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扉シリーズ

ー扉ーショートストーリー 明日何日?

作者: 烏丸嵐太郎

‐明日何日?‐


 秋も深まり肌寒くなった今日この頃我が家ではついに寒さの限界に達しこたつを出すことになった。

一家団欒の夕食が終わりこたつを囲んで家族がその周りを支配する。

父は野球中継を見ている、母は夕飯後の一服でくつろぐ、妹は漫画を読んでいて、俺はゲームをしている。

そんなどこにでもあるような一家の風景に突如として妹から一言投げつけられた。

「明日って何日だっけか?」

一家全員が固まった。今日の日付を思い出し明日の日付を当てはめようとしている。

だけど俺は目の前のカレンダーを確認した、明日が21日と確認して答えてやろうとした矢先

一瞬の静寂のもと、母が「ああ明日は21日じゃない」と携帯を見ながら声を上げた。

妹はそれを聞いて「ああ、じゃあなんでもなかった」と一言・・・

ありふれた日常といえるだろう、俺は急に尿意をもよおしトイレに立った。

うちのトイレの扉は締まりが悪い、閉めたと思っていても閉まってないことが多く時間差で扉の閉まる音が聞こえてくることがある。

だから俺はいつも、しっかり閉まるまで思いっきり扉を引くのだ

扉の音が「バタン」と大きく鳴る。

トイレから戻りこたつに戻った俺は、再びゲーム機を手に取りさっきの続きを始めた。

するとまた。「明日って何日だっけか?」妹が一言

さっきも言ったよな?

と疑問に感じながらも俺は無視していた。

すると、また母が「明日は21日じゃない」と携帯を見ながら答える・・・

デジャヴか?と思った俺は気にせずゲームに没頭する。すると今度は母がトイレに立ち戻ってきた。

なぜかトイレの扉の閉まる音が妙に際立って聞こえた。

妹はしょっちゅう家族にこういうことを聞いてくる。

だからうちではありふれた光景だしなんにも思わないはずなのに、何かの違和感を感じた。

すると妹がまた問いかける。

「明日って何日だっけか?」

さすがに「お前バカか」と言いたくなったが父がイラッとした声で即座に「21」とスマホを妹に見せながら答える。

なんだデジャヴじゃないじゃん、単なる妹のバカ発言じゃん、と思っていた。

父は少しむっとした顔をしておもむろに立った。

「便所行く」と一言放ちトイレに向かう、父はトイレの扉をちゃんと閉めない事が多いから時間差で音が鳴ることが多いのだが、今日に限ってその音が大きく「バタン」と居間まで響いてきた。

「なんか、扉閉まる音うるさくない?」

戻ってきた父にそう問いただすと「ゆるいんだよ、後で直すからほっとけ」冷たくあしらわれた。

「明日って何日よ!」

妹がその一連に間髪入れずにまた問いかけてくる。

あきれた俺は「お前、バカかさっきっから何べんも言ってんじゃん21日だよ」間髪入れずに放ってやった。

すると、カレンダーを指さす妹が家族に問いかける。

「明日って何日よ?」

カレンダーを見た。

「あれ?」今日は20、明日は・・・空白?

カレンダーの間違いじゃないの?そう思っていた俺にスマホを持った父がスマホのカレンダーを見せてこう放つ「明日って?」

スマホを見るとそこも20日の次は空白・・・

なんだこれ?

母はガラケー、それのカレンダーを見ても空白???

20の次は21だから21日のはずなんだけど・・・この現象に不安を感じた俺は頭が真っ白になる。

思考が狂った俺はこう思う

「明日って何日?」


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