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今回は相当短くて申し訳ないです。
「そういうことなので、忙しい時期ではありますが二日間休みが欲しいのですが」
「ふうん。高校の同窓会ね。君の母校はどこだっけ」
「あのう……地方にある全寮制の男子校です」
「もしかして……超進学校のあの学園?僕……あそこを受験しようと思ったけど辞めたんだよね。どうだった?在校生としての感想は」
「楽しかったですよ。今でも同窓生とはやり取りがありますし」
「君想いマカロンの発売イベントには間に合うのだろう?」
「もちろんです。休みの間は里美さんと誰かでお願いしてもいいですか?」
「まあ、澤田君は普段休みを申請しないから別にいいよ」
「すみません、ありがとうございます」
「あの学園は本当に多彩な人材が揃っているよね。君の前職もその最たる所だよね」
「そうでしょうか?」
「まあ、いいよ。行っておいでよ」
「ありがとうございます」
僕の同窓会のための休暇は思った以上にあっさりと了承された。行く事を渋られるのかな……なんて思ったけど、普段の僕は有給消化をほとんどしていない。そんな僕が珍しく申請したのだから、すんなりと受領されたのだろう。
「そう言う訳で、里美さんには申し訳ないけど、君想いマカロンの発売直前の週末に僕は休みを取りますので対応をお願いできますか?」
「大丈夫ですか?私でも」
「マカロンの方は、ふう一人でも対処できます。太田さん達には僕の方からお願いしましょう」
「それと残りのメンバーはどうしますか?」
「なるべく僕がいない日にスケジュールを外す様にします。ふうだけは単独で動けるようにして下さい」
「分かりました」
僕の休暇が受理された日の夕方。僕は同じマネージャーを担当している里美さんを呼び出した。通常は事務所待機でスケジュールを調整してくれているのだが、この二日間は彼女メインで頑張って貰う予定だ。
「でも、大丈夫でしょうか?」
「どうして?」
「年末だからです」
「年末進行の収録はほとんど終わっていて、生放送の出演くらいだろうからそんなに神経質になることはないよ。あいつ等に任せても大丈夫だから」
「分かりました。携帯の電波が届くところにいるのですよね」
里美さんは過剰な位に心配をしている。
「多分大丈夫だと思う。困ったらメールしてくれたらいいから」
「はい、分かりました」
何とか、同窓会の休暇をもぎ取る事に成功したのだった。