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身体強化魔法

「えっ。隣町に」

「ええ。神父様とも話してミナルを連れて行ってみようと」


それは突然の話だった。

いつも通りに魔導書を読んでいたらレナが小屋に入ってきて一枚の羊皮紙を僕に差し出した。

そこに書かれていたのは外出届であり、そこのにはレナと僕の名前が書いてあった。

これはどういうことだとレナに聞いて見るとさっきの返事が帰ってきたのだ。


「でもどうして突然に。いままでなかったのに」

「もうミナルも12歳です。本来なら仕事を始める年。しかしステータスの無いミナルにはそれが難しかった」

「それはまぁ……子供でも倒せるモンスターでも僕だと危ないからね」

「ええ。ですがミナルにはいま魔法がある。そして私も護衛として付いていけば低難易度の依頼なら受けれるはずです」


低難易度。その言葉を聞いて僕はレナが隣町で僕にやらせたいことが何かが分かった。


「………もしかして、僕ギルドに入るの??」

「ええ。働かざる者食うべからず。ですよ」


僕が魔法を皆に見せてしまったことにより、アイツ、働けるんじゃねえかよ。となり、僕は無職から就職を手にする流れになった。

まぁ、ここを追い出されるよりはマシである。

それにレナも一緒ならそこまで危険はないはず。さらにいえば………


「ということですので、貴方はどうするんですか??」

「…………付いていく」

「邪魔、しないでくださいね」

「…………チィ……………」

「………………………………」

「………………………………」


今日も来ていたアメストさんも付いてくるようだ。

そして分かる通り、レナとアメストさんは仲が悪い。

まだあのときの事を引きずっているみたいだ。

レナは割りと歩み寄ろうとしているけどアメストさんがそれさえも拒否している。

でも、それでも付いてくるだから、やっぱりこれって……


「ア、アメストさん……やっぱりこれって任務………」

「あぁ!?んなわけねぇだろうが!ただの暇つぶしだぁ!!!!」


と、こんな感じで否定してくる。

きっとこれ誤魔化しているんだろうけど、基本的にアメストさんて真面目な人で、融通が聞かないタイプ。だから僕の所に来たくなくてもガンドラさんの命令とかで断れずに、さらに任務だと悟られないようにみたいなことを言われているんだろうな。


「………お疲れ様です」

「何勝手に労ってんだテメェはッ!!!」


頭をグリグリされた。ちょっと痛かったけど照れ隠しだと思う。

これでまたレナが割り込んできて空気が悪くなったのは割愛しておこう。


とにかく初めての遠出!

意識を変えて楽しむことにした僕は何を持っていこうかと思い、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「何してんだテメェッ!!!!」

「おおッ!?ビックリした……どうしたんですかアメストさん??」

「なんださっきのは……いきなり本が消えたぞッ!!!」

「これですか?これは"ポゲート"と言ってですね。物を任意に出し入れ出来る便利な魔法なんですよ」


「……ポゲート、だと……なんだその魔法は………」


あ然としているアメストさん。

そんなこといってもただの収納魔法。ポケットみたいに袋を媒体にしなくていいから便利なのだ。ただいきなり目の前から消えてなくなることがこうやってビックリさせる要因かもしれないけど。


「………おい、アレはなんだ……」

「カワイイ私のミナルですけど、なにか??」

「………テメェに聞くんじゃなかった………」


こうやって話しかけているし、意外に仲がいいのかこの二人??

ただ人に向かって指差すのはよろしくないですよ。きっとガンドラさんも怒ります。


これ以上聞いてこないアメストさんを見てもう大丈夫だろうと解釈して、とにかく必要な物を収納していく。ただ遠出でバック一つ持たないままというのは味気ないので最小限だけバックに物を詰めておいた。


「準備オッケイです」

「では、いきましょうか」

「てかよ、ここから隣町までどれくらかかるか知ってるのか??」


気持ちよく出発しようと、したところにアメストさんがそんなことを言ってきた。僕は行ったことないので知らない。レナは


「半日も経たずに着けますが何か??」

「お前な……そいつステータスないんだよな。いけると思うか??」

「ッッ!!!??」

「マジで気づかなかったのかよ……どんだけこのガキに………」


えっ。よく分からないけどこれ僕が悪いの??

ステータスがないとダメって……もしかしてかなり遠いの隣町!?


「ごめんレナ。僕が足を引っ張ってるみたいで…」

「そんなことないわ。貴方も変な言い方しないで!!」

「お前が考えなしに行こうとするからだろうがッ!!!」


とにかく僕が足を引っ張っていることは間違えない。

だけどこればかりはどうしようもない。

ステータスがなければ筋力もつかないし、ましてやスピードない。

持っている身体強化魔法をかけても掛ける大本が小さいなら、掛けたところで大した変化はない。


………でも、それをレナやアメストさんにかければいけるのかな??


「あの、二人に身体強化魔法を使えば早く着けますか」

「なっ!?お前、そいつも持ってるのかよッ!!!」

「行けます。ミナルは私が抱えて走れば問題ありません。貴方は荷物を運んでください」

「ふざけんなッ!!!なんで俺がそんなことを」

「しないなら身体強化魔法はなしで来てください。別に私達を見張っているわけではないのですから問題ありませんよね??」

「……、……ッ!!!やればいいんだろう、やればッ!!!!」


アメストさん。それもう、見張ってますよ。と言っているようなものですよ。まぁ、そこを指摘したら怒られそうなので言わないでおいた。

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