1 私は絶世の美女
どうぞよろしくお願いします! R15は保険です。
私はいつものように残業を終え、いつものようにコンビニにより新発売のジュースを買って、いつものように交差点で信号を待っていた。
そこに猛スピードで交差点につっこんできた。そして曲がりきれなった車が私の方へ。
ものすごい衝撃。そして誰かの悲鳴。そしてそして、視界が真っ暗に、、、、。
「う、うーーーん」
目を開けた。見たことない天井が目に入ってきた。
えっ? ここどこ? 起きようとしたら、頭が痛い。
なんで?
「お気がつかれたんですね!」
聞いたことのない女性の声が聞こえた。
「今お医者様を呼んでまいります!」
ドアが閉まる音が聞こえてきた。
やっと体を起こして、周りをみわたしてみたら、、、どこのホテル?
私は、中世ヨーロッパ風のプチゴージャスな部屋のベッドの上にいた。
えーと、記憶を整理してみよう。
私の名前は西野真里。アラサー。彼氏なし。とっても平凡な会社員。毎日仕事にがんばっています!
昨日の朝もいつものように6時に起きた。うん、覚えてる、覚えてる。会社行って、会社が終わって。
あー! 思い出した! 私、車に轢かれたんじゃない!? すごい衝撃だった。
あれ? だとしたら普通病院にいない?
いくら特別室っても、どうやっても病院に見えないぞ、この部屋。
天蓋付のベッドだよ!? しかも部屋が広い、広い。何畳あるんだろう。
うお? 壁が石造り!? 石造りの部屋!? あわててベッドから降りる。
絨毯がしいてあるが、絨毯がないところは床が見えており、やはり石だ。
上を見てみれば、豪華なシャンデリアが。豪華な豪華なろうそくのシャンデリアが。
ろ、ろうそく!?
いや、雰囲気はいいかもしれないけど防災上どうなの?
ってか、本当にここどこーーーーー!?
パニックになりかけたところにドアが開いた。
看護婦さんっ!と言いかけて、入ってきた人たちを見てフリーズ。
外人だ。外人が入ってきた。英語話せないよ。どうしよう。
「お嬢様! 起きて大丈夫なのですか?」
先ほど聞いた声だ。この女性だったのか。いや、私英語話せませんから!
「念のため横になった方がいいでしょう。さあ、ベッドへ」
壮年の男性が私をベッドに促す。いや、だから英語話せませんからーーーー!
「お嬢様。今日はわがままはお止めくださいませ」
あれ? 言葉が通じてる。なんだ、日本語通じるんじゃん。
女性につかまれた手を振りほどいた勢いで体がグリンと90度横を向いた。そこには、上半身がまるまるうつる楕円形の大きな鏡が。
うっわーーー! ものすごいきれいな女性がうつってる。絶世の美女とはこの人のことだろうと思う。年は20歳ぐらい。光をあびてきらっきらに光る豊かでゴージャスなハニーブロンド。沖縄の海のようなエメラルドグリーンの瞳。胸おっきーい! って、あれ? あれ? 動きが変、、、、、。
私が右手を上げる。鏡の中の美人さんが左手を上げる。
私が右手を下ろす。鏡の中の美人さんが左手を下ろす。
私が左手を上げる。
「何やってらっしゃるんです? お嬢様!?」
女性が私の左手をつかんだ。鏡の中の美人さんの右手を女性がつかんでいる。
あ、あ、あ、あれ、鏡の中の絶世の美女は、私!?
えっ!? どういうことーーーーーーーー!?