045 ノウアル タカ ハ ツメ ヲ カクス
「Hey Yo 陰で目論む、毛皮横流し♪ バレてお仕置き、お前島流し♪」
陽気なラッパーが軽快なリズムと振り付けで踊りだす。
「早く謝れ、誠心誠意♪ 平身低頭、徹頭徹尾♪」
「チューバ…。謝ったら半蔵様は許してくださるだろうか?」
ラッパーに向かって浮かない顔で問い掛けるトロンボーン。
「許してくれるさ、お前の裏切り♪ 二度としないと、約束指切り♪」
「そうだな…。俺、半蔵様に謝るよ…」
「そうしな、トロンボーン。あたいも一緒に付いて行ってやるよ。大丈夫、御頭は心が広いんだから」
「俺も協力♪ 集まりゃ強力♪」
「ホルン…、チューバ…」
そして歩き出す迷彩忍者三人衆。
「おいこら、ちょっと待て」
俺が引き留めると、三人が不思議そうに振り返った。
「何勝手にいい雰囲気で去っていこうとしてるんだよ」
「そうだぞ。オイラの毛皮返せよ!」
俺に続いて、健正さんが俺の後ろに隠れながら抗議する。
すると、ホルンが健正さんに視線を向けた。そして、小馬鹿にするような態度で口を開く。
「おや~? 誰かと思えば、そこに居るのはダクス藩の藩主様じゃありませんか~? 相変わらず可愛らしい御姿をしてますね~」
「なっ…。可愛いって言うな!」
相変わらず俺の後ろに隠れながら頬を膨らませる健正さん。
そんな彼の頬をヨウコさんがデレ顔で突き始める。おいこら、こんな時に何やってんだ。
すると、ホルンがトロンボーンが持っていた毛皮を取り上げて、ちらつかせ始めた。
「返してほしければ自分で奪い返しにくればいいじゃない。ほ~らほら」
「返せよー」
健正さんが駆け出して毛皮に跳び付く。しかし、ホルンが毛皮を持ち上げてヒョイッと躱される。すると、健正さんは泣きながらホルンの体をポカポカと叩き始めた。
「うわーん。バカー」
だが、相変わらず攻撃力は皆無である。
愉悦の表情でその様子を見下ろすホルン。そして、俺の隣でその様子を口惜しそうに見つめるヨウコさん。
「あんな楽し気に戯れて…。なんて羨ましい…」
あなたには、あれが楽し気に見えるんですか?
すると、トロンボーンがホルンに声を掛けた。
「おい、ホルン。この子供がダクス藩の藩主ってどういうことだ?」
「この子がこの毛皮の中身ってことよ」
「何だって!?」
ホルンの返答を聞いたトロンボーンが少し引き気味に俺へと視線を向ける。
「信じられない…。お前、こんな子供から生きたまま毛皮を剥ぎ取ったのか?」
「剥ぎ取ってねぇよ」
俺は背中のファスナーを開けてやっただけだ。
すると、俺の後ろでカイが悲痛な表情で呟く。
「ヒイロ、お前…。そこまで狸を憎んでいたのか…。火炙りを断念せざるをえなかったからって、生皮を剥ぎ取るだなんて…」
「いいかげん、俺に対するネガティブキャンペーンはやめてくれないかな」
こいつの所為で事あるごとに俺の印象が悪くなっている気がする。
俺は別に狸に対して憎悪なんて抱いていないし、そんな恐ろしいことを考えたこともない。
しかし、そんな俺の思いとは裏腹に俺への悪印象は勝手に広がっていき、ホルンとチューバが俺へと非難するような眼差しを向けてきた。
「なんて極悪非道な男…」
「人道踏み外し泣いてる両親♪ まだまだ間に合う取り戻せ良心♪」
ここには俺の味方は居ないのか?
