第2-3節主人公補正がかかった俺に幼馴染と恋愛は普通だよね!?
〜第2-3節主人公補正がかかった俺に幼馴染と恋愛は×××だよね!?〜
プルルルル〜プルルルル〜
『……あっ、もしもし…………じ…………んくん?』
電話に出た風華の声は震えていてとても悲しげな声だった。そして、風がよく吹いている場所にいるのが電話越しでも分かるくらいとても風の雑音が激しく聞こえている。
『あっ、もしもし、じゃねーよ!お前、今何処に居るんだよ!』
少し、俺は怒鳴り口調でついつい言ってしまった。
何故なら彼女は滅多に電話をしないのにそれを30件程俺の携帯に入れるのはおかしいと言うのは長年付き添って来た俺だから分かることであって、とても心配してしまう。
そして、彼女はさらに小さくて寂しそうな声で理由をブツブツと言い始めた。
『だって、仁が好きな人が出来たとか言って。それで実際好きな人って言うのはあの凛子ちゃんで私じゃないのは分かってる。
だけど、私は今もはっきりと憶えてることがある。それは仁くんが小学生5年生の時仁くんが私のこと好きって言ってくれて本当に嬉しかったの、だけど、昔の私は素直になれなくて仁くんの好きを受け入れられなかった。そして、その後の2年間廊下で会ってもお祭りで会った時も全部、仁くんは私を避けていた。それが私辛かった。だけど、そんな風にさせていたのは、私だったってこと知ってたんだよ。それで仁くんに辛い思いもさせたんだよね私。だから、中学では積極的に仁くんに絡みに行ったの、最初は仁くんも少し辛そうな顔してたけど、何回も絡みに行くうちに仁くんがちゃんと心を開いてくれて来たのをなんとなく感じてたの私。そんな時に私は告白されて付き合ってしまったんだよね。でも、それは仁くんの気をひくたまにやったことなのに。仁くんは付き合えばとか軽々しく言って来たのを憶えてる。それでやっとわかったんだ、仁くんは昔みたいに私のこと好きじゃないってことが直ぐに分かったの。………』
突然、彼女の声が止みそして、もの凄い雑音が電話から聞こえた。
『おい、どうした?風華?大丈夫なのか!?』
今までぐっと我慢していた、俺は風華に問いかける。そう、昔みたいに。
当時俺は風華に告白を断られたのが小学校の同じ学年全員知っていた、そのせいで俺は変ないじめにあっていた、だが、そのいじめは3年間ずっと続いた、そして、中学校に入ってからも少し続いていた、だが、そんな時に彼女、そう風華が俺にしつこく絡みに来るようになった、そのお陰で俺のフラれたいじめに終止符が打たれた。
その時の俺はとても彼女に感謝した、それと同時に彼女のことがまた好きになってしまうかもしれない自分が怖かった、もしそれでまた、フラれて今終わっているいじめがまた始まったら、また暗い学校生活が戻って来てしまうからだ、その時に俺は誓った。
俺はもう彼女のことを好きにはならないと決めた。
むしろ、逆に彼女が幸せになるように手助けをするのが俺の役割だと俺は思った。
俺が彼女に救われたように俺もまた彼女を救いたかったのだ、そんな時に彼女に告白して来た男子がいた、そいつは俺も同じ部活の部員で尚且つ顔もカッコよく学校指に入るほどのイケメンだった。それに匹敵するくらい風華も可愛かった、むしろ、そのイケメンに釣り合うにはピッタリなくらいお似合いだと俺は思った、俺みたいな教室の中でいじめられて挙げ句の果てモブ扱いをされていた、俺よりもよっぽどお似合いだった。
だから、俺は風華に付き合えばと言ってしまった、その後はとても苦労をした、また、いじめが始まったのだ、今度は風華と付き合った男子生徒が中心となって寄ってたかって俺のことをいじめ始めた、その理由としては、彼と付き合っている時も風華は俺への過剰な絡みを継続させていたからである、それを妬んだ彼は俺に嫉妬して、周りの男子に俺をいじめるように仕向けたのである、だが、俺はそのいじめがあるのを必死に風華に隠し続けた、そう、それは彼女が幸せになるようにと願ったからである。
