表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界魔法で曲芸士!  作者: 常世 輝
王都ユーラング
76/87

道中 ユアとお遊び

「ふぁーあ」

寝ていたユアが大きなあくびをした。


ユアを助けてから3日ほど経つが、この子はよく寝る子だ。


ユアの行動をまとめると、寝る、精霊や蝶などの虫や小動物と遊ぶ、食事をする、俺たちと遊ぶ。遊んで、食べて、寝る。実に子供らしい。


 「ユア、おはよう」

「おはようなの」

眠そうに眼を擦りながらユアが答える。


「みんなもおはようなの」

ユアは精霊に向かって挨拶する。ちょいちょいと人差し指で精霊をつつく姿は可愛らしい。


『ゆあおはよーなの』

『なにしてあそぶの?』

『あそぶの?あそぶの?』

精霊たちは遊びたいみたい。


精霊は自由だ。面白いことが好きで、甘いものと魔力が好きで、満足したら寝るかどこかに飛んでいく。ユアと似たようなものだな。


「遊んでもいいけど、あまり走らないようね」

俺はユアに注意する。この前は精霊を追いかけまわす遊びをしていた。馬車の中を空間魔法で拡張していても、走り回るほど広いわけではない。


「じゃあ、お話しするの」

どうやら今回は会話を楽しむようだ。それなら、暴れることはないか。


「ユイトもお話しするの?」

『するの?』

「俺も?」

ユアと精霊から会話の誘いがあった。特に今行うことはない。


「じゃあ、混ぜてもらおうかな」

せっかくだから会話に参加しようかな。俺がそういうと、ユアがトコトコと俺に近づいて、あぐらで座っている俺の上に収まった。精霊たちも集まってくる。


「何をお話するの?」

どうやらユアは無計画らしい。

「ユアと精霊の話しを聞きたいな」

俺がそういうとユアは考え始めた。


「ユアと精霊さんは友達なの。昔からみんな友達なの」

『ずーと、おともだちなの』

精霊とユアは昔から友達らしい。だからユアの口癖も精霊っぽいんだな。


魔力を精霊に与えてみる。掌に魔力を集めて丸く形作る。俺たちに魔力は見えないけど、精霊には見えているみたい。こら、髪を引っ張るんじゃない。


『おいしいの』

『綺麗な魔力なの』

「あんまり食べ過ぎちゃだめだよ」

精霊に太るとか食べ過ぎるとかあるか分からないけど、なんとなく注意しておく。


「ユイトは精霊さんとお話できるの?」

「うん、できるよ」

俺は精霊をつつきながら答える。精霊たちは逃げたり、指に乗ったり、指を引っ張ったり、指にしがみついたり様々な反応をして楽しい。


1体の精霊が頭の上に乗った。こら、髪を引っ張るな。

2体の精霊が俺の肩の上で手遊びをしている。本当に自由だな。

『楽しいの』


「ねぇユイト、今精霊がなんて言ったかわかるの?」

「ん?『楽しいの』だって」

俺がユアに答えると、ユアはいつもの眠そうな目を瞬かせた。どうしたんだろう?


「どうしたの?」

「みんな精霊の声が聞こえないの。精霊は喋らないってみんないうの。ユアはうそつきだって」

精霊は喋らない?では、どうして俺とユアには聞こえるのだろうか?


「【アナライズ】」

俺はユアに向かって【アナライズ】を発動させる。



名前:ユア

種族:ドワーフ族

年齢:14

レベル:20

状態:良好


ステータス

MP:B

魔力:B

攻撃力:B

守備力:E

魔法攻撃力:B

魔法防御力:E

敏捷力:D

ラック:50%

〈スキル〉

 ―魔法―

精霊魔法(5)

 ―戦闘―

弓術(2)、鎚術(4)

 ―技術―

演奏(4)、歌唱(2)、夜目(5)、回避(3)、自己治癒(7)、精霊対話(10)

 ―耐性―

毒耐性、麻痺耐性

―その他―

精霊視、魔力視、

〈適正〉

精霊魔法、ハンマー、精霊対話



わかった。スキル【精霊対話】があるから精霊の言葉が分かるのか。そういえば、俺にも初めて会話したときに追加されていた。


というか、攻撃力高いな。魔法攻撃力も高いし、ユアは攻撃極ぶりらしい。


「どうやらスキルのお陰みたいだね」

「そうなの?」

ユアはあんまり実感が湧かないみたい。


俺はユアの頭を撫でる。

「ユアが嘘ついてないのは俺が分かったってことだよ」

「……うん」

何とか納得してくれたみたい。


何体もの精霊が光の玉をキャッチボールしている。キラキラ輝いてとてもきれいだ。


「何してるの?」

『ふんいきづくりなの』

何の雰囲気だ。確かにカップルが見るような綺麗なイルミネイションになっているけどさ。


よく分からないけど、俺が魔力を与えたから魔力が有り余っていたんだな。


人差し指をだして俺も光魔法で小さな光の玉を作って飛ばす。精霊のキャッチボールと合わさっていい感じだ。


「綺麗なの」

ユアも気に入ってくれたみたい。


『疲れたの』

精霊が休み始めた。どうやら飽きたようだ。


「ありがとね」

俺は空間魔法でチョコレートを取り出して精霊に渡す。


「パクッ」

「あっ」

差し出したチョコレートはユアが身体を一生懸命伸ばして食べた。


『あーなの』

『ちょこれーと……』

精霊は少し残念そう。


「はいチョコレート」

俺はまたチョコレートを差し出す。精霊は嬉しそうに食べ始めた。精霊は小さいからひとかけらを分け合って食べている。


ユアも精霊も嬉しそうにチョコレートを食べていて、思わず俺も笑みがこぼれた。


ユアのステータス公開です。

ユアのステータスは今後の展開次第で変更することがあります。ご了承ください。


エルフだけど精霊魔法の使えないリーレとドワーフだけど精霊と会話できるユア

少し複雑ですね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