ブラッシングしてやっていたミーアも満足したのかいつの間にか俺の元を去って、今は再び周囲の匂いを嗅ぎながらうろうろと探索中だ。
「これがお主の本性なのじゃな、ヒイロ?」
「どっから湧いて出た?」
急に現れて勝手なことを抜かし始めたのはオーギュストさん(幽霊)だ。
道の向こうには車椅子の車輪を自分で回しながら迫ってくる本体の姿が見える。
そんな幽霊がしたり顔で続ける。
「儂は気付いておったぞ、お主は本当の実力を隠しておるとな…。そう、お主は殺る時は殺る男じゃと思っておった」
「俺は誰も殺ってねぇ」
着ぐるみの中身はそこでぴんぴんしている。いや、泣き疲れたのか隅っこで体育座りしていじけ始めてるな…。
すると、カイが剣を構えながら前へと進み出た。
「安心しろ、ヒイロ。お前が殺した相手の生皮を剥がしてコレクションしているのは俺も知っている。決して褒められた趣味じゃないが、お前の戦利品でもあるあの毛皮はちゃんと取り戻す」
「どこの猟奇殺人鬼だよ!」
当然のことながら、俺にそんな趣味はない。
だが、カイは俺の声なぞ聞かずにトロンボーンへと斬りかかる。
すると、トロンボーンが先端に鍵爪が付いたロープを取り出し、それを偶然通りかかった通行人に向かって投げつけた。
そして、通行人をロープで絡め取ると、自分の前へと引っ張り出す。
「忍法、身代わりの術!」
褐色の肌で頭に角の生えた大柄な通行人を突然目の前に突き出されて慌てるカイだが、斬りかかった勢いはそう簡単には止まらない。
「避けろ、バルザーック!」
「へ…? うぎゃぁぁぁ!」
こうして、一人の尊い噛ませ牛さんが犠牲になった…。
地面に血文字を書いている途中で力尽きたバルザックにカイが縋りつく。
「いったい誰がこんなことを…」
「現場を荒らしてはいかん。離れるのじゃ」
「此奴、最後の力を振り絞ってメッセージを残しておる。それを手掛かりにして犯人を突き止めるのじゃ」
「メッセージだって…? ……『カノ』って誰の事なんだ、バルザック!」
お前だよ。
寸劇を始めたカイとオーギュストさん×2に気を取られていると、ホルンが動きを見せる。
「チューバ、トロンボーン。今の内にずらかるよ!」
それに呼応するかのように三人衆はそれぞれその場にまきびしを撒いて離脱を始める。その時、すかさずウォルフさんが一番近くにいたチューバの前に何かを撒きながら立ち塞がった。
「逃げられると思っているのかい?」
おいこら、菱の実を撒くな。
足を止めたチューバへウォルフさんが殴り掛かるが、チューバは咄嗟に身を躱し紙一重でそれを避けた。
しかし次の瞬間、ウォルフさんの拳の指の間から赤く尖った何かが飛び出すと、チューバの額の鉢金を弾き飛ばし、そこに三本の傷を刻んだ。
チューバが困惑気味に額の傷に手を当てる。
「Oh 躱したはず、でも感じる痛み♪ 何が起きたか理解に苦しみ♪」
本当にね。俺の頭の中でも理解さんがもがき苦しんでいるよ。
ねぇ、どうしてこの人、鷹の爪を隠し持ってたの?
