登場人物名鑑②ソータとその家族
ここでは、物語に登場した人物を紹介していきます。
後は、キャラに対する想いや作中にはなかったけどこんな人です、みたいな背景とかを書いていきたいと思います。
《用語説明》
年齢(享年):物語終了時点(2019年8月)での年齢です。
登場作品:番号と作品の対応は以下の通りです。
①想い紡ぐ旅人 ②あの夏の日に ③漆黒の昔方 ④少女の味方
⑤異国六景 ⑥還る、トコロ ⑦まくあいのこと。⑧天上の彼方
キャッチフレーズ:作品を書く際、実は登場人物のイメージカラーを決めたり、
キャッチコピーをつけたりしていました。それを紹介したものです。
ジョブ:RPGっぽくしたときの役割。これもキャッチフレーズ同様、本人の
立ち位置を決める参考にしていました。
FP:フェルティガの最大保有量。元々考えていた訳ではなく、今回これを作る
に当たり、強さのバロメーターとして考えてみました。
フェルティガを使用できる最低ラインが100。
普通のフェルティガエが1000前後。
強いと言われるレベルは2000超え。
フィラ三家の直系やウルスラ王家は通常3000以上。
これを基準に見てもらえれば、と思います。
習得技能:現在使える能力。元々持っていた能力には★印がついています。何
もついていないのは訓練によって身に付けた能力です。
固有技能:本人しか使えない能力です。
●中平颯太(ソータ)
年齢:44歳(1974年生まれ)※見た目は30前後
登場作品:③~⑧
キャッチフレーズ:「最強のツンデレ」(「漆黒の昔方」時)
「一喜一憂・昭和の男」(続編以降)
ジョブ:狩人・退魔士
FP:なし
習得技能:なし
固有技能:★鏡の宣詞,★剣の宣詞,★珠の宣詞
特記事項:ヒコヤの生まれ変わり十代目で、歴代最高の力の持ち主。現在はパラ
リュスの神さま見習い。
このシリーズの裏の主人公。「漆黒の昔方について」でも触れたように、その辺にいそうな、リアルな少年を目指して書きました。
本人も言っているように、身長は168cmと少し低め。顔も可愛い系なので、本人はかなり気にしています。
照れ屋ですぐ顔が赤くなってしまうところもコンプレックスに感じています。
「漆黒の昔方」では、強がりというか、カッコよく見せたがり、という側面が強かったので、最初の方は水那に対してもエラそうです(笑)。
いろいろあってからはどう行動したらいいかわからなくなり、かなり迷走しています。
続編以降は、パラリュスの根幹を握る人物ということで、行く先々で頼りにされます。
登場人物の中では比較的普通の感覚の持ち主なので、あちらこちらでツッコミ役として活躍してもらいました。
朝日同様、彼にも致命的な弱点を、と考えて「スピード恐怖症」になりました。ユウと親しくなるきっかけとして思いつきで出したものなんですが、後々もちょこちょこネタに使えてよかったです。
この作品中、私はソータをいじめっ放しでしたね。水那とは結局二十年以上離ればなれだし、ユウにはいいようにからかわれるし、トーマにもイジられるし、もろもろの恐怖症のせいで情けない姿もたくさん晒す羽目になるし……。
本当に、可哀想なことをしました。(「絶対思ってねーだろ!」という彼のツッコミが聞こえてきそうですが)
彼のヒトとしての最後の姿(光の中、天界に昇るシーン)をゴールに見据えて、この作品を書き続けてきました。
ネイアも言っていましたが、これからは、永久に水那と一緒にいる訳です。思う存分イチャイチャしてほしいな、と思っています。(……と最後までイジる)
●比企水那
年齢:44歳(1974年生まれ)※見た目は20代後半ぐらい
登場作品:③~⑧
キャッチフレーズ:「鋼の聖女」
ジョブ:僧侶
FP:400(神器ブーストで∞)
習得技能:★強制執行,障壁Level.1
固有技能:浄化,神器の使用
特記事項:十代目ヒコヤ、ソータの伴侶。現在はソータと共に、パラリュスの神
さま見習い。
さて、謎多き少女、水那です。身長は156cmぐらい。色素が薄く、かなり痩せた幸薄そうな儚げな人をイメージしていただければ、と思います。
繊細そうな容姿とは裏腹に、中身はかなり男前です。ハートが強いです。ハートの強さだけなら、登場人物の中で一番だと思います。実はそういう設定です。……強制執行の使い手ですからね。
ソータは「友達と喋っている水那を見たことがない」と言っていましたが、それは家庭環境の凄惨さやフェルティガエの波長の問題であることは確かです。
でも、もともと広く浅く付き合うタイプではないし、一人でも平気、という人。
普通の家庭で育ち、大人になったとすると……一人で喫茶店でゆっくりと読書するのが好き、みたいな感じの女性になったと思います。
でも自分のペースが狂わされるのが嫌、という訳ではなく、頼まれれば「いいわよ」と言って適度につきあってくれる、懐の深い女性でもあります。
だから友人としては、セッカや朝日みたいに泣いたり、笑ったり、毎日何だか忙しそうな人が好きです(自分にはないエネルギーを感じるから)。
いろんなことに巻き込まれるんだけど「仕方がないわね」と言って付き合ってあげる、そういう感じの友情を育むのではないかと思います。
さて、「漆黒の昔方」ではソータ視点ですから、そんな中身はあんまり見えませんがね……。
でも、彼女が強制執行を使う時は、必ず何かを決断したときですから、そういうところに表れてるっちゃあ表れているのかな?
