101 シヨウジキモノ ガ バカ ヲ ミル
「くらえ! 烏賊を喰らう者!」
イカに向かって懲りずに邪剣を振るい続けるカイだったが、その攻撃もやはりイカから分離した悍ましい物体を呑み込んで終わった。
「このままじゃ埒が明かないな…」
そうしてイカとカイの睨み合いが続く中、覆面の男が進み出る。
「どうやら、自分の出番のようだね」
「何か考えがあるのか? ウォル…覆面の人」
「カイ君。さっきから呼びにくいみたいだし、自分のことはウォルフと呼んでもらってかまわないよ」
「本当か、それは助かるぜ、ウォルフ」
かまうわよ?
さすがのエリサも、いまだに最愛の夫の名を騙り続けようとする大根には不満を抱いたらしい。ほぼ思考停止して張り付けたような微笑を浮かべることしかできずにいたエリサに、ほんの少しの思考力と共に妙な圧を感じさせる凄みのある微笑が戻る。
そんな中、背中に妙な寒気を感じながらも覆面の男がイカに向かって法螺貝を構える。それに対してイカの方も数本の触手を絡ませると前方へ向けて構えた。
次の瞬間、イカの触手と覆面の男の法螺貝がギュイーンと大きな音を立てながら複雑な回転運動を始めた。
そして、ネロと覆面の男が少年のように瞳を輝かせながら同時に呟く。
「「かつて誰かが言った…。『ドリルはロマンだ』、と…」」
「何だそのイカしたドリル」
カイが少年のように瞳を輝かせる中、二つのドリルが今、真正面からぶつかり合う。
何なのかしら、このイカれた光景…。
そんな辛辣な感想を抱くエリサの前で繰り広げられる火花を散らすほどの激しいぶつかり合い。両者一歩も引かずにただただ己が相棒を信じて力を振り絞る。
「うおおおぉぉぉ!」
覆面の男が叫びを上げながら法螺貝を持つ手に力を込めると、拮抗していた状況が傾き始める。イカのドリルがその姿を失い、触手が周囲へと飛び散る。
そのまま押し切ろうと試みる覆面の男だったが、そんな男の耳に何かに罅が入るような音が届いた。
「そんなまさか…、自分の法螺貝が…」
砕け散る法螺貝を前に驚愕の表情を浮かべながら、覆面の男はその場へと崩れ落ちた。
「大丈夫か、ウォルフ!」
まさかの光景を目の当たりにしたカイの問いかけに対して覆面の男は悲痛な声を上げる。
「すまない、カイ君…。やはりその名では呼ばないでほしい…」
「え!? 急にどうしたんだ…?」
「…自分はもう、君からウォルフと呼んでもらえる資格を失ってしまったんだ…」
正体をばらした時点で既に無いわよ?
そんなエリサの冷たい視線など気にもせず、二人の会話は続く。
「どういう事だ…?」
「法螺を吹けなくなってしまった今、自分にはもう正直者になる以外に道が残されていない…。本当はウォルフではない自ぶ…いや、俺にはもう、これ以上ウォルフを名乗り続けるなんて厚顔無恥な真似はできないんだ…」
既に相当な厚顔無恥よ?
エリサが冷たい視線を向け続けるが、二人の会話は止まらない。
「そんな…」
「かといって、法螺貝を失った俺は法螺吹き大根を名乗ることもできない…」
「だったら、これから俺はお前のことをいったい何て呼べばいいんだ?」
「……そうだな、俺のことはただの銭湯民族の風呂好き大根、ラディッシュと呼んでくれ…」
覆面の男が項垂れながらカイの問いに答える中、エリサは少しだけ回り始めた頭で現状の打開策を考えていた。
今からヒイロ君にビデオ通話してリモートツッコミを求めちゃダメかしら…?
