるのか、帰ってこれるかのわからない旅に出るので母さんの料理が当分食べられないかと思うと少し寂しいような気もする。明日は朝早くから出る予定なので早めに寝る準備をしていると
「ちょっと今いいか?」
と親父が部屋の外から話しかけてきた。
「ああ、大丈夫だよ」といい部屋のドアを開けた。部屋に入ってきた親父は部屋全体をゆっくり見てからベットに座って話しかけてきた。
「これを持って行け。父さんが昔おじいちゃんからもらったお守りだ。」
と言って少し汚れている小さな巾着袋を出してきた。
「絶対に開けるなよ?父さんはお守りをもらって中身を見ようと開けようとしたら「こういった物は開けたら力がどっかへ行ってしまうから絶対に開けるなよ‼︎」て酷く叱られた。」
と笑いながら話す親父の目はどこか心配そうだった。
「わかった。ありがたくもらって行くよ。」といい親父からお守りを貰う。お守りを受け取ったら親父が
「無事に帰ってきたら中身を教えてやる。」といった。
「いや中身見たのかよ」と親父に思わず突っ込むを入れる。
「いや?おじいちゃんが死ぬ前に聞いただけさ。」
としてやったりみたいな顔をして親父が立ちやがりドアの方へ向かった。そしてドアを開けると振り返って
「だから必ず無事に帰って来いよ。」
といい部屋から出て言った。
そんな親父を追いかけて部屋を飛び出して「わかった、必ず帰ってくる。母さんの料理も食べたいしね」と言っら親父が
「お守りの中身が気になるかじゃないのかい ‼︎」
とツッコミをもらいそれがおかしくてお互いに笑いあった。
その後、俺は部屋に戻り旅に持って行くものの最終チェックを済ませてからベットにダイブして横になった。明日からの旅、うまくいくかどうか不安や期待を持ちながら寝た。