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身体強化魔法②

身体強化魔法。

それは言葉の通り身体能力を強化してくれる魔法。

これを使えば普段出せない力を発揮することが出来る便利な魔法だ。


ただ僕にはあまり関係がない。

例えば1という数字に7掛けるとする。すると答えは7。

確かに変化はあるけど、7倍になっているけど元の数字が少なすぎると結果の数字も小さいのだ。


要は僕に身体強化魔法を使ったところでなんの役にも立たない。出来るとしたら斧を持ち上げて振り下ろす。ということがやっとできる程度のもの。

ステータスがなければこんなことをしないと斧も扱えない。斧なんて5歳児にも簡単に扱えるというのに……


まぁ、そんなことを嘆いても仕方ない。

いま僕に出来ることをしよう。ということでレナ達に身体強化魔法をかけようとして


「では脚と腕にお願いします」

「えっ?」

「何いってんだテメェは!普通は一つだけだろうが!!」

「ミナルがそんな枠に捉えられるとでも??」

「……って、ことはマジで出来るのか!?()()()()()()()()()()()()()!()!()!()


………………あれ??なんか予想していたのとは違う反応だ。

僕的には身体強化魔法だから()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


……、………、うん。これは言わないほうがいいかも。

これ以上変なことをいって出発が遅れるのは嫌だ。


「出来ますよ。それじゃ脚と腕にかけますね」

「本当に、出来るのかよ………」

「ミナルなら当然です」


なんでレナがドヤ顔なのかは疑問だが、これも言わないほうがいいのだろう。


さて、身体強化魔法。

このまま使うときっと全身に魔法がかかってしまう。

それだと面倒くさくなるので個別に出来るようにしないと……

ということは、えぇーと、身体強化魔法が"ブースト"だから、これをイメージ的に弱くさせる言葉を選んで………


「…………"ファーストアップ"」


一番弱く、そして向上させる言葉を繋ぎ合わせてみた。

そして魔法をかけるのは脚と腕に集中させて…………よし。

なんとか、上手くいったみたいだ。これなら誤魔化せ………うん??


「…………………」

「…………………」


…………あれ?もしかして、テンプレでいう"やらかした"というやつ……


「なんだその魔法はッ!!!??」

「ミナル貴方!!またやりましたねッ!!!!」

「まただと!?お前!!何隠してやがるッ!!!!」

「貴方は黙っていなさいッ!!!ミナル、私にはちゃんと話して!!!」


…………どうやら。これもダメだったらしい……

それからグチグチと言われ続けてどれぐらい時間が経ったのか、やっと終わったと思っていると神父様が小屋に入ってきた。


「騒々しいですね……どうしたのですか??」

「ミナルがまた………」

「あぁ。作ったのですね魔法を」

「なんでアンタは落ち着いてるんだよッ!?」

「ミナルですから。それはそうと早く行きなさい。出発時間からずいぶん遅れてますよ」


そこでやっと時計を確認したレナは急いで荷物と僕を持って小屋から出ていった。その後ろをアメストさんが「待ちやがれ!!」と叫んでいるがどんどん遠ざかっていく。


そしてあっという間にいなくなった3人を見送った神父様は


「楽しんできてください。それがきっとミナルを………」





あっという間に湖がある森を抜け、見たことのない草原を見た。

どこまでも続く水平線。そしてきっとミナルだけなら倒せないモンスターもちらほらと出現している。

目の前に現れるモンスターはレナが片手間で倒していき草原を突っ切っていく。


「本当に、これは凄いですね……」

「何が??」

「この強化魔法です。たまにかけてもらっていた魔法よりもずっと性能がいい……」

「そうなんだ。なんでだろうね〜」

「ミナルは本当に………」


小さな声で呟くその声は聞かなかったことにした。

少なくともレナが僕の魔法を認めてくれている。それだけで十分なのだ。


後ろから必死に追いかけてくるアメストさんにはたまに体力回復魔法をこっそりかけてあげている。それでもレナに追いつけないってことはやっぱりレナはとても凄いんだなーと改めて実感した。


「これならどれくらいで着きそうなの?」

「そうですね。2時間もあれば」

「まさか…2時間も走り続ける気なのレナは!?」

「これぐらい普通ですよ」


………普通って一体………

ステータスを持っていないからそう感じるだけなのか。

しかし後ろから追いかけてくるアメストさんはかなりヘバッている。きっとこのスピードは速すぎるのだろう。

それでも走り続けて隣町までいくなんて…改めてこの世界は異世界なんだなーと感じた。

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