※ダメです。
「それと、もう一つ問題が…」
「何だ、ラディッシュ?」
「法螺貝を失ってしまった以上、偽装も効果を失ってしまうんだ…」
「何だって?」
すると、イカの偽装が解けてそこに再び無数の触手が生えた不定形な肉の塊が姿を現す。
「そんな…。触手まで元通りじゃねーか…」
触手がうねうねと再生していくのを見ながらカイが絶望の表情を浮かべた。
そして次の瞬間、復活した幾つもの触手がカイとラディッシュへと襲い掛かる。辛うじてそれを躱したカイだったが、ラディッシュが項垂れたままその場から動けずにいることに気付く。
「避けろ、ラディッシュ!」
直後、ラディッシュを幾つもの触手が貫く。
「ラディーッシュ!」
カイの悲痛な叫びが響き渡る中、全身を貫かれたかと思ったラディッシュが不敵な笑みを浮かべる。すると次の瞬間、ラディッシュの全身から幾つもの包丁が飛び出して自らの服と共に周囲の触手を切り裂いた。
不定形な肉塊が驚きと共に残った触手を咄嗟に引き戻すと、その場では手足が生えた人間大の巨大な大根がゆらりと立ち上がる。
「ラディッシュ…、お前、全身に隠し包丁を入れてやがったのか」
そんなカイの発言に何か違和感を覚えるエリサであったが、今の彼女にはその違和感の正体に辿り着けるほどの正気度は残っていなかった…。
エリサが再び思考停止に陥る中、ラディッシュがしみじみと呟く。
「偽りの時間はもう終わりにしないといけないな…」
「ラディッシュ…?」
「俺は悟った…。今こそウォルフという偽りの仮面を脱ぎ捨ててありのままの姿で正直に生きるべき時なんだ、と。そう、お前のようにな」
そう言いながら、触手が生えた不定形な肉の塊にその視線を向ける。
「SAN値偽装などという行為に手を染めた俺に対して、お前はそんなグロテスクな姿を嘘偽りなく晒して俺達に向き合った。俺達は、お前のその心意気に真正面から向き合って応えてやらなければならなかったんだ。だからこそ、俺もありのままの姿でお前に真正面から向き合おう」
「ラディッシュ、お前、そこまでの覚悟を…」
覚悟を決めて肉塊へと向き合う大根。そんなとんでもない絵面を前にして、エリサの精神はとうとう限界を迎えた。
そういえば、この間作った風呂吹き大根はウォルフに好評だったわね…。また作ろうかしら。
エリサは現実から逃避した。
そんな中、ラディッシュは力強く言い放つ。
「お互いありのままの自分をさらけ出して一対一の真剣勝負といこうじゃないか」
その真剣な発言に触発された肉塊が応じる。
「いいだろう」
お前、喋れたの?
少しずつ状況についていけなくなってただ眺める事しかできなくなっていたネロがそんなことを考えていると、両者が動きを見せる。
肉塊が全身の触手を一斉にラディッシュへと向けると、ラディッシュは全身から飛び出した包丁でそれを迎え撃つ。
「「ウヲオオオオ!!」」
襲い掛かる触手を包丁で断ち切りながら決死の特攻をかけるラディッシュ。しかし、触手の壁は厚く、状況は肉塊有利へと傾いていく。
切っても切っても次々と襲い来る触手を前にラディッシュの命も風前の灯火かと思われた。苦し気な表情を浮かべるラディッシュを見て肉塊は己の勝利を確信する。しかしその時、ラディッシュがニヤリと笑みを浮かべた。
「今だ、カイ君!」
ラディッシュの叫びを受けて騙されたことに気付いた肉塊がカイへと警戒を向ける。しかし、その警戒の先に見たカイの姿は、戦闘に参加する気など全くない観戦モード。
急に声を掛けられたカイは間の抜けた声を漏らす。
「え?」
そのカイの様子を見て再び騙されたことに気付いた肉塊はラディッシュへと向き直る。しかし、それよりも早く真下から何かが現れると肉塊へと体当たりしてその体を空高く突き上げた。
「よくやった、貝君!」
肉塊を真下から突き上げたのは人間がすっぽりとその中に納まってしまいそうなほど大きな二枚貝。
「貴様ぁ、騙したなぁぁ!」
そんな叫びを上げつつも現れた貝へと咄嗟に触手を伸ばす肉塊。そんな肉塊を前にしてラディッシュは何だか無性に相手をイラつかせるような笑みを浮かべてみせた。
「悪く思うなよ、俺のアイデンティティは騙し打ちなんでね」
「何が真正面から向き合う、だ」
