太鼓の祭り
掲載日:2015/07/06
聞こえている、いつものリズム。
思い出す、昨日のこと、一昨日のこと。
腕の痛み。
足の痛み。
引き攣る感覚。
伸びない心。
忘れていること。
ふと、触ることで思い出す。
お風呂場で、体を洗う時。
石鹸を塗りこんで、初めて気付く、痒い痛み。
鈍く、深く、沈む。
気が付くと、その傷を、何度も何度も、石鹸で洗う。
その度、痛み、その度、快感。
痛いことが気持ちいい?
違う。
洗っている気になって、忘れられる気になって、そんな思い込み。
リズムに合わせた痛みは。
ドンドンと、体の奥から外へと染みていく。
頭は拒絶する。
高い音が、カンカンと、耳の後ろで響いて、目がくらくらする。
赤く染まった一瞬の湯船の中で、僕は。
まだ、鈍感なんだな。
水面を、両の手で。
波立つ肌と、まるで、太鼓みたいに、心臓のリズムだけ、抱いた。
引き攣るのは、手と、手にあらわれた、気持ちの断片。
あらわれたのは、傷?気持ち?