「フフッ。能ある鷹は爪を隠すものだよ」
なんか違う…。
俺が遠い目で見つめていると、ウォルフさんが鷹の爪を握った拳を構え直してチューバに迫る。
「さあ、観念するんだ」
その時、走り出していたホルンが苦無片手に踵を返すと、チューバの方へと走り始めた。
だが、その前にハルが立ち塞がる。そして、袖口から飛び出したナイフを握るとホルンの苦無を弾き飛ばした。
少し離れたところではトロンボーンがヨウコさんに取り押さえられていた。
「ここまでか…」
ホルンが半ば諦めたように呟いたその時、どこからともなく周囲に男の声が響き渡る。
「そいつらを放してもらおうか」
「誰だ!?」
「はい、ひょっこり半」
そんな掛け声と共に、近くの建物の陰から迷彩柄忍び装束の老人が半分だけ顔を出す。
「半蔵様」
「御頭」
「Hey Yo 現れたるは、我らが御頭♪ これで逆転、終わりだお前等♪」
「三人ともよくやった。後は任せるといい」
半蔵は建物の陰から出てくると、ゆっくりこちらに向かって歩き始めた。
そして、両手を合わせながら印を結ぶと声を上げる。
「忍法、影分身の術!」
すると、半蔵の背後に黒い靄が立ち上る。そして、半蔵の後ろからもう一人の半蔵がひょっこりと半分だけ顔を出した。
「はい、ひょっこり半」
続いて、反対側にもう一人。
「はい、ひょっこり半」
さらに続けて左右から次々に半蔵が顔を出す。そして、数十人もの半蔵が現れた。ヒョコッと顔を出すたびにとても殴りつけたい衝動にかられたのは言うまでもないだろう。
「「ゆくぞ!」」
ハルとウォルフさん、そしてヨウコさんに向かって四方八方から同時に半蔵達が襲い掛かる。
ハルは持っていたナイフで応戦し、ウォルフさんは鷹の爪を振るう。ヨウコさんは九本の尾のようなもので防御と反撃を行っていた。ヨウコさん、本性でてますよ?
ちなみに俺はいつも通りだ。み~て~る~だ~け~。
いや、いつも通りだとミーアを抱えて一緒に見てるはずなんだけど。そういえば、さっきからミーアの姿が見当たらない。
何にしても、半蔵の分身体の参戦によってこの場が乱戦に突入し、それによってハル達が取り押さえていた喇叭忍者三人組の拘束が緩む。すると、その隙を突いて三人が拘束を抜けて逃げ出した。
「待ちなさい!」
ハルが追いかけようとするが、その前に半蔵達が立ち塞がる。
すると、ハルは持っていたナイフを袖の中へと仕舞い、代わりにポケットから眼鏡を取り出した。
「Eiserne Jungfrau. Komm her」
眼鏡を掛けて声を上げると、空の彼方から耳を劈くような轟音と共に黒い箱が猛スピードで飛来し、ハルの傍へと着地する。
「Eiserne Jungfrau. Nr.fuenf」
「Yes Master. Code-05 release」
ハルの指示に応じて黒い箱が二つに割れると中から無数の棘が飛び出す。
そして、ハルが前に出した腕を軽く横に一振りすると、それらの棘が一斉に半蔵達へと襲い掛かった。
そんな棘の襲来に半蔵達も応戦する。しかし全方位からの攻撃に次第にその数を減らしていき、とうとう最後の一人が棘の餌食となった。
「逃がしましたか…」
ハルがそう呟きながら周囲を見渡す。
周囲に迷彩柄の忍び装束を身に纏った忍者の姿は見当たらない。
どうやら分身が戦っている間に本体達には逃げられてしまったようだ。
「仕方ないさ。分身の術なんていう全人類憧れの技を見せられたら、誰だって目を奪われちまうからな」
いきなり感慨深げな表情でそんな訳のわからないことを呟きだしたのは、半蔵が分身した辺りからバルザックそっちのけで目を輝かせていたポンコツ勇者だ。
その後ろにはオーギュストさん×2の手によって治療を施され包帯ぐるぐる巻きで車椅子に座らされている大男の姿。その頭上で彼と同じ姿をした透き通った何かが、とてもいい笑顔で俺に向かって手を振っているが気のせいだと思うことにしよう。
バルザックがオーギュストさんの仲間入りを果たしたかもしれない事実に目を背けていると、ヨウコさんが難しい顔をしながら呟いた。
「これは…、少しまずいかもしれませんね…」
「どういうことですか?」
俺が聞き返すとヨウコさんは健正さんの後ろへ回り、彼をがっちりと抱きしめる。
「健正が神通力だと言っているものの正体は、実は隠神刑部の毛皮の力なんです。あれを失った健正は、だたの愛らしい姿をした少年にすぎません。私は今の姿の方が好きですが…」
うん、とりあえず私情を挟むな。
そんなヨウコさんの腕の中では健正さんが抜け出そうともがいている。しかし、がっちりとホールドされて抜け出せない。
