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ガンドラ·バーレスト

まさか……まさか、こんなことになるなんて……

あの時の僕の選択が、こんな結果を生むことになるなんて………


あの選択の先の未来がこうなると分かれば僕は……





そんな未来が待ち受ける前の話を、続きをしよう。

レナを守るために、神父様や隊長さんに魔法を使えることを信じてもらうために魔法を使ったミナル。


「よ、読んだというのですか……あの魔導書全てを……」

「はい。キチンと理解出来ていない本がもありますけど……全て読み終わってます」


「………ガンドラ………」

「ありえねぇ……と、言いたいがさっきの魔法は、俺も見たことがねぇ………」


発動までに時間が掛かる魔法もあるけど、それでもあの魔導書は全て魔法として使える。これに嘘偽りはない。

だからこうして首も絞まらないだから、信じてもらえるはず。


「……これは、参ったぞ……想定よりも、さらに驚きだ……」

「おい、クリス。言葉遣いが元に戻ってるぞ」


「んんん。これは失礼」


へぇー。神父様もあんな喋り方をするんだ。

と、のんきにそんなことを思っていると、さっきまでの尻もちついていたアメストが立ち上がりこっちに向かってくる。


おいおい。まだなにかする気か!?

警戒するなかそのアメストを後ろから羽交い締めにするメイル。


「て、てめぇ離しやがれ!!!」

「やめなさいこのバカッ!!!これ以上騎士団の恥を積み重ねるなッ!!!!」

「あのクソガキは許さねえんだよ!!!」

「どう考えてもアンタが悪いでしょうが!!!」


こ、こんな人が騎士団にいるんだぁ……大丈夫なのかな?

そんなことを思っていると分かりやすいようにはぁ~とため息をつく隊長さん。

それに気づいたアメストは急にカチッと身体が固まり


「アメスト」

「は、ハイ!!」

「それ以上騒ぐなら、次は私が貴方を相手しますが」

「す、すみませんでした!!!」


よっぽど隊長さんが怖いのだろう。

すぐに頭を下げて謝るアメスト。こんなに素直に謝れるならなんで自分をもっと制御できないかな……


まぁ、人に言えないけど………


「私の部下が悪いことをした」

「い、いえ……」

「しかしずいぶん仲良しみたいだ。それならその魔法を使ったというのも頷ける」


な、仲良し??

なんのことかと思ったら、そうだった……

いま僕はシスターの、レナの膝の上で抱っこされていたんだ!!!


は、恥ずかしいと離れようとするがレナが僕の身体を離さないと両腕で抱きしめてきた。


「ちょっ、し、シスターッ!!!!」

「………………」

「離してよシスターッ!!!!」

「…………………」

「離してよレナッッ!!!!」

「はい」


名前を呼んだらやっと離してくれた。

恥ずかしかった……と、思っていたけどなんか視線が……

その先を見てみると神父様が………


「ほう。知らない内にそんな仲になっていたとは…」

「おいクリス。この場合はシスターとしてどうなるんだ??」

「シスターとしては不合格。しかし、貰い手がいるならシスターではなくともやっていけますね」

「なるほどな〜」


あ、あ、あ、ああぁぁ!!!

やられた!!完全にやられた!!!

レナのやつ、こうなることを見込んで仕掛けてきたな!!

僕がゲートを使うことを折り込んでアメストに仕掛けてきたんだ!!


なんで皆の前でこんな事するんだよ〜!!!!


「ごめんなさい、ミナル。言葉でいうよりもこうしたほうが早かったので」

「………やり方。他にもあったよね……」

「私、独占欲が強いのよ」


知っているよ………

でも、その、恋人ってわけじゃないのに…、ここまでする普通……


「隊長……」

「おっ。話が逸れたな。でもまぁ、話もあと一つで終わりだ」


………これで終わるよりはマシだ。

はぁ、なんであんな選択したのか……本当にもっと冷静になるべきだな……と後悔していると隊長さんが


「お前、()()()()()()()()()()()?()?()

「…………………はい??」


その言葉に誰もが固まった。

いや、神父様は「やれやれ」とまるで分かっていたかのように……

って、僕が騎士団にッッ!!!!??


「ちょっと隊長!!?」

「流石に今すぐにじゃねえよ。

だが、その魔法の素質は見逃せねえ。特に魔法騎士団はな」


「そ、それはそうですが……ステータスがないんですよ!弱すぎます!!」

「だからこその魔法騎士団だ。それにアイツらにそのままくれてやる気はねぇよ」


「それって……まさか!!?」

「あぁ、前から考えていた"魔剣騎士団"を設立する。そこにミナル、お前を勧誘する!!!」


その堂々と言ってくる隊長はとてもカッコよく見えた。

夢を追いかけて叶えようとする人の目だ。

そして自分を信じて、仲間を信じて突き進み真っ直ぐな目だ。


「お前が入るというなら今回の件はお咎めなしだ。

入らないってなら……そうだな。そこのシスターはクビになる」

「な、なんで!!?」

「お前ら付き合ってるんだろう?シスターならそいつはご法度だ」

「ま、まだ付き合ってな……イテテッ!!!」


なんで皮膚を摘んで来るんだよレナ!!!

そんなにキツく摘まなくても!!!!


「それがなくてもお前を危険に晒した。それだけでアウトだ。

だが、お前が入るというならそのシスターも一緒に入ってもらう。それならしばらくはここにいても構わねえよ」


「ガンドラ。貴方も口調が戻ってますよ」

「いいんだよ。こいつは入る。なら、素を見せても問題ねえ!!」


それだけ信頼してくれるのは嬉しいけど…騎士団なんて……僕が?

ここで入らないと言ったらシスターがやめることになる。

そんなこと言われたら答えなんて一つじゃないか!!


「……入りますよ!それしかないじゃないですか!!」

「よし!!」

「……ったく、どれだけこの教会から引き抜きすれば気が済むのやら…」

「ワリぃな。でも総隊長もその気だったんじゃねぇか」

「…………あの人なら、ありえますね………」


後ろから抱きしめてくるレナ。

文句を言いたくても言えないアメストに、言葉を失うメイル。

ため息をつく神父様に、喜んで笑う隊長さん。


………とりあえず、罪は無くなったけど……これからどうなるのか………



連続投稿しましたが、これから少し更新遅れます。

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