7.邂逅
その背にまたがる男は黒いマントに黒いボーラ―ハット、銀髪を胸まで垂らし、白い馬は婦人用のガルボハットの下から真っ白なたてがみを揺らしていた。
木々は男の両脇でお辞儀するように道をあけた。頭上の夜明けの空は暗幕を畳み、降るような星々は朝の光に溶けはじめていた。
森に跪かれるようにして姿を現した男を、タロスとキサラは声もなく出迎えた。
「ダリダ」
キサラのつぶやきを、タロスは聞き逃さなかった。夫の名は知らなかったが、様子でそれと分かった。
男は黒い帽子を脱ぐと、凪いだ湖面のような口調で言った。
「探しましたよ。その男のことはあとにしましょう。奥方よ、どうぞここへ。フラフの元へ」
キサラは小さく身を震わせると、その身にトーガのように勿忘草の布を巻き付け、静かに夫の元へ歩み寄った。
タロスの脳裏に、告解室で自分に答えた神父の輪郭が浮かんだ。この声。この姿。よくは覚えていないが、間違いない。
「お前は」拳を握りしめて前に出ようとすると、
「きみのことはあとだといった」ダリダは静かに、けれど有無を言わせぬ口調で言った。
ダリダは妻を目の前に立たせると、眼前でフラフの帽子を取り上げた。
白い角があらわになった途端、フラフの目に炎のような怒りがともり、身をよじらせて立ち上がった。
激しいいななきの声を上げ、高く前足を上げて首を振り回したと思うと、今度は頭を下げて角をキサラに向ける。今にも眼前の少女を突き殺そうとするかのようなフラフの前にタロスが飛び出し、その角を掴んで動きを封じた。
ダリダは手綱を引きその角に帽子をかぶせた。途端にフラフは目隠しをされた猫のようにおとなしくなった。
「どうやら遅かったようだ」
ダリダは冷ややかに言うと、フラフの首を軽く叩き、その背から降りた。
キサラは目を閉じた。
ダリダは二人の前に立ち、次にキサラの足元に目をやった。
「その男の望む姿になったわけですね」
憐れむような口調だった。キサラは目を開けて、震えながら目の前の夫を見上げ、唇を開いた。
「どうぞ、裁くならこのわたし、わたしひとりの身にしてください」
「彼が誰か知ったうえでのことですか」
「お前こそ誰なんだ」野太い声でタロスが割って入った。
「おれが見たときは神父。キサラの前では横柄な亭主。あるいは薬師、魔法使い。それとも狼か? あの湖でおれと一緒にキサラに溺れたか?」
タロスは顔を紅潮させてひとつ大きく息をつくと、ゆっくりと言った。
「それとも、お前は天の意思を持つものか」
ダリダはタロスのほうを向くと、彫刻のような上半身の筋肉をみつめた。
「キサラが巣を編む天の蜘蛛ならば、神も世界というレースを編んでいる。
だが天の意思はひとつではない。だからこの世は歪んでいるのです」
「ひとつではない」タロスは繰り返した。
「なるほど。ではおまえは天の、できそこないの神の眷属の一人だとでもいうか」
「ただの好事家です」
ダリダは開けてゆく空の高みを眺めた。
「好きなものしか集めずに生きてきた。長い長い時を」
「集める?」
「最も美しいものほど、人間から遠い」ダリダはキサラの足をまた眺めた。
「なのに、愚かなことを」
タロスはダリダの冷たく整った顔を睨みつけた。
「おれは美しいものを集める趣味はない。ひととして生まれ、ひととしてキサラを愛した、それだけだ。
キサラが人の姿であることを喜んで何が悪い。それがこの世の幸いであるならそれを願って何が悪い。少なくともお前の悪趣味よりはましだ」
ダリダは小さくため息をつくと、言った。
「確かに。この世はわたしの愛する者たちが生きていくには残酷すぎる。そして、きみのような正直者にも」
なにか憐みのような表情を湛え、ダリダは続けた。
「きみの母親も正直者だ、息子を思うゆえにわたしに薬をねだった」
「親の話はするな」声を重ねてタロスは話を遮った。
「どういう薬なんだ。これからおれはどうなる」
ダリダは手にした乗馬鞭を地面に立てるようにして言った。
「何もかも忘れられる薬、幸せになるための薬。
副作用もある。一度消えた記憶を取り戻せば命を持っていかれる。
きみは夢から出たいと叫んだ。もうじき出られる。そして永遠にいまのきみには戻らない」
タロスは気が遠くなるような思いに、そのまま黙り込んだ。
「わたしはどうなの」隣でキサラが言った。
「わたしもいっしょについていけるの?」
「あなたは苦しんで生きることを選択した。忘却の薬はそういうものの手をとりはしない」
キサラは薬を吐き戻した自分の喉を押さえた。
「もう一度聞く」
今までで一番低い声で、タロスは言った。
