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「想い紡ぐ旅人」について

 加瀬優妃と申します。

 旅人達のアレコレ~digression(よもやま話)~にお越し下さり、ありがとうございます。

 今回の内容は……

  「想い紡ぐ旅人」について

でございます。


①リメイクのこと

 あとがきにもあったように……これは私にとって、書くのは四回目になります。

 ただし、三回目までは二人の性別は逆でした。

 つまり「男子高校生の元にエージェントの女の子がボディガードにやってくる」というお話だったのです。


 一回目は中学生のときに書いたもので、何となく女の子が男の子を守る方がカッコいい、と思ってそうした気がします。

 このエージェントの女の子が「朝日」です。このヒロインの名前は、ずっと変わっていません。


 二回目は高校生のときに書いたもので「ガラスの時空」というタイトルでした。

 ほとんどの設定は、この時にできました。

 三回目は製本するとどんな感じなんだろう、とパソコンで単行本形式に打ち直したもので、エピソードとしては一か所付け加えたぐらいですかね。


 組織から狙われている少年を守るために「朝日」がやってくる訳ですが、

   学校生活→Aの敵に誘拐される→取り戻して日常に戻る→Bの敵に

   誘拐される→家に避難する→Cの本拠地をたたく

という流れになっていて、今回もほぼ、それを踏襲しています。

 今回「異世界」というテーマ(Nに読んでもらうためにはこのテーマじゃないとダメだと思った)に作り替える際に、「エルトラ」「キエラ」「フィラ」などの異世界設定を作りました。


 勢いで書き始めると話のつじつまが合わなくなったり、ゴールが見えなくなって最後まで書けなかったりするので、Excelで年表的なものを作って、各国の過去とその後の展開、エンディングまでの流れの一覧表を作成しました。

 縦軸に年代、横軸に「エルトラ」「フィラ」「キエラ」「上条家」「関係者年齢」をとって……まぁ要するに、朝日たちが「こう」だった時期に、キエラでは「こんなこと」が起こっていた、当時朝日は○歳だった、というような時系列に沿った一覧表です。


 今も残っているので見直してみましたが、物語開始時点から四十年前の「フレイヤ即位」からこの物語のエンディングまでの一覧表になっていますね。

 Nの挑発に乗って書くことになったとはいえ、当初から私が相当気合を入れていたんだな、ということがよくわかります。(^^;)

 ……実は、すごく書きたかったんでしょう。


 もともとは三人称で書いていましたが、それには限界を感じていました。それで一人称に変えようと思い、性別もここで入れ替えました。

 まずは女の子の一人称の方が書きやすいだろうと思ったし、やっぱり男の子が女の子を守ってくれないと……ねぇ。


 でもそれ以外ですと 

・双子の姉弟が敵としてあらわれるが、弟の方が主人公の味方につく

・主役の二人と双子は三家の出身

・保護していた人物は、実は力を吸収する性質があった

・最後の敵は「自分」である

……というエピソードは、もともとの話(高校生時『ガラスの時空』)にもあったものです。



②言葉のこと

 「異世界って言葉は同じなのかな?」というのが最初の疑問でした(朝日がユウにした最初の質問は私の質問でもあったということですね……)。

 Nに聞くと、「異世界転生」が多いから最初からわかるケースが多いかな、という答えでした。


 でも、私の話の場合はこれにはあてはまらないし、普通に考えたら違うはずだよな、と思いそのようにしました。

 今となっては、「言語が違う」という設定にしてよかったと思います。

 後々までいろいろとネタに使えたし、そこからケーゴさんとの出会いに繋げられましたしね。


 朝日がなかなか覚えられない、舌を噛みそうな言葉を、と思い「フェルティガ」「フェルティガエ」などの名称を考えていきました。ユウの名前もそうです。

 前に活動報告でも書きましたが、私はタイトルを決めたり名前をつけるのが非常に苦手です。

 何か縛りを決めないと全然固まらないので、「朝日」に対応して「夕方」から「ユウ」になりました。そこから「夜斗」「ヒール」「暁」が決まりました。

 ……あ、「瑠衣子」「理央」「ジュリアン」はもとの作品でつけていた名前をそのまま持ってきたものです。(だから関連性が全くない)



③二人の恋愛のこと

 決めていたのは、二人が自覚するのは「争いの最中」ではなく「日常生活の中で」にしよう、ということでした。

 争いの最中って、何か勢いだけって感じで嫌だったんですね。


 ……それに、二人の性格を考えると

  「吊り橋効果よ。守ってくれてるから舞い上がってるだけなのよ!」(朝日)

  「余計なことを考えるな。ガード対象が大切なのは当たり前だ」(ユウ)

とか何とか言って、二人とも絶対に認めそうにないな、と思ったのでした。


 それにしても……二人とも自覚するのも行動するのも遅かったですよね。

 朝日は夢のこともあってほぼ一目惚れ状態だったし、ユウに至っては幼い頃からずっと見守り続けた女の子だったというのに……。

 夜斗がいなければ、この二人は絶対にうまくいってないです。



④学園祭のこと

 二人の意識が変わり始めた後のイベントですね。特に何かが起こるわけではないので(ユウの変化が見てとれるだけ)読者様の中には「このシーンって要るの?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

 ……ですが、どうしても書きたかったのです。


 私の頭の中では、基本、映像が流れています。マンガか、特に思い入れが強いシーンはゲームのムービーシーンのようになっていて、それを一生懸命文章に直している感じです。

 本当は挿絵とか書けたらいいんですけど、絵は壊滅的に下手なので……。


 ……そうです、私は単に朝日とユウと夜斗にコスプレさせたかっただけなのです。脳内妄想が楽しかったので、どうしても入れてしまったという……。

 もし誰かが挿絵を描いてくれる、ということになったら、私は絶対にこのシーンを希望します(笑)。



⑤エンディングのこと

 当初はユウ(リメイク前は朝日ということになりますが)は死んでしまっていました。

 ……でも、一本の話としてそれはちょっと悲しすぎるなと思い……せっかく「ガラスの棺」などのアーティファクトもあるので、眠らせる方向に変えました。


 プロローグに合わせ、エピローグも「朝日の夢」なのですが……何年後かにはきっと会えるでしょう、という含みを持たせることにしたのです。

 でも、まさか……その「きっと」を書くことになるとは、このときは微塵も思ってなかったんですけどね……。



 書き終えて20万字を超えていることに自分でもびっくりしました。

 でも、この作品がもしこんな字数でなければ、ひょっとしたら私は「小説家になろう」に辿りつかなかったかもしれない。

 そう思うと、色々と感慨深いです。


 閲覧いただき、ありがとうございます。


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「連載小説」シリーズ

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