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悪魔

作者: 化粧水

朽ち果てた教会に、

月の光が射し入っている。



聖域――



ブラック神父は礼拝堂に足を踏み入れた。

カツカツと自らの足音だけが、静謐な空間にこだまする。

「…」

神父は十字架を見上げて目を細めた。

十字架の上空に黒い靄がかかっているのだ。

静けさを破って、けたたましい笑い声が鳴り響いた。

「よう、ブラック神父。久しぶりだな」

「…デーモンよ」

神父は悲痛な顔を悪魔に向けて小さく呟く。

「デーモンよ、何故、お前は」

「おっと、何を言っても無駄だぜ。俺は悪魔だ。憎悪と虚無と破壊の申し子」



黒い靄が人の形に変わって悪魔ルシフェルが姿を現す。



「私はお前を、救えない」

神父の声は苦渋に満ちていた。



「ははっ、救ってくれなくても結構さ」

悪魔はクククッと笑った。



神父は主よ、と囁くと悪魔に向かって揺るぎない視線を送った。



ふたつの黒い影は、蒼い月明かりの下で睨みあう。



硬質な時が過ぎていく。

決して相容れることの無い、二極の象徴。

朽ち果てた聖堂は、

静寂のみが支配している――

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― 新着の感想 ―
[良い点] おおおおお、不思議な話!!! [一言] 難しい話ですが、不思議な感じがしますね。 これからどうなるのか気になりました
2011/12/15 07:56 退会済み
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