「お前は神の眷属か」
「自分の所属は知らない。夜明けとともにこの世にいて、長い一日が暮れていくのを見てきただけだ。それもじき終わる」ダリダは冷ややかな声で言ったあと、自嘲めいた笑いを漏らした。
「こうも考えられる。原初の昔、地上の綺羅綺羅したものに興味を惹かれて天から落とされた堕天使が、罰として魔法使いに身を落とし、長いときの鎖につながれた。地上を旅する権利の代わりに、天への道を封じられた。そういう仮説も面白い」
「……なるほど」
タロスはゆっくりとかがむと、履いていたマウンテンブーツの内側から鈍く光るものを取り出した。
「天から来たものなら、天に戻しても罪にはならない」
細いナイフを持った手を高く上げたと思うと、次の瞬間空中がひらりと光り、そしてダリダの腹には深々とナイフが刺さっていた。
「役立たず」
呆然と自分の腹を見つめるダリダに向かい、タロスは吐き捨てるように言った。
「おれとキサラを、同じ女から産ませ、出会わせ、そして愛し合わせた。その天の使い。この世で一番憎いのは、お前らだ」
ダリダは長い指で自分の腹に触れた。赤い血がべっとりと、その掌についた。
「痛いか。初めての味わいだろう。人間はもう長いことこんなことばかりしてきたんだ、あんたらのおかげでな。何が天使だ。世界とともに滅びるがいい」
タロスは二つ目のナイフに手を伸ばそうとした。キサラはタロスにしがみつき、両手を封じた。その目の前で、ダリダがどんと膝をついた。
「おい、気取り屋。神なら死んだふりはなしだ」タロスは嘲った。
「誰が神だなどと」ダリダは腹を押さえながら言った。「そうであれば自分の身一つ、なんとでもできたのに」
フラフは首を振りながら、しきりに飼い主に顔をこすりつけた。
「ひとつ予言を残そう。……その娘は、おまえのものにはならない。なるべきものになる」
ダリダは苦しい息の下で言った。それから口の中で小さくつぶやいた。
「……ようやく、か」
目の前で仁王立ちしたままのタロスを見ながら、ダリダは続けた。
「タロス、お前に感謝しなければならないかもしれない。
どんな刃物もこの身を傷つけることはなかった。だが今度こそ、やっとこの世の軛から解き放たれる時が来たようだ。
なにかおいていかなくてはならないのがこの世のならわしなら、残されたものの負担の軽いすがたにしておいてやろう」
キサラは倒れていくダリダの前に跪いた。そして、胸の前で手を組んだ。
「わが夫よ、わたしはあなたを裏切りました。心から謝罪します。でも、わたしはおろかなこの世の住人です。あなたの正しさとは、共に生きられません」
緑の瞳は涙に揺れていた。前かがみになったまま、ダリダは少女を見つめて言った。
「……いいのだ。あなたを選んだことに、悔いはない」
それから目を細め、二人の顔を見やり、今までで一番優しく穏やかな声音で言った。
「もうあまり、時間がない。
残された時間、きみたちが、ともに、許されて、あることを……」
男の全身から力が抜け、マントに絡まるように、そのまま地面に転がった。
シリウスの色の瞳は閉じられ、顔が蒼白になると同時に、地面に置いた指が広がった。
そしてまるで砂糖菓子が溶けるように、そのからだ全体が粉のようにはらはらとほどけ、地に吸い込まれあるいはそよ風にさらわれて、みるみる消えてなくなった。
あとに残されたのは、中央が膨らんだ黒いマントだけだった。
キサラがしゃがんでそっとマントをめくると、その下には腹から血を流したハイイロオオカミが横たわっていた。
うっすら開いた瞳は、冷たい星の色をしていた。
次にキサラは、傍らで震え続ける弟を見やった。
荒ぶる魂の愛しい男は、今や小山のような体で地に跪き、両手で自分の胸を抱くようにしていた。
「時が来た」タロスは押し殺した声でつぶやいた。
キサラはダリダの背負っていた荷をあけ、中から、苦労して小さな石を一つ、見つけ出した。
そしてそれを、タロスの手に握らせた。
「これを持っていて」
「これは?」
「セレナイトよ。不安や憎しみやかなしみを浄化してくれる石」
震える掌に石を握りこむと、落ちてゆく瞼に抗いながら、タロスはキサラを見つめた。
「きみの名は、キサラ」
「そうよ」
「キ・サ・ラ」一語一語区切るように、タロスは言った。
「わたしはここよ」
「忘れてしまうのか」
タロスは食い入るようにキサラの顔を見続けた。汗が次から次へとその顔を流れ落ちた。
「忘れてしまうのか、なにもかも。忘れたくない。たとえ、地獄の恋でも」タロスはぎりぎりと歯を食いしばった。
「タロス、わたしを見て。わたしはここにいるわ」
