深海の嘆き
僕の日課は大学図書館で読書勉強することだ。実は僕はもともと図書館系の学科ではない。今日も実験レポート終わるかなあ。時間を有意義に使うため、ストップウォッチを最近身につけてる。 時計を覗く、そろそろ大翔が来る時刻だ。
「お、大翔じゃん。こっちこっち。」
大学図書館で待ち合わせしていた幼馴染の黒木大翔。ベージュのトレンチコートに紺のマフラー、黄緑のセーターに、青のジーンズ、灰色のスポーツシューズ。つんとした鼻と血色のいい肌つやをファッションが引きだたせる。彼はどっちかというと小顔で目は一重で切れ長である。髪色は茶色で髪型はセミロング。彼は僕とは対照にスポーツと司書の文武両道を目指している。大学のサークルはテニサーで同期との飲み会写真が流出中。とまあ前置きはこの辺にしとこう。
「大翔この本読んだ?」
もっていた小説「深海の嘆き」を渡す。マンボウのイラストの表紙に佐山純一郎とある。
「いや、読んだことない。それはそうとレポートの方終わった?見してくれよ。」
「いいやその本止まらんくて終わってない。俺戸部山教授のレポートよりも面白い小説見つけちゃった。」
「わかった読んでみる。ちゃんとレポートやれよ。」
大翔は卒業がかかった俺の勉強を見てくれる。
大翔はまず「深海の嘆き」の一ページ目に目を通した。
「マンボウはダーウィンの進化論によると捕食の防衛機構のために多卵なのだそうだ。ここで紹介するのは10人の子供を持つ一組の夫妻」
そこまで読んで大翔は読むのをやめた。
「泰輔、お前サイコパスすぎるだろ」
「なんで続き読まないの」
「え、だってあの書き出しだとカニバリズム...」
「実は違うけど残酷なシナリオっていうのは合ってる」
「じゃどういうシナリオなの」
「あれはたしか、続く文章が村には古くから長男を兵役、次男を学業に専念させよという言い伝えがある。同時に多くの子を育てる家庭には養子縁組を念頭に子との別れを勧める。とありそっから10人の子供たちのそれぞれのサクセスストーリーが展開されていくんだよ。だから深海の嘆き」
「そっかー期待外れだな」
「今後に期待だね」
「ところでさ、この裏にある続編「深海物語」って何??」
「あーそれは浦島太郎をモチーフにした作品で」
「ほうほう」
「深海で潜水艦で暮らしてるカップルの話」
「いいじゃん。終の棲家って感じで」
「暗いよ」
「どう暗いの??」
「感情描写合ってもいいはずなんだけど任務の話ばかりで」
「まあいずれにせよ暗いよな」
帰り道に駅まで大翔と一緒に行く。「目黒駅」
JRに乗って別れる明日は何の話をしようか。
おっ大翔からLINEだ。
「お前、来世は海棲動物送り決定な。」
「深海物語に出てくるカップルは俺の両親が元ネタ。」
「プランクトン、浮遊生物、付着生物、寄生生物、ネクトンベントス以外の生活様式だ。来世どれに生まれ変わりたい??シカトはNGお前が浦島太郎の生まれ変わりってことはとうに調べがついてる。でも認めたくないんだお前が父さんの生まれ変わりってことを。」
「ネクトン」と僕は答えた
「了解」
「来世海棲動物として生きることで現世利益を満喫できるそういう裏密教システム。それに俺は加担してる。俺は孤児として黒木家に引き取られたお前とは違うだからシカトすんな。俺から今日伝える合言葉はmission clear、今日のところは許してくれるってさ」
「じゃこのセリフも」LINEに送信する
「お言伝」既読が速攻で付き返信が返ってくる
大翔、城、それから姉妹の琴、俺この四人を中心に本を中心にした魔法の世界とmissionが展開していく。
mission clearをし続ければいい。それが最低ライン。それが俺の知ってる裏密教システムの一端




