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1、人生初、「小説家になろう」にアクセス!

 一緒にたくさん、アニメを観たよね。

 ネトゲもしたよね。映画を観たり。

 30巻以上ある漫画を一日で全巻読破して、感想を言い合ったり。


 そんな日々が、とても楽しかった。

 趣味が同じな人間と一緒に暮らすことの楽しさを、思う存分、満喫していた。


 だけどある日、そんなささやかな幸せを、日々を、「小説家になろう」が、破壊、したんだ。

「小説家になろう」にハマった君は、急速に他のことに興味を失い始め、今では、ほぼ、そればかり。


 どうしてなの?

 ああ、涙が止まらない。


 酷いじゃないか。


「もう、漫画とかアニメとか興味沸かない」


 なんだってそんなに冷たいことが言えるんだ!

 あんなに毎日一緒に漫画を読んで、ロボットアニメについて語り合って、ネトゲにログインして、それで、それで……。


 それを、なんだよ、「小説家になろう」って……。


 なにも、私が現在カバーしていない分野、ライトノベルを読むことないじゃないか!!


 学生時代はそれなりに読んでいたけど(たぶん)最近は遠ざかり過ぎて、文字を読むとものの数分で頭痛を起こす私への挑戦、ってかアテつけか?


 君と会話がしたいんだ。

 近頃は暇さえあれば、「小説家になろう」の作品ばかり読んでいる。

 他のことには興味がないとか、言う君と――


 ――君のことをあえてここでは相方と呼ばせて貰おう――



 ――2015年、夏。


 私は生まれて初めて、相方がハマっている「小説家になろう」なるサイトを訪問した。

 ここで連載している小説のアニメ化したものなら数作ほど観たことがある。


 だから、全く自分と無縁のサイトでもないのだ。


『歩み寄り』


 そう私は、このサイトを訪れることで、君に歩み寄ろうとしていたのさ。

 半年ぐらい前からずっと、君は、かつては私と共通だった趣味の分野にまったく興味を無くしてしまった。


 正直、遠くなってしまった君に戻ってきて欲しかった!!


 だけど戻ってきてくれないなら、こちらから、自ら、近ずいて行くしかないじゃないか?


 私はここを訪れ、どれほど「小説家になろう」のサイトの作品が面白いのか、それを理解し、一緒に、君と語り合おうと思ったんだ――

 もう一度、同じことに興味をもち、熱く語り合いたかったんだ!!




 ――しかし、駄目だったんだ……。


「駄目だ、3分しか集中力がもたない」


 我ながら、脳みそが残念過ぎる。


 これがゲーム脳って奴なのか?


 私は相方・推薦の、「小説家になろう」で今をときめく人気作を読み始めて、すぐにコメカミを押さえる。


 この長年に渡ってゲームとアニメと漫画に侵された脳みそは、文字を追って意味を理解するのに、とにかく時間がかかる。(しかも、ネットというのは紙の本より数倍読むのが疲れる気がする)

 漫画やアニメであればそれを絵や映像が補ってくれるのだが、小説には内容を理解するそのような手がかりがない。


 なんと、文字だけを読んで、全てを理解しないといけないのだ!!(当たり前だろ)


「なんたることだ、やはり私には、無理だった……」


 がっくりと肩を落とす、私。


 その時、ふと思い出した。


 かつて、学級の公開授業で自分の作文が代表に選ばれ(枠:1つ)、弁論コンクールで努力賞を取り、標語コンクールに入賞し……。(←案外つまらない受賞歴)

 国語の成績が上から数えて、小・中・高と常に学年で5番以内だったことを――

(これは漫画を読むことは国語力を上げるという証明でもある)


 そしてママンが言っていた。


「お前は自分のことをアホだというが、小学校高学年の時、お前のIQが物凄く高いと、わざわざ先生が数値を教えてくれたことがある!!」


 実は私、「やれば出来る子」なのではないか? 

 書けば、書けるのでは?


「読むのが苦手なら、書けばいいのでは?」


 それは全く無謀な思いつきであった。


 文章自体は書いている。

 なぜならば、私は漫画は読むだけではなく、描く(好きなアニメやゲームの薄い本)趣味もあったからだ。

 漫画の中にも文章がある。

 ネームやプロットでも文書書いている!!

 書いているよ!!

 だからきっと、小説も書けるんじゃないかな?

 そう思った。


 ――そして、私は人生で初めて「小説家になろう」のサイトを訪れた、30分後――


 読むことを放棄して「ライトノベル」なるものを書き始めていた――


「相方、待ってろ! 私は『小説家になろう』の書き手として――君にアプローチしてみせる!!」


 そうだ、同じ興味を持ち、熱く語りあったあの日々を、もう一度、取り戻すのだ!!



<続く>


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