「頭の中に霞がかかっていくようだ」
キサラはタロスの大きな手を握りしめた。
「忘れるなら、ひとつだけ。きみが姉だという事実だけでいい。おれは卑怯なのか。だからおれは滅びるのか」
タロスは震えながら手の中の石を握りしめた。
「きみにばかり苦しみを負わせて、おれは去る。きみは忘れない。おれは忘れてしまう」
「タロス、もう苦しまないで。なにも考えないで」
「キサラ。ぼくは祈る。きみの苦しみのために、この救いのない世で苦しみの記憶とともに生きる、きみのために」
「愛しているわ、タロス」
ふたりは手の骨が砕けるほど固く手を握り合い、互いにしがみつくように唇を重ねた。
温度の違う互いの血が、思いが、それぞれの胸の中をほとばしるように駆け抜けた。
緑の瞳は揺らめいて、いつか眼前いっぱいの緑の草原にかわっていた。タロスはうっとりと、その草原を見はるかした。
幼いころ走った花畑。そっと見つけた緑の泉。友達と登った木々。
幸せだった。外の世界のことは何も見えていなかったから。
草原を走る幼い自分の姿が、目の下に見える。
転ぶ。起き上がる。
その手を取って、少女が自分の身を起こす。
愛しいきみ。そんなところにもいたのか……
眼前の緑の瞳はゆらりと揺らめいたと思うと、房の付いた幕を下ろすようにゆっくりと瞼を閉じた。
少女の体がすっと自分から離れた。波打つ金髪は四方八方に広がり、体に巻いた布に描かれた勿忘草が一輪一輪、目の前で布から飛び去った。
高いA音の声が一直線に耳を貫き、悲鳴かと思ったそれは歌のように抑揚をつけて森を駆け抜けた。夜明けの鳥たちの声がそれに続いた。やがて歌は一つの祈りになり、タロスの中に流れ込んだ。
……タロス、わたしを見て、見続けて。
名前なんて忘れてもいい。その目に映るものだけが真実なの……
柄を失った白い布は少女の体の周囲ではためき、かと思うとばらばらにほどけ、細かい羽毛となって飛び散った。少女は両手を広げて羽毛の中で光り輝き、やがてその手全体が飛び散った羽毛にまみれ、さあっと音を立てるようにして長い羽根が次々と腕から伸びていった。
ああ美しい、と、タロスはうっとりと思った。
……なんて美しい光景なんだ。
すんなりとした足は太ももまでが白い羽根の中に隠れ、その先は枝のように細く伸び、先端は小さな爪となった。
全身が白い鳥の姿になったと思った次の瞬間、その姿は天から降りてきた白い繊細なレースに十重二十重に包み込まれ、ふわりと空中に舞い上がった。
そしてゆっくりと旋回しながら、白いオーロラのようにゆらめき、広がり、天空に吸い上げられていった。
夜空の星たちは一斉に青く白くまたたき、と同時に、千のオルゴールを一斉に鳴らすような美しい音色が天から降り注いだ。
タロスはゆるりと瞳を閉じた。
やがて何度も何度も繰り返したいとしい単語が、頭の中で星のように瞬いて、きらきらと飛び散った。
そしてすべては、深く、おだやかな、幸せな眠りの中に溶けこんでいった。
――― エピローグ(カタリーナ・ピケの証言)―――
祖父についてお話しするなら、まず、大きな人だった。死ぬまで大きな人だったと、それが最初にきますね。お笑いになるでしょう、誰もが知っていることですから。
若いころは乱暴者だったと語っていましたが、わたしにはただ優しい祖父でした。
知事を引退してからはよく、膝にわたしを乗せて童話を読んでくれたり、神話を聞かせてくれたり……
名前のいわれとなったタンタロスについてもよく聞かされましたね。
人間と神の混血とも言われていて、神々の饗宴にも呼ばれ、権勢をほしいままにする。でも増長して神の能力をためすようになり、神々の逆鱗に触れて冥界に落とされ、永遠に飢え乾いたままという罰を受ける。
どうしてわが子にこんな名をつけたのかと父親に聞いたら、ちなんだのはそっちじゃなくて青銅の巨人、タロースのほうだとごまかされたと言っていました。まあ母親は自分に、名前と力のある権力者になってほしかったようだと。
その通りになったわよねと言ったら、その大元はあまり思い出したくないのだと表情を曇らせました。そこに話が行くと、いつもそうでした。
暴れ者だった祖父が勤勉になるきっかけは、犯罪をおかして僻地の山中に隠れていたころ、母親を心痛で亡くしたことだそうです。
何しろ酒と薬で頭をやられていたらしく、逃げ隠れしていたころの記憶がないのだという話でした。残された事実は、母親が死に、父親が苦労のあまり体を壊したということ。
それからはみなさんご存じのとおりです。ひたすら勉学に励み、名門大学を出て、史上最年少で州知事になりました。
