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プロローグ
あのビビットマネージャーの澤田さんがメインの話が出来上がりました。
「澤田君か……君、僕のオフィスで働く気はないかい?」
「はい?」
体調を崩して、霞が関で公務員を辞めた僕がそろそろ仕事をしようと思い初めて訪れたハローワーク。
無事に登録も完了できてホッとしながらハローワークの入り口を出たところで柔和そうな男性が僕に話しかけてきた。
「君、今って休職中?それとも求職中?」
「今は……求職中ですけど」
聞かれた事をすんなりと答えた僕にその人は僕の腕をがっしりと掴んで上記のセリフを言うのだった。
この日……僕は社長に拾われて、国家公務員から現職の芸能事務所のマネージャーに転身をするのだが、あの頃の自分がいたら声を大にして言いたい。
「他にも仕事があるのだから、知らない人についていかない」
そう、今なら『いかのおすし』と言えるのに、あの当時の僕にはそんな重要な事がすっぽ抜けていたのだ。
あの日を境に僕の生活は大きく様変わりをするのだ。
彼の高校生時代のお話は、春隣豆吉さんが担当しております。そちらもよろしければお読みください。