深まる謎
ゼロロクサムはすばしっこくなかなか
倒しにくい
「行ったぞ!レイル!!」
「まかせて!」
二人だけなのでそこそこ作戦を練らないと
強力なダメージを与えられない
「キャウ!キュウウ!」
ゼロロクサムは外見が狐に似ており
声も狐だ
「!!接近攻撃だ!構えろ、レイル!」
「いったぁ…」
左の二の腕に3本の傷がつく
「レイル!」
「あと、少しで別部隊到着です!
レイル、それは毒攻撃です。薬を…」
「ポーチが…」
攻撃にあたった拍子にポーチも取れたのだろう、遠くに飛んでいた
「俺がなんとかします!」
「ゼロロクサムの毒はすぐに回ります!
相手の動きを止めてからすることを
おすすめ致します!」
とは、言われたが実を言うと持ってない
今回は不動薬(スタン弾)を
持ってくるのは基本的にはダメで
もとよりスタン弾はもう使ってしまった
「くそっ…」
一人はなかなか辛い
相手はずっとこっちを見てるし
レイルに近づけない
「リュシュクルの一族なんだから…」
アリアみたいに種類変化生物を
扱うことは出来ないのだろうか
「…、ダメだ」
もし使えても人類の敵とみなされるかも
知れない
「ううぅ…!」
どんどん毒が回り、レイルはほとんど
前が見えない状態だ
「レイル!気をもて!レイル!」
「あと30秒!耐えてください!
レイル!フォレル!」
30秒?ダメだ、間に合わない
「レイルー!」
がむしゃらにゼロロクサムへ突っ込む
リュリィが止めてくださいと言ったのだが
そんなこともお構いなしに
そして一瞬前が光った
「…ぐぉおおおお!」
「!?きゃうううぅ!」
また、あの種類変化生物
未確認生物だ
ゼロロクサムを足で蹴りフォレルの前にたつ
「………!」
レイルの隣にアリアがいる
「!アリア…」
───ダメだよ、お兄ちゃん
スッとレイルの頭の上に手をのせる
「なにする気…!」
───手当てよ
間違えない、この声この姿
「…何で生きているんだ?!アリア…、
お前は…!死んだはずなのに…!」
アリアはそう言われるとレイルに
毒消しを飲ませたあとこっちをみた
───ええ、私は死んだよ、お兄ちゃん。
でも、私はすることがあるから
そう言ってアリアは消えた
未確認種類変化生物と共に
「………、レイル!大丈夫か!?」
「う、………あ、フォレル?」
いててててと起き上がる
「ねぇ、あの女の子がフォレルの妹?」
「それはまた今度な」
ティアルとイツラ、ニイリアを乗せた
搬出班が二人をむかえにきた