"ジャッジ"
教会にある聖堂。
そこに集められたのは神父様に、騎士団3人。
シスター·レナと僕。そして首謀者であるガロンと他の子達。
騎士団の3人の挨拶も終わり、その騎士団の隊長さんであるガンドラという人が今回の事件の詳細を知る上での進行役になった。
「ではクリス神父。この子らにあの魔法を」
「分かりました。………………、"ジャッジ"」
すると僕とガロン達にその魔法がかかった。
初めて聞いた名前の魔法だ。一体どんな魔法なんだ??
「いまから君達には"真実"だけを話してもらう。
もし嘘をつくようならさっきかけた魔法が君達を苦しめる」
その言葉に怯えるガロン達。
いや、苦しめると言われてもどう苦しむのか……
聞いてみたいところだがきっと聞いてはいけないのだろう。そんな雰囲気が漂っているので聞くことを諦めた。
「ではまず。この事件の首謀者は誰だ??」
「コイツです!!コイツがいなければ俺達は……ぎゃあああ!!!」
うおおッ!!!
いきなり大声を上げて僕を犯人と言ってきたガロンが急に苦しみだした。それも首を抑えて苦しんでいる……って、ことはもしかして首が絞まるってやつなのッッ!!!
いやいやいや!!!
真実を話さないだけで首が絞まるってどんな拷問だよ!!ヤバすぎるよこの世界ッ!!!!
第一、ガロンもこうなると分かっていたんだよね。
なんで嘘なんかつくんだよ!?自分で自分の首を絞めてるんだぞ!
「………次の質問だ。シスター·レナに火傷を負わせたのは……」
「そ、そいつがシスターを独占しようとするから悪い……ぎゃあああッ!!!」
おいぃー!!!
お前もかよ!!なんで素直に言わないんだよ!!
というか罪を擦り付けようとしてもダメなのか……本当に怖いなこの魔法………
「………最後の質問だ。この事件で一番悪いのは……」
「「「「アイツで………ぎゃああああぁぁッッ!!!!」」」」
……もう、見てられない……
最後まで真実を話さなかったガロン達は首が絞まり呼吸が出来なくなり気絶してしまった。
こうなると分かっていたのにどうしてそこまで……
騎士団の二人がガロン達を教会の外へと運んでいる間に隊長さんが
「では、君には別の質問をしよう。素直に答えなさい」
「……はい」
そうなるよね。
で、答えなかったらあぁなるわけか……ちゃんと答えないとだな……
「では、君は魔法を使うことが出来るのか??」
「はい。使えます」
いきなりだな……でもそうなるよね……
「なら、いつから使える??」
「物事ついたときには……だと思います……」
コレは曖昧だけど……良かった首は絞まらないようだ……
記憶に無くても素直に答えれば大丈夫のようだ。
「その魔法はいまいくつ使える??」
「え、えぇーーと、………………」
こ、これはマズい……そんなこと言ったら……
しかしなんとなく首が絞まりかけている感じがする。マズいマズい!!
「…………数えたことないので、分かりません」
「……………………」
「……………………」
沈黙が続く中、首が絞まることを怖がっていた僕。
だけど、いつまで経っても絞まらない。ということはセーフ??
「ありえねぇ!!」
「ちょっとアメストッ!!!」
ガロン達を運んでいた二人の内のアメストという男の騎士が僕のところまで来て胸ぐらをつかみ持ち上げた。視線が合う高さまで持ち上げられ至近距離で
「数えたことないほどの魔法を持っているだと!!?
魔法騎士団の総隊長でさえもそんなことはありえねぇんだよ!!!
それをてめぇみたいなガキが………ッッ!!!??」
「手を………放しなさい……切り落とすぞ!」
至近距離で大声で言われていたから気づかなかったのか、それともそんなことなくとも気づかなかったのか……いつの間にか僕とアメストという騎士の間に剣が割り込んでいた。
そしてその剣を持っていたのがあのレナだった。
そのレナに対してアメストが鋭い視線で
「なんだシスターの癖によ……殺すぞ」
「やれるものならやってみろ。……先にヤってやる」
普段のシスターではない。
でもそれが僕を守るためだというのはハッキリと分かった。
だからシスターを守るために僕は!!
自分の足元に円を描きそしてこう言葉にした。
「"ゲート"」
「うわああッ!!!」
「アメストッッ!!!??」
突然足元に開いたゲートにアメストと一緒の落ちていく僕。
メイルという人が声をかけるがそのままゲートに入った。
もちろんすぐに真上にゲートを開いてそこから僕ら二人が落ちてくる。
突然のことでアメストは僕を手放し、そして僕をレナが拾ってくれた。
アメストは突然のことに気が動転して着地に失敗をお尻から床に落ちた。
高さはそんなになかったがどうやらお尻が痛かったようで擦っている。
そんな中、神父様と隊長さんが驚きの表情をして僕を見ていた。
まぁこうなると分かってはいたけど、仕方ないな………
「これが僕の魔法です。
あの小屋にある魔導書全てを読み尽くして僕は沢山の魔法が使えます」




