JKがお姫様と間違えられてオークに拉致監禁されるお話
「ちょっと!放しなさいよ」
無数のオークに囲まれた少女が暴れている。
「ブヒブヒ!ブヒブヒ!」
オークには何を言っても通じない。
「何であたしがこんな目に遭う訳!?」
「ブヒブヒ!」
さかのぼること一時間前、リナは紅茶を美味しくいただき、ロッキングチェアに揺られていた。
「ああなんて快適なんだろう。このままどこかに行きたいわ。あたしがお姫様だったらな~」
ロッキングチェアの刻む一定の揺れがリナを眠りにいざなう。
そして目を覚ますとリナは知らない世界に来てしまった。
「ブヒブヒ!(おいあんなところにリーナ姫がいるぞ!)」
「ブヒッブヒー(誘拐して身代金をいただこうぜ)」
こうしてJKリナは異世界のお姫様と間違えられ拉致されてしまったのだ。
「放してよ~!」
「ブヒブヒ~!」
「こら~どこ触ってるのよ!訴えるわよ!ていうか責任者出しなさい!」
リナの叫びも空しく助けは現れないのだった。
ああ無情。言語の壁は恐ろしいのだ。