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フュージョン・フロンティア  作者: 陽山純樹
第五話

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重要情報

『……あれ? どうしたの?』


 麻子は通信が繋がった直後、疑問の声を上げた。画面奥の背景や、桜が隣にいる状況などを勘案し問い掛けたようだ。そういえば彼女の取り計らににより、桜とデートすることになったわけだが――


「……状況を説明します」


 ここで優七は簡潔に説明を開始。画面に映っていないが雪菜やRINが同行し、さらに二宮がいなくなったこと、占い師の変化について述べると、感想がやってきた。


『色々気にしてあげたのに、事件に首突っ込んでるんだね』

「……あの、麻子さん」

『いや、いいのよ。二宮君がいなくなった以上、仕方がないわよね』

「すごく残念そうに見えるのは、何か理由が?」

『いや、その……そんな怒ったような顔をしなくても』


 苦笑する麻子。どうやら顔に出てしまったらしい。


『わかったわ……しかし、現状占い師の変化について報告はない。そういう話がこっちに来ていてもおかしくないけど……単にみんな占い師を利用しないだけか、それともごく最近の変化なのか』


 麻子は呟きながら唸る。


『ま、いいわ……ただ、二宮君の座標だけでは捕捉するのは難しいわね。いくらかサンプルデータが必要だけど……』

「麻子さんのものとかでも?」

『そうね。知り合いのいる場所とか、どういう人物でもいいからおおざっぱにでも居場所がわかるデータが欲しいわ』


 麻子の言葉に優七は頷き――さらに占い師から情報を手に入れることにする。

 その後ルームの中にやって来た麻子と合流。そこで優七は江口に報告を、と伝えたのだが――


「まだ、話さない方がいいと思うわ」

「え? それはなぜ?」

「江口さんを疑っているわけではないのだけれど、彼が報告を行うと関係部署に全て伝わるということになるわね。敵はおそらく政府内部から情報を取得している可能性が高い。となると――」

「ここで俺達が報告したら、相手に露見する可能性があると」


 優七の言葉に麻子は頷く。


「牛谷などに関するIDなどの情報は私の頭の中にある……もしこの事実に気付いていなかったとしたら、私達にとっては大きな勝機となる。今は水面下に行動したいわね」


 そう言うと麻子は一人で占いの館へ。五分もせず出てくると、彼女は思案顔をしながら話し始めた。


「座標に関しては確かに出てきたわね……けど、これが現実世界とどう関係するかは調べてみないとわからない」

「それ、どのくらい掛かりますか?」

「わからないけれど……もらったデータのサンプルを利用して、すぐにでも捕捉したいところね」


 語った麻子は優七達を手招きする。


「一度、私の研究室へ行きましょう。江口さんに話すことについては、私から報告するわ。もちろん、内密に事を進める必要があるわね」


 何やら大事になっている気配――とはいえ、敵が政府組織と繋がっている可能性を考慮するならば、警戒することはむしろ必然と言える。


 それと同時に、優七は拳を握りしめる。ヒントは得たが、二宮を連れ去った意図まではまだわかっていない。時間との勝負だが、江口達に報告して調査するのを待つという選択肢は、敵の目的を達成されてしまう可能性が高い。多少リスクはあるが、優七達だけで行動するべきことかもしれない。


「そしてこれは、非常に重要な事柄である可能性が高い」


 麻子が語る。優七達が視線を集めると、彼女は語り出した。


「ゲーム情報だけど、二宮君の居所を掴めるヒントを得ることができた。今はまずこれから調べるべき……牛谷達については、同時並行で調べることにするわ。ただ優七君達は二宮君について優先してもらうから」

「わかった」


 優七が頷くと麻子は「頼むわね」と告げる。


「急展開だね」


 そしてRINが言う。優七は心の中で同意しながら――麻子の号令の下、ルームの中を歩き出した。


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