「人の本質なんてそう簡単には変わらないものさ」
「この嘘吐きが!」
「俺は嘘吐きなんじゃない。ホラ吹きなのさ。そう、法螺貝がなくとも、ホラを吹くことはできる」
「おのれ、この卑怯者がぁぁぁ!」
恨みつらみを叫び続ける肉塊に対してとうとうラディッシュが最後を突きつける。急に頭から花を咲かせると、一瞬のうちにそれが枯れて種をばら撒く。そして、それが巨大な二枚貝の殻の隙間に挟まった瞬間、そこから何かが芽生えた。
「界割大根!」
直後、ラディッシュの叫びと共に二枚貝が割れた。
※殻を開いただけです。
その殻の中に広がるのは歪んだ空間。そう、それは突如として開かれた世界の割れ目。
「何だこれは。こんな…、こんなバカなことが許されていいのか…」
その割れ目に飲み込まれまいと触手で抵抗を試みる肉塊だったが、抵抗むなしく肉塊は異界へと消えていった…。
ゆっくりと殻を閉じる二枚貝を見つめつつ、ラディッシュが悟ったように呟く。
「バカ正直に相手の言葉に乗ってしまうような奴にはバカガイの餌がお似合いさ」
あれ、バカガイなんだ…。
完全に状況についていけなくなったネロがそんなことを考える中、エリサもまた、張り付けたような微笑を浮かべながら考えていた。
Dearヒイロ君。
私、気付いてしまったわ。この世界では、私達みたいな人間はバカを見るみたいよ。
いっそ、あちら側に染まってしまった方が幸せなのかしら…?
フフフ…。フフフフフ…。
***
「見るがいい! これが、王国建国史に幾つもの都市をぺんぺん草一本生えぬ焼け野原に変えたと記されたNAZNAの力だ!」
そのオネスト殿下の叫びと共にメカペンギンの口が開かれると、そこに輪状に束ねられた砲身が形成される。次の瞬間、そこから轟音と共に数多の弾丸が撃ち出された。
……。
まあ、確かに破壊力は凄まじいものはあるのだが、幾つもの都市を焼け野原に変えるというにはちょっと力不足な感が否めない。
そんな正直な感想を抱いていると、弾丸が撃ち込まれたところから何かが芽吹いた。それらが急速に成長すると、切れ込みのある葉がロゼット状に広がり、中央から茎が伸びてそこに白い小さな花を幾つも咲かせる。
…。
……。
おい、辺り一面ぺんぺん草の野原に変わったぞ?
「見たか! これが、王国建国史に幾つもの都市をぺんぺん草しか生えぬ野原に変えたと記されたNAZNAの力だ!」
何か言ってること変わってる。
でも、これはこれである意味恐ろしい。
すると、その状況を目の当たりにしたウォルフさんが絶望の表情を浮かべる。
「何という恐ろしい真似を…。このままでは、七草粥が一草粥になってしまう」
もちろん、俺が言いたいのはそういう恐ろしさではない。
「そうですね、ウォルフ。七草粥を守る為にも、こんな暴挙は絶対に許すわけにはいきません」
「そう言えば知っておるか? ナズナの別名でもあるぺんぺん草の由来だが、実はナズナをペンギンの餌に…」
真に恐ろしいのはこの人達の頭の中なのかもしれない。
ちなみに、ぺんぺん草の名前の由来は実の形が三味線のバチに似ていたからだそうだ。ペンギンは一切関係ない。
「すぐにでもあれを止めよう」
「ええ、ウォルフ」
一人で勝手に語り始めた国王を完全に無視し、ウォルフさんとアレックスさんがNAZNAへの対処へと動き出す。しかし、ヨサークがそれを許さない。
「そうはさせないでし」
ウォルフさんとアレックスさんに襲い掛かる数々の凶器。だが、そこへ割って入った光球がそれらを叩き落とした。
「行くのじゃ、アレックス、ウォルフ。此奴は儂とバルザックが引き受ける!」
「え?」
予期せぬ形で巻き込まれたバルザックが間抜けな声を上げながら驚愕する中、ウォルフさんとアレックスさんはNAZNAへと向かう。
そんな二人の前にトランプと二体の黒騎士が立ち塞がった。さらに、トランプを追ってきた犬のような姿をした異形の化け物達も集まってくる。
そうして始まる三つ巴の戦い。異形の化け物と黒騎士が舞い、梨と光球がその場に飛び交う。
「邪魔をしないでください、セバスさん。これ以上、王都の破壊を許すわけにはいきません」
「そうですな。しかし、あれをあなた方に渡すわけにはいかないのですよ」