そこへカイが口を挟む。
「つまり、あの着ぐるみが無いと、その狸はヒイロと同じただの無能だってことなのか?」
「ねぇ、いちいち俺を引き合いに出すのはやめてくれない?」
そんな抗議の声を上げてみるものの、誰も相手にしてくれない。
すると、ウォルフさんがヨウコさんに問い掛ける。
「あの着ぐるみにそんな力があるのかい?」
「ええ。隠神刑部の毛皮は古代科学文明の遺産です。狸の着ぐるみのように見えますが、その実体はナノマシンの集合体…」
そう言いながらヨウコさんがハルの方に視線を向けた。
それに気付いたハルが隣の黒い箱の上に手を置く。
「私の『鋼鉄の乙女』と同じようなものということでしょうか?」
「はい。隠神刑部の毛皮単独で使用しても、ハルさんの持っているそれと同等の力を発揮できるでしょう」
「単独で使用してもって、何か含みのある言い方ですね?」
俺がふと疑問を口にすると、ヨウコさんが真剣な表情を浮かべる。
「隠神刑部の毛皮の本質はそこにはありません。いえ、そもそも便宜上隠神刑部の毛皮と呼称していますが、あれは本来もっと巨大な兵器の一部にすぎないんです」
「巨大な兵器…?」
「そうです。古代科学文明の遺した戦略兵器『Rods from God』、隠神刑部の毛皮はその制御装置の一部です」
その時、ヨウコさんの拘束から抜け出そうと必死にもがいていた健正さんが驚いたような表情でヨウコさんを見上げた。
「えっ、どういうこと? オイラ、そんな兵器知らないし、使えないよ?」
「それは当然でしょう。古代科学文明の崩壊と同時にRods from Godの制御装置は二つに分割されました。今の隠神刑部の毛皮にRods from Godへのアクセス権はありません」
「そんな…」
シュンとする健正さんを見ながら心をときめかせているヨウコさん。しかし、俺の冷めた視線に気付くと気を取り直して話を続ける。
「そして、ここからが本題なのですが…。実は先日、二つに分割されたRods from Godの制御装置の片割れでもある神杖が盗まれたと、管理していたフント藩から連絡がありました。さきほどの健正の話にあった隠神刑部の毛皮の機能を停止させたという平太郎が持っていた神杖…。状況から考えて、これが盗まれた神杖であることは間違いないでしょう…」
すると、そこへ目を輝かせたカイが口を挟んできた。
「なあなあ、そのRods from Godってのはどんな兵器なんだ?」
「そうですね…。Rods from Godは軌道上に存在する人工衛星から特殊砲弾を投下して目標を壊滅させる戦略兵器です。その攻撃範囲は地上全域に及びます」
何そのSF兵器。
「なるほど、ロマンだな!」
このポンコツ勇者は放っておこう。
「随分と詳しいんですね、ヨウコさん」
「当然です。今からおよそ千年前、古代科学文明が崩壊した際、秘密裏にRods from Godを封じたのは私の母ですから。母は私にRods from Godに関する伝承を、そして弟と妹に神杖と隠神刑部の毛皮を託しました。なので、この話を知っている者は私と母の二人しかいないはずなのですが…」
ヨウコさんが深刻な表情を浮かべながら続ける。
「しかし、このタイミングで神杖が盗まれ、さらには隠神刑部の毛皮まで狙われた…」
「なるほど…。確かにただの偶然で片付けるのは難しいかもしれませんね…。仮に、健正さんに平太郎を嗾けた黒幕と、喇叭の里に依頼をした人物が同一人物だとすると、その人物はRods from Godを利用しようとしてるってことですか?」
「その可能性は高いですね」
うん、なんか盛大に厄介事に首を突っ込んでいる気がする。
「なんにしても、今の私達が取れる選択肢は多くありません。結局、黒幕の正体もわからない現状では平太郎を探すのが最善でしょう…」
そう言うと、ヨウコさんは軽く溜息を吐きながら健正さんの頭の上に顎を乗せた。
健正さんの方は少し諦めモードで頬を膨らませている。ヨウコさんはそんな健正さんの頬を突きながら楽しそうだ。
もうちょっと緊張感を持てよ。
「そうだな…。それじゃあ、早速情報屋のアケチとかいう奴に会いに行こうぜ。ウォルフ、案内よろしくな」
「そうだね。では、自分に付いて来てくれるかい」
結局、平太郎を探すのが最善だという話に落ち着き、カイに促されてウォルフさんの先導で情報屋なんだか探偵なんだかよくわからないアケチという人の事務所へと向かうことにする。
するとその時、そこへ藍色の布を咥えたミーアが近付いてきた。
そういえば、途中から姿が見えなくなっていたけど、どこに行ってたんだい?
