過去1
最近暑いですね・・・
ってことで前回のあらすじ!
フラグ建築
「カケル・カンバラさんエミ・カンバラさん。至急、ホールまで来てください」
・・・何だ?やっぱりあれか?アキラが盾役として俺を呼んだか?・・・じゃあエミは荷物持ちかな?あいつ荷物持ち固定だな・・・怠過ぎる上に異世界召喚とかいう夢には見てたけど現実になったらちょっとどころかかなり困惑してて疲れがとれてないが、まあ、ホールに行こう。確かさっき王女様が行ったところだな。行こうと思ったところで、俺は気付いてしまった。絶望に。扉の前にやつがいる。もう手遅れだな・・・このままホールに行かなかったら恐らくもう一人の絶望が来るだろう。諦めよう。
「おー!無事だったんだね、お兄ちゃん♪」
この残念妹・・・ご飯を与える以外最近避けてたのにな・・・朝も捨ててきたし。
さて、家の事情と、父の事を話さねばなるまい。…え?どうでもいい?こっちもそっちの事情とか知らん。俺は、5歳までは父、俺、弟の3人暮らしだった。その頃は弟が4歳で、俺がしっかりしないと!・・・みたいなことを思ってたはずだ。たしか。きっと。たぶん。
父は、今の『Suger』の社長の兄で弟の社長より、優秀じゃなかったらしい。父は子供の頃、天才と騒がれてたらしい。しかも、整った顔立ちは、
『この子は将来きっとイケメンになるに違いない』
と、太鼓判を押されていたそうだ。
父が2歳の頃、弟が産まれた。
父は4歳にして、乗除の計算ができ、言葉もだいたいしゃべれていたそうだ。
その頃から天才といわれていたそうだ。
・・・・・・・・・・・・・・・
ある日、弟が急に、その才能を開花させた。
その弟は、天才と呼ばれていた父が7歳になってできた事を5歳でできたらしい。その弟は、神童、神童と、もてはやされていたらしい。その弟に嫉妬した父は必死に勉強したらしい。14歳にして、漢字検定1級、英検1級フランス語、韓国語も覚えたらしい。だが、それに1年かかった。
弟は12歳で同じ事をやって見せた。さらに、チェスでスーパーコンピューターを倒したり、数学において、有名な数式を独自に導きだしたり、某ポケットなモンスターで最初にゲットしたアチャ○が色違いだったりデュ○マのパック一個目にしてスーパーレアだったりにかく才能に溢れた子供だったそうだ。
最後らへんのはおいといて、弟曰く
兄に追いつきたかった一心で頑張ったらしい。
毎日毎日僕らは鉄板の・・・
じゃなくて、毎日毎日夜遅くまで
ひたすら勉強、筋トレ、家事をこなし学校では学級会長もやっていて、友達も多い。
自分もそんな兄のようになろうと思っていた、らしい。頑張ったら大人達に褒められる。でも兄には褒められない。もしかして、頑張りがたりないのでは?そう考えた弟は、兄のようにひたすら勉強・・・
ではなく、家庭教師をつけてもらった。弟は考えた。自分一人でやるより分からないことは聞けば良い、と。どんぴしゃだった。弟は優秀な家庭教師に恵まれ、カッコイイ兄。恵まれた環境だった。が、ある日最悪の日が訪れる。
弟が14歳になった頃兄が失踪したのだ。
弟は、何が何だか分からなかった。
いくら知識があっても、経験が無い。
弟は諦めた…
一方兄は、高校を卒業し、大学生になった。弟が優秀だった。跡取りは確定。家に居てもお荷物だと思った兄は家を出る決心をした。家族は優しくしてくれたがこのままではだめだと思ったからだ。一般的にみて、十分過ぎるくらい優秀で頭も良く、性格もよく、しかも家事万能。それを鼻にかけることもない。チャラくもない。努力家。慢心しない。器がでかい。モテないはずがない。入学早々ファンクラブができた。もちろん本人は知らない。我が父親ながら裏山。