光球で異形の化け物達を牽制しつつトランプの説得を試みるアレックスさん。それに対して、トランプは懐から取り出したカードによる攻撃で応えた。
飛んできたカードを何とか光球で相殺したアレックスさんだったが、畳み掛けるように黒騎士が襲い掛かる。
咄嗟に光の壁を形成してその攻撃を凌ぐものの、もう一体の黒騎士、さらには異形の化け物達も群がってきて劣勢を強いられる。
そこへ、大根を掲げながら高く跳び上がったウォルフさんが乱入した。
「大根颪!」
ウォルフさんが大根を振り下ろすと霙(?)交じりの風が吹き下ろし、異形の化け物達を叩き伏せる。
「大丈夫かい、アレックス」
「助かりました、ウォルフ」
そうして態勢を立て直した二人の前に再び黒騎士達が立ち塞がる。
「どうしても邪魔をするというんですか…。ならば、こちらも相応の対応をしないといけませんね」
覚悟を決めたアレックスさんの周囲に無数の光球が浮かび上がる。
その様子を見ながら、トランプが徐に口を開いた。
「あれの暴挙を止めることについて異論をはさむつもりはございません。王都を蹂躙するのは私にとっても本意ではありませんので。ですが、先ほども申しました通り、あれを王国に渡すつもりはないのですよ」
アレックスさん達が警戒を強める中、トランプは手にしたカードの束を広げてみせる。
「ですから、あなた方こそ、私の邪魔をしないでいただきたい」
そう言うと、トランプはカードの束を空へとばら撒いた。そして、カードが舞い散る中でトランプは静かに告げる。
「蜘蛛の一人遊び」
次の瞬間、舞ったカードが勢いよく飛び散った。脅威を感じ取ったアレックスさんとウォルフさんは咄嗟にそれらを払い除けるが、周囲に居た異形の化け物達はそれに対処できずその体へとカードが突き刺さる。
よく見ると、そのカードからは実体の無い光の糸が伸びており、それらは上空に現れた実体のない蜘蛛へと繋がっていた。
直後、まるで蜘蛛の糸によって弄ばれるかのように異形の化け物達が同士討ちを始める。
その様子を眺めるとトランプがその場を離れようと動き出す。
「待ちなさい!」
それを止めようとしたアレックスさん達だったが、行く手を異形の化け物達に阻まれる。
一斉に矛先を二人へと変えた異形の化け物達。そして、二体の黒騎士。それらの連係プレーによってアレックスさん達が一気に苦境に立たされる中、NAZNAの方へと向かい始めていたトランプが振り返った。
「ご安心ください。私の目的のついでに、あれの暴挙は止めておきますよ」
「待ちなさい!」
そう言い残して離れていくトランプをアレックスさん達が追いかけようとするも、異形の化け物と二体の黒騎士、そして、いつの間にかカードが刺さって操られていたバルザックが邪魔をする。
それらの対処に手古摺っている間にも、トランプがNAZNAと対峙する。
「何のつもりだ、トランプ? いまさらお前ごときが、真の力を解放して完全体となった吾輩に勝てるとでも思っているのか?」
誤解の無いように言っておくが、別にオネスト殿下自身は真の力など解放していない。
「ただただ生まれに恵まれ、何の努力をすることもなく与えられただけの力で自らが強くなったと錯覚する…。どこまでも愚かな男ですね、ジョーカー」
「そういえば、貴様にはついさっき煮え湯を飲まされたばかりだったな。どうやら、おしおきをしてやらなければならないようだ」
トランプの煽りに対して、明らかに苛立っているのがオネスト殿下の声色からも推測できる。すると、突然NAZNAが腕を振り上げた。
「そう、おしおきだ。NAZNAの必殺技、お尻ぺんぺんをくらうがいい!」
いや、全身が潰されるわ。
オネスト殿下の叫びと共にNAZNAの腕が振り下ろされる。しかし、そんな中でもトランプは余裕を崩さない。そして、徐にNAZNAの頭部に向かって手を翳した。
「オールドメイド」
トランプのその呟きの直後、NAZNAから響き渡ったのは驚いたようなオネスト殿下の声。
「何だ貴様は!? どこから現れ…グワァッ! ……何をする…離せ…」
オネスト殿下の声が苦し気に変化していく中、トランプが口を開く。
「ジョーカー、あなたは一から十三まで私が決めたとおりに動いていればよかったのです」
普通、一から十までじゃない?
