何も本音を言わないキミの気持ちが知りたい!
僕は、自分の気持ちを人に言わないキミを好きになってしまった。
___いつも、キミはニコニコしてて。
クラスの中心人物で、明るい向日葵みたいなキミの笑顔が好きだったんだ。
___キミの周りには、いつも人がいてさ。
僕は、キミのそんな輪の中になかなか入れなくて......。
・・・そんな僕に気づいたキミが僕にこんな事を言ってくれたよね?
『___どうしたの? 1人で、考え事? 難しい顔してたから。』
『___えぇ!? そ、そんな事ないよ、』
『___木藤くん、笑った方が凄くいいのに! 何故? 笑わないの?』
『・・・あんまり笑うのが得意じゃないからかな。』
『___木藤くんの笑顔、私! 好きだよ!』
『___えぇ!? そうかな?』
『___うん!』
___あの時、キミに不意に言われた事が僕は凄く嬉しかったんだ。
些細な、なんてことない会話の中にキミの優しさも見えてね。
・・・僕は、奥手だから!
僕からキミに話しかけられないし。
キミから、あんな風に話しかけられなかったら、、、。
僕はキミと一生! 話す事はなかったかもしれないな。
▽
___でも、ある時ね?
僕は、キミの事で一つ分かった事があるんだ!
キミは、たくさん友達がいて君の周りにはクラスの友達以外にも
友達が集まって仲良く話しているけど?
___キミが本音で、話せる人は?
・・・一人もいないんじゃないかって。
たまに見せる、キミの寂しそうな顔が僕の目に焼き付いたからだ!
*
___キミが僕に、話しかけてくれたあの時から。
キミは、ちょくちょく僕に話しかけてくれるようになったよね!
『___ねえねえ、木藤くん?』
『___う、うーん? 桜川さん、どうしたの?』
『___これ! みんなには内緒だよ!』
『___えぇ!? なに?』
『___私さ~実は、、、? “笑う事が苦手なんだ!”』
『___えぇ!?』
『___嘘みたいな話だよね!』
『・・・う、うん。』
『___こうしてないとさ~みんなが私から離れて行っちゃうん
じゃないかと思って、不安なんだよ。』
『___桜川さん、』
『___私、そんなに強い人間じゃないから。』
『僕もだよ、僕も、桜川さんと一緒だよ! そんなに強い人間じゃない!』
『___ありがとう、木藤くん。』
『___う、うん!』
___不思議とね?
この時は、キミの本音を少しだけ聞けて...。
僕だけに、キミが話してくれたと思うとそれがまた嬉しくて。
・・・もっと、キミの事を知りたいと想ったんだ!
“キミの本音をもっともっと知りたい!” 僕はそう思ったんだよ。
*
___少しずつだけど?
キミと仲良くなっている僕自身が好きになっていったよ。
キミの明るい笑顔に、僕も包み込まれるように、、、。
キミを見ているだけで、僕も笑顔になったんだ!
▼
___でも?
キミは、誰にも、、、。
僕にも、一言も言わずにこの街を離れて行ってしまったね!
・・・キミの家族の事は噂で少し知っていたけど?
まさか!? 【夜逃げ】をするなんてね!
キミの父親が多額の借金をしていたという話しは噂で知っていた。
・・・だけど?
キミがこんなに早く、僕の前からいなくなるなんて!
思ってもみなかったよ。
___結局、キミは誰にも本音を言えずに悩んでいなくなってしまった。
僕が、もう少し大人なら?
___キミの悩みをちゃんと聞いてあげられたのかな?
・・・今は、そんな風に思うんだ。
最後までお読みいただきありがとうございます。