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天国への階段  作者: グー
13/17

踊り場その2:私の運命の人(おうじさま)

今回は桜視点です。

できれば感想頂きたいです

薫ちゃんと二人で歩いた帰り道

見慣れた景色

行き交う人達

耳に響く雑音ノイズ


彼と目が合った時

私の目、耳、鼻、肌

全感覚で彼を感じている気がした


世界には彼と私

唯、二人だけだった


それはきっと1秒にも満たない時間

でも私にとっては永遠にも等しい時間


彼が目を逸らし歩き出す

反射的に隣の薫ちゃんに話しかけていた

薫ちゃんは彼の横にいた男の子を知っているようだった


彼との出会いはきっと必然

あぁ、私の運命のおうじさま


どうか、私と―――……







それは、思ったより早く訪れた

薫ちゃんが彼-悠輔君-の隣にいた男の子-光くんというらしい-に連絡を取って学校帰りに会えることになった。

光くんも一般的に見てかっこいい男の子だけど私の目は悠輔君に釘付けだった。


少し長めの黒髪

気怠げだけど理知的な顔

低く落ち着いた声音

寡黙だけど誠実な雰囲気


思った通りだった。

恥ずかしくて悠輔君と目が合うたびに逸らしちゃったけどどうしよう

変に思われてないかな。

それにしても悠輔君、話に参加しないな。どうしてだろう?

薫ちゃん達はカラオケに行くって話をしてるけどどうしたんだろう?

私と一緒で苦手なのかな?

どうしよう…悠輔君が行くなら私も行く意味はないし…

思い切って聞いてみようかな


「あの…関君?関君も行く?」


緊張して声がうわずってしまいそうだった

しかし、私の緊張は伝わっていなかったようで悠輔君は表情も変えず帰る、と一言だけ呟いた

聞いておいて良かった。私も帰ろう

でも、これでお別れになっちゃうの?もっと話したいな


そんなことを考えていると光君が悠輔君に一緒に帰るように勧めてくれた

後で薫ちゃんに聞くと、気を利かせてくれたらしい

これで私はいっぺんに光君に好感を持ってしまった。

我ながら単純だと苦笑いしたものだ

このときは悠輔君と帰れる嬉しさで一杯で他のことに気を回す余裕はなかったのだけれど



そして悠輔君との帰り道

悠輔君が寡黙なのは先ほどからわかっていたことなので私から沢山話しかけた。

人見知りだと思ってた私にこんな勇気があったなんて

新たな自分を発見することができた。これも関君のおかげ

たまに嫌そうな顔をして落ち込むこともあったけど、そうすると悠輔君はすぐに答えを返してくれる

優しい人なんだ。どんどん悠輔君の事が好きになっていく。


楽しい時間は早く過ぎるもの

悠輔君との別れの時が来てしまった

別れの道の交差点、悠輔君がじゃあな、と手を挙げ振り返った


これっきりにしたくない!

考えるより早く声が出た


「良かったら…アドレス交換しない?」


悠輔君は少し考える素振りを見せたが困ったような顔をしながら「俺はメール不精だぞ」と言いながら携帯を出してくれた


嬉しい


きっと今の私はだらしない顔をしているのだろう

そんな顔を悠輔君に見せていると思うと恥ずかしくて顔が熱くなるけど

だけど弛む頬を引き締めることが出来ない

こんな嬉しいのは何年振りだろう?


「ありがとう!今度連絡するね!」


すごく素直に言葉が出た

悠輔君が今度こそ振り返って手を挙げ帰っていく

見えなくなるまで見送った

悠輔君が見えなくなると思わず携帯を握りしめ胸に抱いた


それが嘘じゃないと確かめるように

いつの間にか無くしてしまわぬように

高鳴る胸の鼓動を自覚するように


落ち着かない胸の内を長く息を吐き無理矢理に落ち着ける

そんなことで落ち着ける訳じゃないけどとりあえず動けるようにはなった

早くメールしたい、と逸る気持ちを抑えだけどそれでも早足になるのを抑えきれずに家への道を急いだ


悠輔君にメールしなきゃ。

最初の文面はどうしよう、あんまり長かったら嫌がるよね

でも、あんまり短いのも味気ないし

薫ちゃんにもお礼のメールしないと


今日の日記は長くなりそうだな

なんだか心なしか夕日に染まる帰り道も私を祝福しているような気がした

いかがでしたでしょうか?

光視点と桜視点、うまく心情を表現できていたか不安です


次回はまた悠輔視点に戻る予定です

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