王女の招待
200pt達成しました。皆様のおかげでございます。
最近なかなか書く時間を取れず,バタバタしながら書いてますが,
細々と続けていくので応援よろしくお願いします。
今日はローリアと城に来ている。
この前、いつも通りに広場で魔法を披露していると第3王女の使者から手紙をもらった。
それは勇者の召喚パーティーの招待状だった。
ユリア様は約束したことを覚えてくれたみたいだ。第3王女に覚えられているとは光栄だな。
ユリア様に謁見したときは俺とローリアだけだったので、招待状は2枚だけだった。アーレとメリーはお留守番だ。
メリーはだいぶ駄々をこねたけどね。
「手紙を兵士に見せればいいんでしょうか?」
俺もローリアと同じことを考えていた。
城に来たのはいいが、ズカズカと入るわけにはいかないだろう。不審者扱いされてしまう。
「とりあえず、見せてみようか」
ローリアに言ってから、城の前で警備している兵士に向かって歩く。
「止まれ!何の用だ?」
兵士に声をかけられる。俺たちは大人しく止まった。
「招待を受けてきました」
俺は手紙を見せる。
「なに?」
兵士は手紙を受け取ってじっくりと見始めた。
さっきから出入りをしているのは貴族ばかりだから、見た目子供の奴隷を連れた俺を疑うのも仕方ないよね。
「失礼しました。案内の者をよこしますので少々お待ちください」
兵士が頭を下げた。
少し待っていると、使用人が来て案内をしてくれた。
ルートは前と同じ。また王様に会うのかな?
俺の予想通り、王様のいる部屋の前に案内された。
「さあ、王様がお待ちです」
そういって使用人が扉を開けた。王様が奥で座って待っているのが見える。この前は先に俺が跪いて待っていたのに、今回は王様が待つのか。
「待っておったぞ」
王様が迎えてくれた。
アーネスト・ユーラング・リーブハート
この国の王様。
俺が知ることは少ないけど、誰しもが認める王様らしい。
「お待たせして申し訳ありません」
俺はその場に跪いた。
「構わぬ。儂はそなたがユリアのところに行く前に割り込んだだけだ」
王様は和やかな笑顔だ。俺の中ではこの王様は娘想いのお父さんといった感じだ。
「そなたにユリアの病気を治した褒美を与えよう」
そういって王様は使用人に合図をした。俺は使用人に紙を渡された。
紙には目録が書かれており、宝剣とか霊薬とか大層な名前が書かれている。
「そこに書かれている物の中から1つ選んでくれ」
王様が同じ紙をもっている。
この中から1つ選ぶのか。
目録に目を通していると、面白いものが目に入った。
「では、オリハルコンを」
俺は目録の中にあった1つを選んだ。
「ほう?オリハルコンを何に使う?」
王様が俺の選択が気になったのか、面白そうに尋ねてきた。
「オリハルコンがあれば戦力が増強できますので」
オリハルコンを材料にすれば、一級品の武具が出来る。
まあ、武具にするつもりはないけどね。オリハルコンは魔法陣や魔法回路のインクの原料にも出来るから、そっちで使おうかな。
「ふむ。オリハルコンで出来た剣ではなくオリハルコンを求めるか。防具か。はたまた別の武器か」
面白そうに王様が考えている。
オリハルコンで出来た剣というのは目録にあった剣だな。
「ふむ、まあよい。オリハルコンは別の時に届けさせよう。下がってよい。ユリアが待っておる」
考えを終わった様子の王様から退室の許可が出た。
「失礼します」
俺は立ち上がってそのまま退出した。
「はあ。緊張した」
「お疲れ様です。ご主人様」
「ローリアもお疲れ」
俺に声をかけるローリアも少し疲れた様子だ。ローリアは一言も王様に話さなかったけど、いるだけでも結構疲れるよね。
「ご案内します」
使用人が俺たちを案内する。この人は前にユリア様へ案内してくれた人だな。
次はユリア様か。少し緊張するけど、王様よりはましかな。
着いた場所は前と同じユリア様の寝室だ。
「失礼します。ユイト様をお連れいたしました」
使用人が扉を開けて中に入れてくれた。
この前の時よりも扱いが丁寧だな。ユリア様の病気を治したから、少しは信頼されているのかもしれない。
「まあ、素敵!来てくださったのですね」
花が咲いたような笑顔でユリア様が迎えてくれた。歓迎されているようで嬉しいな。
ユリア様は椅子に座っていて、前のテーブルにはお菓子とお茶が用意されていた。お茶会かな?
ユリア様の横にはもう1人女の子が座っていた。
身長はローリアくらい。小人族ではないだろうから多分9歳くらいだろうか?
「お待たせして申し訳ありません。本日は招待してくださり、ありがとうございます」
俺は恭しく礼をする。
「ねえ、お姉さま。あの方がユイトさま?」
女の子がユリア様の袖を引いている。ユリア様をお姉さまと呼ぶってことは、第4王女だろうな。
「エマ、まずはご挨拶よ」
ユリア様が第4王女に優しく言う
「エマ・ユーラング・リーブハートです。歓迎いたしますわ」
第4王女のエマ様がスカートの裾をチョコンと上げて名乗った。
エマ・ユーラング・リーブハート。
この国の第4王女。
まだ幼いため、公式の場に出ることはまだない。だから、俺も知っていることはほとんどないな。
「失礼しました。ユイトと申します。こちらは私の奴隷のローリアです」
俺も恭しく礼をして名乗る。たぶん俺が先に名乗るべきだったんだろうな。
ローリアも礼をした。
「ユイトさん、招待を受けてくれてありがとうございます。どうぞ、お座りになって」
「失礼します。ローリアも座ってよろしいでしょうか?」
空いている席は2つ。おそらく俺とローリアのものだが、念のために確認した。
ローリアは奴隷だから立っているが一般的みたいだからね。
「ええ、そのために用意したのよ」
ユリア様はクスリッと笑った。
何か笑われるようなことをしてしまっただろうか?
俺とローリアは席に着いた。お菓子やお茶のカップを見ると、とても上品で高そうだ。
ユリア様は少し化粧をしている。香水の匂いもするな。
少し緊張するけど、王女様たちとの会話を楽しもう。
パーティーにお呼ばれしました。
勇者,新キャラの予感ですね。




