第10章: 星の森の再戦、聖樹の儀式
俺、タカシ、異世界エテルナのギルドバンク元金庫番。100兆ギル――帝国を丸ごと買収し、ドラゴン王の宝を凌駕する伝説の財宝――が俺のバリア空間から消え、銀行長グラウスに裏切り者と決めつけられ、追放された。異世界中で「タカシが盗んだ」「魔王の呪い」「ギルドバンクの腐敗」と噂が飛び交い、ギルド掲示板には「賞金首:タカシ、報酬1億ギル」の張り紙。霧の港、星の森、竜の谷、天空の要塞、魔界の門、古代遺跡、帝国の地下、霧の港再訪で100兆ギルの一部を追ったが、毎回黒い霧に消え、呪いの刻印と空間ハックの「残響」が残る。ゼノスの怪しい呪文、アイリスの「主」と「銀行の裏切り者」、シルヴィアの聖樹、ドラゴン使い、幽霊船、カイン、レオン、グラウスの暗号署名……。点と点が繋がりそうで、繋がらねえ。霧の港の書類から、星の森で「聖樹の儀式」が実行されるとわかり、俺は再びそこへ向かった。
星の森は、星空のように輝く木々が揺れる聖地だが、今回は魔力が異常に濃い。聖樹の周りに不気味な光の輪が浮かんでる。ゼノスがニヤケ顔で言う。「タカシ、シルヴィアが聖樹の儀式を始めるらしいぜ。100兆ギルの一部がその鍵だって噂だ。」
「お前、毎回どうやってそんな情報仕入れてんだ?」俺はバリアで身を守りつつ、ゼノスを睨む。霧の港からずっと怪しい呪文を唱え、敵と視線を交わすこいつ。癒やし魔法使いの元僧侶で情報屋、信用できねえが、手がかりのために我慢だ。俺はバリアで姿を隠し、聖樹の祭壇に潜入した。
祭壇の中心、金貨の山が輝き、シルヴィアが呪文を唱えてる。金髪に青い瞳のエルフ貴族、聖樹の光に照らされ、まるで神官だ。「100兆ギルは神の復活の鍵。聖樹がその力を増幅する!」また神の復活か! ドラゴン使い、幽霊船、アイリスと同じ匂いがする。
近づこうとした瞬間、銀髪のアイリスが現れた。「タカシ、しつこいわね。この儀式は『主』の計画の要よ。邪魔はさせない!」空間凍結魔法がバリアをガチガチに凍らせ、シルヴィアの聖樹の蔓がバリアを締め付ける。「くそっ、またこのコンビか!」魔力がゴリゴリ減る。シルヴィアが冷たく言う。「タカシ、お前のバリアが儀式の鍵だ。だが、使うのは私たちでいい!」
ゼノスが叫ぶ。「タカシ、持ちこたえろ! 俺が援護する!」癒やし魔法で魔力を回復してくれるが、また怪しい呪文。シルヴィアの蔓が一瞬強まった気がした。「ゼノス、てめえ、なにやってんだ!?」俺は叫ぶが、ゼノスはニヤリ。「誤解だ、タカシ。集中しろ!」
俺は「バリア・クロノス」をさらに進化させ、時間を遅らせて凍結と蔓を回避。衝撃波でアイリスとシルヴィアを後退させる。金貨に触れると、また黒い霧に変わり、バリアに侵入を試みる。「毎回これかよ!」俺はバリア・クロノスで霧を封じ、解析。呪いの刻印の魔力がピークに達し、「聖樹の儀式が神の復活を完成させる」と書かれた書類を発見。そこにはグラウスの暗号署名と、「ギルドバンク本部への報告」が。グラウス! またお前か!? シルヴィアがグラウスと繋がってる証拠か?
シルヴィアが去り際に呟く。「タカシ、銀行長の指示は絶対だ。」アイリスが続ける。「『主』の計画は間近よ。」二人が撤退する直前、シルヴィアがゼノスにチラリと視線を送った。またその合図か!? ゼノスがニヤケ顔で言う。「タカシ、いい手がかりだろ? 次はギルドバンク本部だ。俺の情報網で新情報が入ったぜ。」
祭壇を出ると、エルフの精鋭衛兵が襲撃。「賞金首タカシ! 聖地を汚した罪で捕縛する!」光の矢と聖魔法が飛んでくる。俺はバリア・クロノスで時間を遅らせ、反撃。ゼノスが援護するが、衛兵の一人が「銀行長の命令」と呟いた気がした。「ゼノス、聞いたか!? グラウスだぞ!」俺は叫ぶが、ゼノスは肩をすくめる。「聞き間違いだろ、タカシ。急げ!」
星の森を脱出し、ギルドバンク本部へ向かう道中、俺は考える。グラウスの暗号署名、シルヴィアの「銀行長の指示」、アイリスの「裏切り者」、ゼノスの視線、呪いの刻印、神の復活……。100兆ギルは、ただの金じゃねえ。聖樹の儀式ってなんだ? グラウスはほんとに裏で糸を引いてるのか? 俺のバリアを破った奴、絶対見つけてやる!
(物語は続く! ギルドバンク本部での最終決戦、ゼノスとアイリスの怪しさ、グラウスの影! 真相は12話で明らかに!)