ミーアはそのまま俺の足元まで来ると、咥えていた藍色の布をその場に置く。
それを見てヨウコさんが声を上げた。
「それは、私の頭巾…」
ヨウコさんがその頭巾を拾い上げると、その中から小さな記憶媒体を取り出した。
「平太郎に関するレポートも無事です」
「ミーアが見つけてきたの?」
「ニャ」
ミーアは一声だけ短く鳴くと、ハルの隣の黒い箱の上に乗っかってスヤスヤと眠り始めた。
そういえば、ミーアはヨウコさんが狸寝入りを始めた時に鼻を近付けてたな。その後、しきりに周囲の匂いを嗅ぎながらうろうろしていた気がする。
俺が何もできずにひたすら傍観者に徹していた間にも、ずっとこれを探していたらしい。何この猫、優秀。
普段は俺と一緒に傍観者に徹しているミーアだが、やるときはやる猫なんです。
セバス 「ご存じですか、ヒイロ様。猫の爪は犬と違って出し入れが可能です。普段は爪を仕舞うことで足音をさせないように獲物に近付き、いざ襲い掛かるときにはその鋭い爪をむき出しにして仕留めることができます。そうそう、それともう一つ。猫の語源を御存じですか。語源の一つに、一日の大半を寝て過ごすことから、寝る子、転じて寝子と呼ばれるようになったという説があります。この猫の習性は野生時代の名残でそうやって体力を温存しているのです。普段はゴロゴロと寝ているだけに見える猫も、ひとたび獲物を見つければ野生の本能が呼び覚まされ、優秀なハンターへと変貌するのです。
まあ、つまるところ何が言いたいかというとですね、これからは『能ある猫は爪を隠す』とするべきではないでしょうか?」
ヒイロ 「『猟ある猫は爪を隠す』でよければ、既にありますよ?」
セバス 「………え?」
ヒイロ (それはともかく、この人、どうしていきなり電話してきたんだろう…?)
結論: なんにしても、ニャンコは常に爪を隠している。物理的な意味でも、比喩的な意味でも。
(=‐ω‐=)ニャン(=^・ω・^=)ニャン(=’-ω-’=)ニャン(ฅ・ω・ฅ)
===
アケチ 「え? 俺の出番は?」
※ありません。
===
ヒイロ 「健正さんの神通力の正体が隠神刑部の毛皮で、それが平太郎の持っていた神杖で機能停止したというのなら、神杖によって一緒に神通力を封印されたっていうミドリちゃんはいったい…?」
白狐 「その場のノリです」
ヒイロ 「そんな馬鹿な!」
白狐 「ミドリちゃんが、か弱い乙女を演出したかったという説もある」
ヒイロ 「手遅れだろ!?」
白狐 「そもそも、ミドリちゃんの戦闘スタイルは神通力ではなく『とにかく拳でぶん殴る』です」
ヒイロ 「ワォ……」