とある日、風華とその彼が喧嘩をしたと言う情報を知った、その理由はやはり俺絡みだったらしい、彼は俺と風華が話してる姿を見て更に嫉妬し、俺に風華を近づかないように言ったそうだ、それに対して風華が激怒したらしく、それが彼の間に触って喧嘩になったらしい、そして、その喧嘩を理由として彼と風華は別れた。
だが、その後もいじめは続いた、そして、今までよりも更にエスカレートした。
挙げ句の果てには、風華を無理やり自分の物にしようとしたのである。
そして、彼女が幸せになるようにと思っていた俺は、俺のせいで彼女が不幸になるのが辛く、そんな彼から風華を救ったと言うのが俺の中学時代の青春だ。
そう思えばいつも俺は彼女に振り回さられてばかりだった。
そんなことを彼女の黙っている間に思い出していた。
そして、
『…私…………私ね!?本当は仁くんと一緒にいたいの…………だけど、仁くんの1番に私はならないのは知ってる。だけど、だけど、今、私が1番、この世で、この世界で1番好きなのは仁くんなの!!それは、分かっていてほしいし、それにあと、これだけは絶対に伝えたい。だから、だから、昔仁くんが私に告白した公園で待ってるね』
ツーッツーッツー
『おっ!おい!風華!?風華!』
なんであの公園なんだよ。
俺は長年思わないことにしていたことをついに思ってしまった。
『俺が風華をいや、彼女を幸せにする』
だけど、今こんな心境で風華を幸せにできるかどうかなんて、絶対に無理だ、だって俺は今確かに凛子さんが好きなわけだし、こんな雑念入りまくりの俺に何ができるって言うんだよ。
っと思いながら、俺は家を出て風華が待つあの公園に向かった。
そして、
『はぁーはぁー、風華待たせたな!』
俺はそう、言い昔俺が風華に告白した、公園へとつき、今はもう無くなってしまった、大きな大樹の跡付近に風華が立っていた、そして、
『あっ、やっと来てくれたんだ、仁くん、さっきの続きね』
少し、声色を高くしてそう言い放つ彼女はとてももじもじしていた。
『お、おう、』
ゴクリと俺は息を飲んだ
『あの、昔から好きでした、こんな私ですが付き合ってください、お願いします』
そう、彼女は言い俺の方に手を伸ばし握手をせがむようにこちらに手を出してお辞儀をしていた。
そして、俺は、俺は、
『こちらこそ、よろしくお願いします!加藤風華さん…………………って、
言いたいんだけど、俺は今、君を本当の意味で幸せにできる自信が無いんだ、もう少し待っててくれないか!?もっと俺が君を幸せに出来るような男になるまで待っててほしい』
この時俺は本当に分かっていなかった、本当にバカだよな俺は、この時、なんで彼女と付き合わなかったのだろう、この後あんな修羅場に出くわすことにならなかったのに、そして、彼女は、、、
『分かった、ちゃんと私のことを思ってそう言ってくれてるんだよね、仁くんは…………ひっぐ、、、ひっぐ、、私は泣かないよ、だってまた、仁くんを困らせちゃうから』
そう言った彼女は前に出していた手を自分の腰の横に握りこぶしのようにぎゅっと手を握りしめて彼女の目からは我慢したが少し溢れた涙が出ていた。
『本当にごめん、もう少しだから、今の気持ちが本当なのかどうかは分からないけどそれを分かりに行って来なきゃ風華を幸せにするなんて無理だから、俺は確かめたいんだ』
その後のことなんて何一つ俺は考えてなかった、もし、その気持ちが本当でその恋が実ったとしても、風華は幸せになれないことも考えていなかった。
すいません。
連休を頂きました。
大変申し訳ないです。待ちに待っていた方本当にすいません。
次回の投稿は金曜日に予定しております。
そして、金曜日から新作を出していく予定です。
ぜひぜひ楽しみにしていてください!