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犯人が分かる能力

「僕は犯人が分かるんです」


とわが探偵事務所を訪ねてきたのは少年だった


名前は楠橋(くすばし)(あおい)

中学二年生

そして犯人が分かる能力


と自己紹介を聞き流したのち俺はようやく口を開いた


「冷やかしなら帰ってくれ、

そもそも犯人が分かる能力を持ちゆるのならなぜ探偵事務所なんかに来た?

ここは浮気調査やストーカー日常に潜む小さな悩みを解決する場所だ

超能力なんてスピリチュアルなことは探偵ではなく向かいの占いで見てもらうといい、

きっと歓迎されるぜw」


軽くあしらったつもりだったがつい語尾にwを()わせてしまった


楠橋「親族に殺人犯がいるんです」


「、、なら警察に通報するといい、それで解決だ」


楠橋「警察も相談しました、けど証拠がないんじゃと門前払い

犯人が分かる能力がと続けると通話を切られました

そもそも僕が学生だからまともに取り合ってくれないんです

だから探偵であるあなたに叔父が殺人犯である証拠をつかんでもらいたいんです」


「うーん、調査に関しては俺の仕事ではあるんだがあまりにもその殺人犯である根拠がなさすぎる

そもそも君が犯人が分かる能力を持っているなんて話は誰が信じるんだ?警察も信じない話は向かいの占いにで....」


楠橋「犯人が分かる能力を証明できれば捜査してくれるんですね」


少年はそれまでうつむいていた顔を上げ、伸びた前髪から瞳をのぞかせた


そのまっすぐに澄んだ目に俺は


「分かった」


と答えるしかなかった


楠橋「大島涼子」


楠橋「今話題の大手自動車メーカーの社長が殺害された事件は知っていますよね、その犯人が元交際手の大島涼子です」


「たしかにその事件はワイドショーで知っているが、大島涼子はあり得ない

確かに恋愛のいざこざは事件に発展しやすいが彼女は今を時めく大女優だぞ

視聴率正義の報道ステーションですら相関図の端に乗せているぐらいで

それほど証拠も彼女が殺人に手を染める理由がない、むやみに触れれば番組の信頼を損ねるレベルの無理筋だ」


「そもそも動機は?」


楠橋「僕は犯人しかわかりません、それとこれを」


俺は横線に沿って綺麗に折られた紙切れを受け取った


楠橋「僕の連絡先です、大島涼子が捕まった時には連絡してください、では」


と立ち上がる少年に対して


「ほいほーい、忘れものすんなよー」


通学用のカバンを指さし、その手で追い出すように手を振った


楠橋「信じてますから」


帰り際発した言葉に対して俺は事務所のドアが閉まりきる前に


「僕は探偵さんを信じるから、探偵さんは僕を信じてってかw」


とつい心の声が漏れていた。



数か月後


大スクープです、今人気の女優大島涼子が殺人事件の容疑で逮捕されました!

繰り返します....大手自動車メーカーの社長....



「えーまじかー....」


(犯人は大島涼子です。。。)


(信じていますから)


その瞬間少年の顔を思い出し、机の引き出しを開けた


「たしか、、連絡先が」


引き出しの中の書類や小銭をかき出し奥で黒ずんでいるノートの切れ端を見つけた

開くと電話番号が乗っていた


「犯人が分かる能力か,,,」


疑う気持ちも含みつつ、好奇心からか


机の上のスマホを手にし


070から始まる番号を入力した



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