でも当時、そう、祖父が逃亡していた森から意識朦朧で帰ったころ、世界中が緑の絨毯に進撃され始めたと聞きました。悪夢の深緑と言われていますね。
ありとあらゆる樹木が、コケが草花が、絶滅危惧種が、砂漠に芽吹き、ジャングルは増殖し、都市を侵略し始めた年。緑が復活したなんてものじゃない、建物を土台からひっくり返す勢いで、それはおそろしかったと。
鳥の形をした発光物体が、いくつも天に向かって登っていくのが観測されたのもこのころですね。それでひとびとは、この世はついに天使たちから見放されたのだと恐れおののいたと聞きました。市民はみなこぞって教会に通い、ひたすら祈りをささげたものだと。
神なき年、と後に呼ばれた一年です。
それからの祖父の功績については、わたしより皆さんがご存知でしょう。 祖父は、技術を結集して深い運河を堀り、都市を囲んだ。その運河の外側で、緑は止まったのです。
消毒剤や駆除剤で市民ごと被害をこうむったほかの都市と比較して、本当に平和的なやり方でした。それで祖父の名声も一段と上がったのです。大統領からの感謝状やメダルなど、今でも居間にたくさん飾ってあります。
祖母と二人、この広大な家で過ごしていた晩年、祖父はとても穏やかな日々を過ごしていました。
夕方になると裏庭のセドロの木の下の椅子に座って、下界と運河を見ていました。その広い背中には、なんだか途方もない孤独が宿っているようにも見えました。
わたしがよく覚えているのは、美しい鳥のことです。
白い鳥が、どんな図鑑にも載っていない真っ白な、レースのような尾を持った鳥がときどきセドロの木に来て、えも言われぬ声で鳴くようになったんです。
来始めたのは、祖母を亡くした年あたりからでしょうか。
祖父は餌台にオレンジやリンゴを置いて、その鳥の訪れを楽しみにしていました。天空に届くようなチュインチュインという歌声、クルルルルという囀りを聞くと、目を細めてうっとりと聞き入っていました。
でも、いくら調べても、鳥の名前はわかりませんでした。
祖父はしばしば額に手を当てて、名前がここまで来ている、でもわからない、と苦しそうにつぶやいていましたね。
知っている鳥なのと尋ねたら、確かに知っていると。どこで見たのかはわからないけれど、確かに知っているはずだと言うんです。
でもわたしが、名前なんてわからなくても、こんなに綺麗でいい声なんだからそれだけでいいじゃない、というと、お前はほんとうにいい子だ、と頭をなでてくれました。
そして、わたしはある日、ついにその名前を聞いたのです。
当時わたしは16歳。祖父の、タロス・ピケの、80歳の誕生日の前日でした。
いつにも増して赤々とした、燃えるような夕空の下で、祖父と一緒にお茶を飲んでいたんです。すると、あの白い鳥が来て、木から木へ飛び移りはじめました。
ピンピンピンピンと、今まで聞いたことのない声で囀っていました。
突然、祖父は目を見開きました。
そして、はっきりとある名前をつぶやきました。まるで、口からその言葉が出たのも信じられないといった様子で。
なんというか、きらきらとした名前でした。
そのあと祖父は、何か思いつめた様子で、しばらく夕空を見ながら呆然としていました。
いつの間にか、鳥はいなくなっていました。
どうしたのかと聞くと、小さな声で、散歩に行ってくる、とだけ言いました。
そうして、愛用のステッキを取って立ち上がり、中折れ帽子をかぶりました。
最後にわたしの頭を撫でて、幸せになるんだぞ、と言ってくれたんです。
はっきり覚えています。その目には、涙が光っていました。
それからのことはみなさんご存じのとおりです。
祖父は二度と戻りませんでした。
あれから10年もたちます。たぶん、生きてはいないでしょう。
運河に落ちたか、都市を取り囲むジャングルに迷い込んだか、それはだれにもわかりません。
ですが、わたしには、わたしが聞いたその名前と、涙と、幻の鳥を追うようにして夕暮れの風景の中を遠ざかって行った祖父が、何か神話の登場人物のように思えて、
ああ、父はあの名に導かれて永遠の世界に行ったのかなあと、そんな風に思えて仕方がないんです。
たぶん、悪いところではないのでしょう。
ここよりも、かなりいいところなのでしょう。
わたしは勝手にそう確信しています。
鳥の名前ですか?
言わないでおきます。
たぶん死ぬまで、この胸にしまっておくでしょう。
どうしてかわかりませんけれど、そのきらきらした名前は、わたしの口から外に出してはいけない、祖父から渡された大事な大事な宝もののような気がしているからです。