困惑
「レイル、どうでもいいが少しどけ」
ミッションから帰って来て健康診断をしたあと夕食を食べに行こうとドアを開けたら
レイルが飛び込んできた
そして今、押し倒されている
「やだ、ねぇ。フォレル、あの未確認生物
は何?普段からそんなに勉強しない私でも
あれは見たことがないってことぐらい
わかるんだよ?」
「だからそれは…」
「しらばっくれないで!何で教えて
くれないの!?」
「少し黙ってくれよ!俺だって…、俺だって訳がわからないんだよ!それなのに…
教えてくれなんて言われても困るんだよ!」
ドンッとレイルを押し、窓から外へ走る
「フォレル…!?」
聞こえたのは大声をあげるレイルの声だった
「はぁ…、はぁ…」
まずいことをしてしまった
レイルを突飛ばしたのもそうだし
何よりも武器を持っていない
「無線…」
はずしてきてしまった
「…っはぁ…、なにやってんだろうな」
あんなに剥きにならなくてもよかったのに
レイル、どうしてるかな…
ゆっくりと月が顔をだし周りを見渡す
近くには種類変化生物はいない
ひとまず大丈夫だ
「…アリアは死んでる」
そう、それは本当だろう
何よりアリア自身が死んだと言ったのだ
間違えない
「アリアたちを殺したのが種類変化生物で、操っているとするならあの未確認生物はミィティラーだ」
その進化種だろう
しかしデータベースにはあんな進化種は
なかった
もしいたらリュリィさんか隊長が
言うだろう
けれど言わなかった
むしろ知らなかったのだろう
「…訳がわかんねぇ」
俺もリュシュクル家の一族なのに…
「何で知らねぇんだ…?」
何にも役にたててない…
隊長達は俺たちでも分からないからな
と、いってくれるだろうが
これは俺が一番役にたたなければ
ダメなことだ…
「なんなんだ…」
ゆっくりと月が隠れていく…