ハールの祠でも、躊躇するソータの背中を押したのは水那ですからね。本当は謝ってほしくなんかなかったんですよ。なのに……。(この辺が水那の誤解をどんどん加速させる原因になる)
「漆黒の昔方」の最後で、水那はソータもトーマも置いて闇の中に消えてしまいますが……勿論、そこにはいろいろな葛藤がありました。
……ま、その辺は「旅人たちの向こう側」に収録されている「永遠の貴方」をご覧ください。(←あからさまな宣伝)
一つだけ言うと、水那はずっと「颯太くんにとって私は庇護の対象でしかない」と思っていて、最後の日のソータの告白には、かなり驚きました。
このとき水那は再び迷いましたが、女神ジャスラが助けを呼んでいることは肌で感じていたので、結局、自分の使命を選びました。
そういうところが、「鋼の聖女」たる所以です。
ですから、ソータとは同い歳なのですが、雰囲気的には「姉さん女房」な感じなのです。
●中平十馬(トーマ)
年齢:24歳(1994年8月生まれ)※実際に生まれたのは1995年4月ですが、
一年前の時間軸に戻ったので。
登場作品:①~⑧
キャッチフレーズ:「動じない男」
ジョブ:剣闘士
FP:200(発現前は100に満たなかったが、諸々の干渉によりここまで引き上
げられた。現在は女王の眷属として干渉し続けられることになり、1000ぐら
いまで徐々に上昇していく予定)
習得技能:★掘削
固有技能:★神器の使用(少しだけ),女王の代行
特記事項:シルヴァーナ女王の眷属。女王に身体を貸すことで女王の力を行使す
ることができる。(作中では披露していませんが……)
さて、もと主人公のトーマです。身長は175cmぐらい。上記にもあるように、全8作すべてに登場している、唯一の人物です。
勿論、「想い紡ぐ旅人」を最初に書いた時には、彼の存在はどこにもないですよ。ただ、続きを書くと決めたとき、彼は主人公格から落とさざるを得なかったんですね。
なので、せめて全作品に登場させてあげようと「想い紡ぐ旅人」にねじ込みました。(続きを書くにあたり「想い紡ぐ旅人」をちょっといじった、というのは彼を登場させた部分のことです。それ以外は全くいじっていません。)
……どこに登場していたか、覚えている読者様はいらっしゃるのでしょうか?(ヒント:じいちゃんも出ています)
まぁ、いわゆる好青年というヤツです。誰にでも優しいですが、「NO」を言える人なので周りからも信頼されています。面倒見もいいです。
夜斗と立ち位置が近いですが、夜斗と決定的に違うのは、本人はあまり考えずに言ったり行動したりしている、という点です。それが自然とその場にあてはまる、ということですね(天然とも言う)。
友人や先輩とかだったらめちゃくちゃいいんですが、恋人となると……ちょっと……というのが、私の個人的な見解。
「まくあいのこと。について」でも書きましたが、誰にでも優しいので「私って特別じゃないの?」と思わせてしまうところがありますね。
中学までは山奥のかなり小規模な学校だったのでみんな幼馴染でしたし、
「トーマくんは誰のものにもならない(しいて言うならユズのもの)」
みたいな共通認識があったのではないかと思います。
トーマに言わせると「田舎では男子も女子も関係なく遊んだりしていたし意識してない」とのことですが、
「それはお前だけや!」
「周りは半ば諦めていただけや!」
というツッコミが入りそうです。
ですので、高校では「告白される」→「ごめん、そういうつもりはない」を繰り返していたのではないかと思います。自覚がないので仕方がないですね。
そうは言っても、そういう大らかなところがトーマ最大の魅力だったりするので、このまま変わらず、シィナと幸せになってもらいたいなぁ、と思います。
●中平圭吾(ケーゴ・親父・じいちゃん)
享年:76歳(1938年-2015年1月)
登場作品:①,③~⑥
キャッチフレーズ:「待ち続ける剣者」
ジョブ:剣の師匠(パーティキャラではなくイベントキャラ的な……)
FP:なし
習得技能:なし
固有技能:なし
特記事項:ソータの父親、トーマの祖父。元警察官。
さて、Nが好きなキャラ第2位、大番狂わせのじいちゃんです。
ソータと共にジャスラに行ったのが55歳のとき。帰って来たあと、残りの人生をトーマを育てながらソータを待つことに費やしました。
妻(ソータの母親)を亡くしたのがソータが9歳、ケーゴが45歳のときで、その後、時には喧嘩しながらもソータとはうまく親子関係を築いてきたのではないかと思います。
ソータもケーゴの仕事の大変さとかはもうわかる年齢だったので、それでも自分との時間を作ろうと最大限努力してくれた父親のことは尊敬していました。
水那については、ちゃんと助けることができなかったこと、そしてそのことがソータの心にずっと残っていることを苦しく思っていたので、二人の間に子供ができたことをネイアから聞いたときも「なるべくしてそうなったのだろう」と納得していました。
「ミュービュリに帰ったらちゃんと結婚させて、まだまだ子供な二人を自分が支えないと」
「水那さんの父親はどうするか……いや、二十歳になっているから連絡しなくても問題はないだろう」
「使ってない部屋を整えて……そうだ、ソータのアパートはもう少し広い所に引っ越さないと」
とか、ソワソワと色々なことを考えていました。……実は。
怒られるんじゃないかとビビるソータにネイアが「大丈夫だ」と言ったのは、こんな、何だか嬉しそうな親父殿を見ていたからなのです。(……結局は叶わなかったんですけどね。……悲しいことに)
じいちゃんを水那と会わせるか、本当に迷ったんです。でも、話の流れを考えると……どうしても組み込めなかった。
……ごめんなさい、じいちゃん。
天国でトーマを見守っててね~。
閲覧いただき、ありがとうございます。