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ボス

「ここは?」

「もう使われていない山小屋よ。ごめんなさいね、こんなところで」


 山奥の、廃墟のような山小屋に抱っこされたまま連れてこられた星和(せな)は、キョロキョロと辺りを見渡した。古びた小屋に見合わない、新しいパソコンが置かれている。ジーっとそれを見ていると、パッと電源が入った。驚いてバランスを崩しそうになったが、六星(ろくほし)に咄嗟に支えられて、六星の豊満な胸に顔をうずめながら事なきを得る。


「……ぷはっ! びっくりした」

「さあ、あっちを見て?」

「こんにちは、星和」


 画面に映し出されたのは、銀髪の、赤い瞳をした色の白い少年だった。歳は、同じか1つ2つ下くらいだろうか。


「まさかこの子どもがボスなんて言わないよな」

「彼がボスです♡」

「じょうだんだろ。ガキじゃん」

「あら、あなただって今は子どもよ。ほーら」

「そういやそうだったか」


 星和が呆れたようにそう言うと、少年は気にしていないように微笑んだ。まるで作り物のように綺麗な少年だ。美しくて、実際にいたら見蕩れてしまうだろう。


「AI生成のがめんじゃないだろうな」

「ボスはちゃんと存在する人物ですよ♡」

「ほんとかよ」


 信じていない星和に対して、少年は苦笑しながら話した。


「こちらまで来るにも時間がかかるだろうから、テレポートの使える星憑きをこちらで用意するよ。あの子は少し気まぐれだから……少し待っててね、星和」

「だれが待つかよ。わたしはかえるぞ」

「だめよ♡ だいたい、そんな小さな姿で帰って、誰があなただってわかってくれるの?」

「そういちろうやりゅうせいがいんだろ」

「ああ、忘れてたわ。そんな人いたわね」


 本当に忘れていたらしい六星に、もはや護衛として見られていないらしい二人のことを星和は哀れんだ。とはいえ、二人に来てもらわなければどうにもならないので、どうにか追いかけてきてくれるのを星和は期待するしかない。


「で、わたしになにをさせるつもりなんだ? ここまできたなら、おしえてくれてもいいだろ」


 とりあえず情報を引き出すために星和は少年に話しかけた。少年は穏やかな顔を浮かべて星和と目を合わせた。


「君は星憑き達のウイルスの感染源だ」

「ひどいわるぐちだな。いじめか?」

「昔話をしようか」

「何言って……おわっ」


 星和の身体が急に持ち上がった。六星が星和を膝の上に乗せて椅子に腰かけたからだ。六星は愛おしそうに星和を抱きしめて、それから少年に話を促した。


「なんなんだよ……」

「うふふ、かわいいかわいい、私の子♡」

「おまえの子じゃねえよ頭わいてんのか」

「続けて構わないかい?」


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