男子達も嫉妬はするが、嫌な奴ではない、という結論にいたった。勿論猫被ってるのでは?と、疑う人もいたが疑惑はすぐ消えた。
兄が好きな人に告白したのだ。その告白はOKだった。そう、兄は公開告白で
「この状況なら断れないだろ、ぐっヘッへ」
みたいなことはせず、なかのよい友達に相談。ファンクラブに入ってない、昔からの女友達に女子のすきな物を聞いたり、家の名前をださなかったりと誠実そのものだったのだ。
兄の告白は成功した。大学二年生の夏の事だった。彼女は、病弱な体質で、時々しか学校に来ないとのこと。なので兄は、その彼女の事をいままで知らなかったのだ。
兄は必死になって彼女を支えた。彼女と兄の仲も、次第に深まって行った。兄は結婚するまではヤらないつもりだったので、彼女も安心して過ごせた。付き合って1年、兄は、結婚するため実家に手紙を書いた。双方、実家の人々はすぐに来てくれた。勿論弟も。弟は、兄が無事だったことと、彼女ができていたことにすごく驚いていた。
兄も、自分より若いのに弟が結婚してることを驚いていた。
兄は『Suger』の跡取りではないけれど、十分過ぎる学歴を持っているし
将来が安全だとわかった彼女の家族はOKしてくれた。
結婚式の翌日、お楽しみだった二人は、大学に一緒に登校した。二人のラブラブ度は瞬く間に学校の名物の一つになり兄のファンクラブは兄&彼女守り隊へと変化したりした。
数ヶ月後、彼女、いや、俺のお母さんは身篭った。
新たな命を授かったのだ。
大学に休学届けをだした。
~約10ヶ月後~
俺が生まれた。
体が弱いから流産した・・・
みたいなことはなく、普通に産まれた。
俺は、父ほど頭は良くなかったし、両親共に美形なのに
将来リア充が約束されたわけでもない普通の子供だった。
俺は、父からいろいろな『雑学《無駄知識》』を教え込まれた。
わかる分けないのに・・・・・・
とてもほのぼのした日常だった。
父は会社では、課長まで上り詰めていた。
部下からの信頼も厚く、上司からの信用度も高い。
本当に充実した毎日だった。
俺が1歳の頃、母が再び身篭った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして・・・この世に新たな命が誕生したと同時に
命の灯が消えた・・・
俺の弟の名前は、晃祐と名付けられた。
俺の弟、晃祐は、小さい頃から一緒に遊んでた疾風に憧れて
剣道をならいはじめた。このころ、俺達は9歳と8歳だった。
この時になって、やっとなぜ母親がいないのかをきいた。
父は、俺達二人に色々の事を教えてくれた。
母が死んでから、すぐに、俺達二人を一人で育てていく決意をしたこと。
俺を家事万能に仕立てあげたのは、夜遅くまで働いて、帰るのが遅くなるだろうから、とのこと。
・・・そういえば家事系のスキルってないのかな?
おっと、話しが脱線したな。
それから2年くらいして、父が上機嫌で帰ってきた。・・・あの時は珍しく酒臭かったな。なんか、合コンで気になった人がいて、その人と会話がはずんだそうだ。
数日後、父がその人を連れて来た。
とても美人な・・・・・・
子供たちを三人連れていた。
一人は、一人のうしろに隠れていて、少し顔を出している。
一人は、凛とした雰囲気で、釣り目なところが12歳にしてどこか大人びたところを感じさせる。
一人は、無言でほっぺたを膨らませ、こっちを睨みつけている。
今おもいだすと可愛かったなぁ・・・え、今?今ももちろん可愛いよ。顔は。
長くなったので分割。
次回からは一日一回投稿が多分不可になります。
変わりに1話が長くなります。




