再会の日の出
フォレルは走った
少し向こうから太陽の明かりが見える
「……っ」
早くあの石碑を見せなくては……
それだけの思いで走った
もう3時間は走り続けている
「あと…少し」
のはずだ
本部まで
しかし、疲労はピーク
足元から崩れ落ちた
「っ…この…」
「フォレル!」
「!?」
声のした方を向く
泥だらけのレイルが走ってきた
「レイル…?!」
「このバカ!心配したんだよ!
勝手に出てかないでよ!どれだけ…
どれだけ…フォレルが消えたらって
思ったときの皆の気持ちをかんがえないの!」
ボロボロと泣き出す
初めて見た
レイルがこんなに悲しむのは
「…ごめん、レイル」
ギリギリで座れた
「っ…うわぁぁぁあ!」
余程悲しかったのかずっとなき続ける
「………」
フォレルにはどうすることもできなかった
レイルの耳から無線を外す
「リュリィさん?俺です、フォレルです」
「フォレル!?心配したのよ!
今、ティアル達が向かってるわ
もう少しの辛抱よ」
そしてこういった
「もう…もう二度とこんなことはしないで…!」
少し鼻声だった
「…ごめんなさい」
時々、無線の奥から、うっ…うっと
声が漏れる
心が痛んだ
「フォレル!」
「!!」
ティアルとイツラがいた
「このバカ!どこいってたんだよ!」
「心配したんだぜ?特にこいつとレイル」
イツラがティアルとレイルを指差す
「な?これでわかったろ?
お前、レイルから聞いたが
あの種類変化生物のことは気にしなくても
いいんだ、これは全員で片付けるものだからな」
「…はい」
うん、とイツラは笑った
「よし!帰ろうぜ!」
「そうするか」
「フォレル」
泣き止んだレイルがフォレルを止める
「こっちも悪かったけど…」
もうどこにも行かないでね?
「………わかったよ」
石碑のことはあとにしようかな…