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異世界魔法で曲芸士!  作者: 常世 輝
王都ユーラング
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誘拐事件

前回のタイトルか間違っていたので修正いたしました。

今日はなんだかエルフの里全体が騒がしい。こちらに何度か睨むような、窺うような視線を向けてくる。


「どうしたんだろうね?」

「さぁ?」

尋ねてきたメリーに俺にもさっぱりわからないと返して様子を窺う。


男性と思われるエルフが武器を持っているのも見えるので、殺気立っているように見える。こんな状態はエルフの森に来てから初めてだ。


「ご主人様、あちらに」

ローリアが指す方向を見てみると、アーレとエルフの長老のアルノルトさんがこちらに来ていた。


「やあ、ユイト君。」

「お久しぶりです、ユイトさん」

「こんにちは、なんだか騒がしいですけど、何かありましたか?」

アルノルトさんの後にアーレが挨拶する。俺も挨拶をして今日の里の様子の原因を尋ねる。


ちなみに、久しぶりと言ってもあまり日は経っていない。3日ぶりくらいだ。


「そのことで来たんだ。実はエルフの子供が行方不明でね。あまり疑いたくはないんだけど、家の中を調べさせてもらっていいかな?」

どうやら、里の妙な騒がしさはエルフの子供が行方不明であることが原因らしい。そして、俺たちは疑われているようだ。よそ者を疑うのは当然だろう。仕方がないことだ。


「はい、構いません。疑いようのないくらいに調べてください。私たちもそうしてくれた方が安心なので」

「助かるよ」

アルノルトさんはお礼を言うと家の中に入っていた。徹底的に調べてもらって、疑いを晴らしてもらおう。


「すみません、ユイトさん」

「いいよ、別にアーレが悪いわけじゃないさ」

気まずそうなアーレを慰める。実際にアーレのせいじゃないしね。


「ユイトさん、今度姉さんがユイトさんと話したいそうです」

「俺と?」

アーレの姉、つまりフェルさんが俺と話したいそうだ。何か悪い事でもしてしまっただろうか?


そうこう考えている間に、アルノルトさんが戻ってきた。


「うん、いないね。疑って申し訳なかった」

あまり申し訳なさを出さないでアルノルトさんはいう。もしかしたら、この人分かっていたのかな。


「子供探し手伝ってもいいですか?」

「あぁ、手伝ってくれるならこちらからお願いしたいくらいだよ。森に入るならアーレに案内を頼むといい。じゃないと迷うかもしれないからね」

アルノルトさんは俺の提案を快く承諾してくれた。


アルノルトさんがアーレを残して立ち去ってから、魔法を発動する。


「【マップ】!」

魔法で里とその周辺を捜索する。どうやら南のはずれに人族とエルフの子供がいるようだ。


「じゃあ、探しに行こうか」

みんなに声をかけて現場に向かう。アルノルトさんが里の人に声をかけてくれたらしく、睨むような視線は弱まっていた。



--------------------



エルフの里のはずれ。そこには人族が集まっていた。


「へへっ、今日はラッキーだったな」

「んーー!んー!」

大柄な男が騒ぐ麻袋を担ぎながらいう。


麻袋の中には先ほど攫ったエルフの少年が入っている。


「まったく、てこずらせやがって」

別の男が少年の精霊魔法によって燃やされかけた髭を擦る。


少年は無抵抗に捕まったわけではなく、抵抗のすえ捕まってしまったのだ。攫った男たちは魔法が使えないので、なかなかにてこずったようだ。


「もう少しでお前の無精ひげも燃えて綺麗になったのにな」

「うるせぇ!」

男たちは騒ぎながら移動する。本来人攫いしている途中に騒ぐなどバカのすることなのだが、エルフを売りさばいて出る儲けを考えると気分が上がってしまうのだ。


「とっとと合流して酒でも飲もうぜ。手柄を上げた俺らがでかい顔して酒を飲んでも許されるはずだ」

「違いないな!」

男たちは現在5人で移動しているが、他にも何人もエルフの里の周りで里から離れてしまったエルフを狙っている。


エルフは売ると高い。ドワーフはそれほど高くないが金になる。だから、エルフを狙って里の周りで待ち構える人攫いは多いのだ。


「おい、あいつは誰だ?」

男たちのうちの1人が声を上げる。その声に釣られて全員が進行方向に目線を戻した。


そこにはローブ風の服を着た見慣れない男がいた。


見たところエルフではない。エルフならまず顔を晒していることはないからだ。そして、ドワーフでもない。ドワーフにしては背が高すぎる。


それらから考えられるのは、男たちの仲間であることだ。しかし、


「あんな奴いたか?」

「いや、知らねぇ」

男たちには見覚えがなかった。仲間の顔は覚えているが、あんな髪の色の男は知らない。あまり覚えていない新人も連れてきてない。


「ていうことは、敵か」

「ああ」

男たちは武器を構える。おそらく仲間ではないが、同じ人攫いなのだろうと男たちは検討を付けた。


同じ人攫いならば敵である。攫った獲物を横取りされるわけにはいかない。


ローブの男に襲い掛かる。ローブの男は驚いたような表情をしている。


仕留めた!男たちはそう思った。


「何もしてないのにいきなり襲わないでほしいなぁ」

男たちは緊張感のない声をきいた。そう思ったら、ローブの男の剣によってすべての攻撃は裁かれていた


「なんだてめぇは!?」

男たちは怒声をあげる。ローブの男は怒声を気にした様子もなく真剣な眼差して男たちを見据える。


「エルフの子供取返しに来た」

そういってローブの男は剣を構えた。




ここまで書いたら捕まえたも同然な気がしますね…

次回もお楽しみに!


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