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太陽なき世界のアストロ  作者: 夕凪


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6/8

急襲

 Noah Reactorの倉庫に運び込まれるトラックは十四台。Dead Skyのものだとはわからないように、偽装してある。採掘場は都市から離れた場所にある。辺りに広がるのは暗い荒野だ。黒雲の影響で、植物は生えていない。


「…こちらアストロ。トラックを発見した。」


 アストロがバイクで走りながら、ポラリスへ通信を繋ぐ。


「…偽装していても、俺の目から逃げられることはない。」


 通信から、レイヴンの声が聞こえる。レイヴンは偵察用ドローンで採掘場の様子を確認していた。トラックにルミナイトが積み込まれているということは把握済みだ。


「こちらオリオン。準備完了。まきびしをばらまいておいた!すっ転んだところで強奪だ!」

「…くれぐれも、安全に、的確にな。」


 ポラリスの忠告に、アストロとオリオンは頷いて返事をした。今回の作戦は、アストロとオリオンが現場でトラックを急襲。ポラリスが全体の指示をし、レイヴンがドローンで援護をする。


 何も知らないDead Skyのトラックが、オリオンの仕掛けたまきびしに近づいていく。オリオンはトラックが来たことを確認し、カウントを始めた。


「アストロ、来たよ!5…4…3…2…1…」


 次の瞬間、トラックが勢いよくまきびしの上を通過した。タイヤがパンクし、トラックは制御を失う。驚いた運転手たちはトラックを急停止させる。後方のトラックも停止し、状況を確認しに降りてきた。


「これは…!!」

「敵襲だ!!戦闘員はあたりを警戒しろ!!」


 構成員たちはまきびしを確認すると、すぐに騒ぎ始めた。トラックに潜んでいた、武装した構成員が辺りを警戒する。


「…これより、戦闘を開始する。バトルシステム起動。」

「よーし、やるか!バトルシステム、起動!!」


 アストロとオリオンのバトルスーツが起動した。バトルスーツは攻撃から身を守る他、戦闘を補助する機能が備わっている。これも、ZERO戦争によって生まれてしまった産物だ。


 アストロのバトルスーツは、Helios Arms-Battle Suit System Luna。

 HA-BS-Luna 01はシンプルなモデルで、薄型の装甲だ。軽量化を重視し、素早い移動が可能である。バトルスーツ自体に武装はなく、AIの予測機能や探索機能が備わっている。


「いたぞ!敵だ!!殺せ!!」

「バトルスーツ持ちか!!奪っちまえ!!」


 構成員たちはアストロに向かっていく。アストロの視界に表示されるのは、構成員の武器と予測。どれだけの武器が、どのタイミングで、どの順番に攻撃されるのか。すべてが表示される。


 アストロは攻撃を交わしながらNoctisを放つ。AIといっても予測であるため、多少は被弾する。その部分を、アストロの()()()()()()()()でカバーする。装甲に掠る程度で避ける。これは、アストロだからこそできる至難の業だ。


「はぁぁぁぁ!!」


 一方、オリオンは敵を殴り飛ばし、蹴り飛ばしている。

 オリオンのバトルスーツはHelios Arms-Battle Suit System Hero。HA-BS-Hero 01は中重装型で、徒手格闘を想定して設計されている。


 装甲はやや厚く、拳部分と脚部分には強化フレームが取り付けられており、高出力の攻撃が可能となる。外見はその名の通り、SF漫画に出てくるヒーローだ。


「こちら輸送班!ルミナイト輸送中に襲撃にあった!応援を頼む!!」


 構成員がトランシーバーに向かって叫ぶ。Dead Sky本部でも混乱しているようで、複数人の声が響いている。この喧騒の中、一人の男が無言で通信機を取った。


「…すぐに向かう。」


 その一言の後、通信は遮断された。構成員たちは応援が到着するまで持ちこたえる作戦に切り替え、そのまま戦闘を続行した。


「…数が多いな。」


 レイヴンがそう呟いた。上空からドローンで見る限り、構成員の数が一向に減らない。既に二十人ほどが戦闘不能となっているはずだが、構成員は止まることがない。


「まずいな…長期戦になれば応援が来てしまうだろう。アストロ!オリオン!輸送車を運転しろ!二台だけでも持ち帰れ!」


 ポラリスは戦闘が長引くことを恐れ、新たな指示を出した。アストロとオリオンは運転手を運転席から引きずり下ろし、トラックを運転した。逃げる途中、数名の構成員がトラックにぶつかるが、構うことなく進んでいく。


「よーし。ルミナイト確保完了!!」


 追手は来なかった。アストロとオリオンはそのままアジトへ向かう。


 その時、道路の真ん中をゆっくりと歩く影が現れる。後ろで縛ってある髪が風に揺らぎ、どこか不気味だった。アストロとオリオンはトラックを停車し、降りた。


「…何者だ」

「…貴様らが我々のルミナイトを狙う盗人か。」


 男は、アストロの問いに答えない。腰にゆっくりと手を伸ばし、二本のレーザー刀を取りだした。赤く輝く二本の刃が、暗闇の中で揺らぐ。その様は、かつてこの国に存在した、武士を彷彿とさせるものだった。


「我々の資源を狙うとは愚かな…その命、頂戴するとしよう。」


 男は突然襲い掛かってきた。アストロは冷静にレーザー刀を避けていく。しかし、男の技量は高い。アストロの装甲が薄い個所を見抜き、レーザー刀で斬った。


 アストロの装甲は焼き切られ、出血した。久々に感じる痛み。アストロは瞬時に距離をとる。この時、アストロは目を疑った。Lunaの予測が追いつかず、自身の目でも追えない一撃だったからだ。


「アストロ!大丈夫か!?」

「…平気だ、問題ない。」


 Night Watchのメンバーは驚愕した。アストロが出血することが極めて稀だからだ。攻撃が装甲を掠めることがあっても、装甲を貫通することはなかった。


「なかなかに緻密な動き…変わった目を持っていると見た。」

「…一筋縄ではいかないか。」

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