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-夜想-父親のアカウント引継で強キャラやってみた  作者: ゆめゆめ夢を見るのは間違っている
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2話 夜の帰還?

獣の呻き声が耳に響く。


「お目覚めですね、私たちの主様」

その声で目を開けると和室の中心に立っていた。イグサのいい匂いの中で目の前に真っ黒なコートがふわりふわりと所在無さげに浮かんでいる。今の私が着たら足元まで覆われるであろう丈の長さだ。

というか、体がある。なんだこれは今までやっていたVRがおもちゃのようだ。この感覚の一致具合は凄い。

腱を解しながら筋肉の動きを確認するために型を軽く動かす。それだけでわかる。思った通りに体動く。現実よりも動きがいい……?


「私のことを無視して、体の調子を確認ですか。流石ですね」

「あぁ、そうだった、すまない。だがコートが喋るとは知らなかったよ」

私の言葉に憤っているのか、コートの裾がバタバタとしている。

「相も変わらず、私たちの主様は失礼な方ですね」

「喋るコートとは初対面なものでな」

「現実で会ったことがあると言われたら困ってしまいますものね。

では改めまして自己紹介させていただきます」


閉じられていたボタンは上から勝手に外れていき、鴉が羽を広げるようにコートが大きく翻る。

急に目に入った裏地には銀色に光る星空が煌く。


「"夜"の継承者に奉ずる」

「我は夜を齎す空を覆う外套であり、夜を齎す白光を切裂く刀であり、夜を齎す侵されぬ鎧であり、夜の力を象徴する」

「我が名は、概念武装 "夜" 」


目の前に広がっていた星空がくしゃりと纏まっていく。

銀の光が全て隠れて黒一色になるとくるりと一回転して、そこには瞳を閉じた一人の女性がいた。

腰まで伸びる濡烏色の髪が目立つが着てるのも真っ黒な縮緬の振袖だ……喪服? 紋は揚羽か。


「いやコートの下りは必要だったのか?」

「私の本質はコートですので」

それならコート姿のままでよかったんじゃ……とてもいい笑顔で口を挟みづらいので構わないが。

「夜夜夜と言われても良く分からなかったと思いますので、説明させていただきます。

このゲームは少し特殊になっておりまして特定のクリア条件をプレイヤーの一人が達成すると世界がリセットされ、RPGから学園もの、FPSなどと世界観や設定が変更されて新しい世界でのプレイが始まります。

そのため世界によって求められる力が異なっているため、基本的にステータスは存在しておりません。

その代替として概念という莫大な力が用意されており、それを奪い合うことになります。

この概念が重要となっており世界のリセットが発生しても唯一引継ぐことが可能です。

そして概念は相続が可能となっており、主様もお父様から夜という概念を引き継いでおられます」


「つまり私は父親から夜という強い力を引き継いだと?」

「その通りです。そしてお父様がお持ちだった夜はその当時ゲーム内に存在する100パーセントでした。これはほぼ該当の概念を象徴する神です。そして私はその神に与えられた専用の武装になります」

「それは……ゲームとしては間違っている気がするのだが」

「仕方ありません、この概念引継はいつの時代から行われていたのか不明です。私も貴方の6世代前から夜様にお仕えしております。VRの前はオンラインゲーム、その前はPBM、さらにずっと前は夢の中で。このゲームは続けられてきたそうで、運営している存在は不明で、一部のプレイヤーは神に捧げる神事だと冗談めかして言っていますね」

「で、神が満足しなかったら殺されるのか?」

「それはあり得ません。続いてくことが重要ですので」


「ならば俺に何をさせようとしている」

「とりあえずはですね、外で吠えてる獣をブチ殺してきて来ていただけますか?」

「は?」


世界を覆う様に獣の吠え声が響き渡る、その声はあまりの音量に体へ衝撃を感じた。




説明回でした。分かりづらくて申し訳ない。

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