ぼく「この設定は新しいぞ!」
初小説で初投稿です。
「そうだ!小説を書こう!」
ある日僕は思い立った。
色んな小説を見て、色んな設定を見て、色んな人物、情景を見た。
それらを見て、自分もこんな事を書いてみたい、そう思った。
「よし!じゃあまずは設定作りからだな!えーっと、主人公は...こうして...物語の舞台は...こうで...ヒロインも忘れちゃいけないな!よし!いい感じ!あとほかの登場人物と...用語と...うん!この設定は他にもないんじゃないかな!これで書いてみよう!」
そして僕は挫折した。
「なんだこれ...説明ばっかりで何も面白くない...主人公も何考えてるか全くわかんないし...ヒロイン出そうとしたらちょびっとしか出ないし...」
一体何が悪かったか。僕はまた書き直した。しかし結果は同じだった。
「ううう...設定は結構よく出来てるはずなのに...一体何が悪いんだろう...?」
「お困りのようだな!」
いきなり声がした。
「だ、誰だお前は!」
後ろを振り返ると顔に「初」と書いた紙を貼った長身の人物が立っていた。
「私は初心者物書き助けるマンだ!」
「初心者物書き助けるマン!?」
なんだその名前!?壊滅的じゃないか!
「何に困ってるんだい?」
うっ、でも困ってるのは事実だし...まぁ言うだけ言ってみるか
「じ、じつは...設定を作ったは良いけどそれをいざ小説にしようとしてみるとどうしても説明が多くなっちゃうんだ...」
「ふむふむ」
「それにヒロインも出そうとしたけどちょびっとしか出なくなっちゃって...」
「なるほどなるほど?」
「結構世界観とか新しいし面白いのが書けそう!って思ったのに...」
「それだよ」
「え?」
「君はなんで初めてなのにテンプレを使おうと、さらに長編をやろうとしないんだい?」
「えっ、だってそれじゃあ誰も読んでくれない...」
「馬鹿野郎!」
「へぶぅっ!?」
いきなり殴られた!?なんで!?
「な、何すんだよ!」
「てめぇはなんで初心者の癖して人に読んでもらおうなんて思ってんだ!しかも長編?舐めてんのか!そんなの途中で飽きてエタるに決まってんだろうが!」
うっ、た、確かに..
「いいか!テンプレを馬鹿にするんじゃねえぞ!全体的に見ればほとんど同じでもなぁ!その個人個人でいろんな色が出てくるんだ!」
「は、はい!」
「よぉーし!じゃあまずはテンプレに添ってなんか短編小説を書いてみろ!」
「わ、分かりました!教官!」
いつの間にか僕は初心者物書きマンを教官と呼んでしまっていた。
そして。
「で、できました!教官!」
「ふむ...まあいいじゃないか。」
「そ、そしてどうすれば...」
「そぉい!」
「あーっ!」
物書きマンはその僕の小説をサイトにアップした!
「な、何す」
「うらぁっ!」
「ぬふぅっ!」
全部言わずにすぐ殴ってきた。理不尽だ...
「ひとーつ!最高の添削者は読者である!誤字脱字!キャラクター!言語!あらゆる事を指摘してくれるのは読者だ!なので!初めてのうちは書いたものはすぐ上げろ!」
「は、はい!...あ!早速感想が...うん...まぁ...テンプレ乙、あーつまんねって内容だね...」
「まぁ今回は初めてだ。次からこのテンプレに肉を付けていけ。」
「はい!教官!」
そして。それからも僕は物書きマンにしごかれ、読者からボロクソ言われ、それを直す日々を送った。
やがて。
「よし!そろそろ長編を何か書いてみろ!」
「えっ!で、でもまだ自信が無いですよ...」
「ふふ、今の貴様ならできるはずだ。やってみろ。」
「は、はい..あれ?書ける、書けるぞ!.」
驚いた。あれだけ苦戦した説明も!ヒロインの登場も!驚く程にスラスラ書ける!
「こ、これは...一体...!?」
「フフ...簡単な事だ。貴様は以前、何も書いていなかっただろう。その状態では何も生まれん。だが、今は違う。色々な小説を書き、経験を積んだ。一つ一つは小さいかもしれん。しかし、塵も積もれば山となる!なので私は色々なものを書かせたのだ!」
「そ、そうだったんですか...」
確かに...そうだ。以前は全く経験がなかった。その状態で長編だなんて...Lv.1で魔王に挑むようなものだ...
「さて、そろそろ出来たか。」
「はい!できました!」
「おお...なかなかいいじゃないか。よし、それを上げてみろ。」
「はい!」
僕は初心者だ。渾身の出来だと思ってもそれは人によってはそこらへんの石ころだと思うだろう。それでも。僕はその意見を聞いていこう。いつかラスボス(書籍化)を倒せる日まで。
しばらくして。
僕は見事書籍化を果たした。しかし、初心者物書きマンは姿を消した。
そんなある日、有名作家さんと話をする事になった。
「すごいよね、どうしたらあんな作品を書けるの?」
「ええっと...まぁひたすらに書く事、ですかね?」
「なんで疑問形なのよ」
和やかな雰囲気の中ふと、その人は思いついたかのように言った。
「もしかして、初心者物書きマンって人に出会ったのかな?」
「えっ!」
「やっぱり。俺もそうだったもん。」
驚いた。あの人はこの人にも指導してたのか。
「物書きマン...まぁ、君もわかるだろう。教官はその名の通り挫折した初心者の前に現れる。そして殴りまくって教える。人に言っても信じて貰えないけどね。」
その人は笑いながら、なつかしそうに語った。
「そして、初心者を脱却した時、ふといなくなる。そして次の初心者の下へ行くんだ。」
いなくなったのにはそんな理由があったのか...
「でも、全然寂しくは無いんだ。あの人のおかげで俺はここまで来れた。色んな作品を作れて、いろんな人に読んでもらえる。作家冥利に尽きるってね。」
「僕も分かります。書き始めたのだって、いろんな人を楽しませられるような小説を書いてやる!って気持ちで始めましたから。」
「ははは、やっぱりそこから始まるよね。」
「ですね。」
きっと初心者物書きマンは今も獲物...じゃなかった。初心者を見つけて指導という名の鉄拳を食らわせている最中だろう。
頑張れ。初心者君。いつか君も楽しんでもらえる本を書けるように...
以上、読んでくれてありがとうございました。
初心者が何偉そうなこと言ってんだと思ったらすいません。
自分が何か異世界物を書いてみようと思ったら全く書けなかったので思ったことをこうしてみました。
色々おかしいとおもったら容赦なく感想でスバズバ言ってください。
今後の予定は未定でスゥゥゥゥ...