4段目:ちょっとした気遣いでも大きな一歩
仕事が忙しく、更新停滞していました
細々と更新していくので見捨てないでくださいm(__)M
「さー着いた!さて!何奢ってもらおうかな〜」
マックに着いたとたんあかねはそんなことを言い出し、嬉々とした様子で順番待ちの列に並んでいる。その顔には満面の笑みを浮かべており俺から見てもなかなかに可愛らしい様子であった。並んでいる間も今日あった出来事など俺の寝ていた間のことなどを間断なく話しかけてくる。その声量は大きく騒がしいと言っても差し支えないレベルであったように思う。そんなわけで先ほど心に浮かんだ気持ちもいつの間にか雲散霧消していった。
「早く決めろよ」
順番が回ってきて、あまり時間をとられるのも嫌なので難しい顔をしているあかねに声をかける。
それにしても良くそんなに表情を変えられるものだ。声をかけたことで焦った様子になり話しかけてきた
「待って待って!悠輔は何?」
「おまえと同じ物」
それは既に決めていたために間を開けずに即答する。メニューを決めるなんてそんなにだるい事していられるか。そんな俺の気持ちを知ってか知らずか更に悩んだ表情になっていた。う〜、と唸りながらメニューに対して百面相を開始している。もしかしたら俺のことを考えて悩んでいるのか?そんな無駄なことをせずに早く決めてほしい
「俺のことは気にせず自分の食べたいものを頼め」
その言葉にあかねはキョトン、とした表情を一瞬見せたがすぐにアハハ、と笑って次は怒り出した。全く忙しいやつだ
「そんなの気にする訳無いじゃない!せっかく奢ってもらえるんだからいつもは食べない高いメニューかいつも食べてる好きなメニューか悩んでたのよ!でもあんたも同じもの食べるんだから安い方にしといてあげるわ!感謝しなさいよね!スイマセン、このチーズバーガーセット二つ、二つともコーラで!」
俺の小さな好意が無駄になった瞬間だった。まぁいいか。それにしても何で俺が感謝しなければいけないんだろう?心の中で首を捻ってみるがさっぱり見当がつかない。
そうだ。あいつの分も俺が持ってやればそれは“いい事”ってやつに値するんじゃないだろうか?だるい席探しもしなくて良いし一石二鳥だな
「俺が持ってくから席とっといてくれ」
「あんた熱でもあるの!?さっきから何かおかしいと思ってたけどなんかいつもの悠輔じゃないよ!?」
すぐさま俺の額には手が当てられ怪訝そうな表情を浮かべたあかねと目が合う。全く失礼な・・・事を言っているわけではないな。自分で自分の言葉には吐き気を催したくらいだからな。言葉にするのに拒否反応を示してずいぶん苦労した。いつもの俺だったらあかねに二人分持たせた上にあかねに席探しをさせて俺は後ろからついてくだけだろうしな。まぁそれ以前にこんな騒がしいところ来たことはないが・・・
「まぁいいわ。じゃあ早くしなさいよ!」
そんなことを考えているとあかねがビシッと指を突きつけてきた。ポーズまで決めてもらってなんだが早くするのは俺ではなく店員じゃないかと思う。俺の返事を聞く前にあかねはさっさと身を翻して席を探しに人混みの中に消えていった。全く本当に忙しないやつだ
「お待たせしました。チーズバーがセット二つ、ドリンクはコカ・コーラになります。600円になります。」
その言葉に店員の方を向き財布を開き千円札を取り出しカウンターの上に置く。
「千円お預かりいたしましたので、400円のお返しになります。・・・仲いいね〜、彼女?」
400円を受け取りながら少し驚き店員と目を合わせる。少し栗色に染めた髪をポニーテールにしており、笑ったときの笑窪と少し釣り目がちな大きな目が印象的だった。チラ、と後ろを見ると誰も並んでいない。なるほど、客もいないし少し暇だったのだろう。
「違います」
「またまた〜、照れなくていいって!・・・ありがとうございました!」
話しても納得しなさそうだしあまり否定するのもだるいので何もいわずにトレーを受け取り踵を返して歩き出した。慌てて聞こえたその声に笑いが混じっていて少し癇に障ったのは内緒の話だ
相変わらず話が進まない!少しずつ進めていきます
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