「そうすれば、この様な形で最期を迎えることもなかったというのに…」
「離せ…この…」
NAZNAの内部の状況は俺にはわからないが、相変わらずオネスト殿下の苦し気な声が漏れ聞こえてくる。
「ですが、一度は猫を愛する同志として共闘した仲…。なので、あなたにもう一度だけチャンスを与えましょう」
「何…だと…?」
「あんな得体の知れない相手ではなく、全ての猫への忠誠を誓いなさい。そうすれば、プロテウスを動かす為の核として命だけは助けてあげましょう」
しかし、そんなトランプの提案をオネスト殿下は突っぱねる。
「さっきも言ったはずだ。吾輩は…、バステトちゃん一筋だ…」
「物分かりが悪いですな。あなたに許される発言は唯一つ。全ての猫へ忠誠を誓う言葉のみです」
「ふざ…けるな…。どいつもこいつも…吾輩を虚仮にしおって…。吾輩は自らの欲望に対して嘘など吐かん。他の猫などどうでもいい。吾輩が真に愛するのは愛猫であるバステトちゃんのみだ!」
オネスト殿下のその発言にトランプが怒気を含んだ声で応じる。
「ダウト」
次の瞬間、NAZNAからオネスト殿下の悲鳴が響き渡った。
「ぐあぁぁぁ!」
しかし、オネスト殿下も抵抗を試みているようだ。
「ぐっ……舐めるなぁ! 吾輩はジョーカー! 幻影道化師の総帥にして最終兵器、最後の切り札のジョーカー様だ!!」
その叫びと共にNAZNAがトランプめがけて腕を振り下ろす。
しかし、それに全く動じることなくトランプが静かに告げる。
「ジョーカーを排除しなさい」
すると、NAZNAが大きく揺れると共に大きな口を開いた。それと同時に、そこから勢いよく何かを噴射しながらその反動で巨体が倒れていく。
土煙が晴れると、そこには口を大きく開けたまま仰向けで倒れているNAZNAの姿。その嘴の先端には、強者の風格を漂わせながら立つ老齢のメイドが一人。そして、少し離れた位置でボロボロの姿になって倒れ伏すオネスト殿下。
そんなオネスト殿下を見下ろすようにしてトランプが口を開く。
「おとなしく従えばよかったものを…。あなたの敗因は、自らの傲慢さゆえに最後まで幻影道化師の総帥であることを捨てられなかったことです」
ババ抜き…?
ヒイロ君はツッコミたい
●その1
・・・、エリサは少しだけ回り始めた頭で現状の打開策を考えていた。
今からヒイロ君にビデオ通話してリモートツッコミを求めちゃダメかしら…?
ヒイロ 「そっちの打開策!?」
●その2
見ただけで発狂しかねないグロテスクな肉の塊(無数の触手で武装)
VS
何かムカつく顔をした人間大の大根(無数の包丁で武装)
ヒイロ 「文章だけだといまいちわからないけど、よく考えたら相当絵面がヤバい!」
白狐 「確かにね。それだったら、まだイカのままの方がよかったかもね」
ヒイロ 「それ、どっちにしろ絵面はイカれてるよ」
===
ちなみに、厳密に言うとババ抜きとオールドメイドのルールは少し違う。
オールドメイドの名前の由来にもなっているのだが、ジョーカーを使わずにクイーンを一枚抜いておいて、最後までクイーンを持っていた人が負けになるらしい。
===
おまけ
今日のミーア 『あれ? そこに居るはずなのに、言及がニャい…』




