合格発表
合格発表の日。
朝、目が覚めた瞬間、心臓が強く脈打っているのが分かった。
(今日だ)
カーテン越しの光が、やけに白い。
洗面所で顔を洗い、 鏡を見る。
(大丈夫)
そう言い聞かせても、声は少し震えていた。
机の上には、沢山のノートとボロボロの参考書の山。
(ここまでやったんだから。)
合格発表の時間になる。
優希は、スマホを手に取った。
指が、少し冷たい。
画面をタップ。
——合格者番号一覧。
一つずつ、上から、ゆっくり追っていく。
(落ち着いて)
番号。
番号。
番号。
番号。
番号。
——あった!
一瞬、理解できなかった。
(……ある)
もう一度、見る。
間違いない。
「……っ」
声が出なかった。
胸の奥が、ぎゅっと締めつけられて、次の瞬間、息が詰まる。
(受かった...!)
その事実が、ゆっくり、身体中に広がっていく。
震える手で、メッセージを打つ。
〈あった〉
数秒後。
〈俺も〉
画面を見た瞬間、涙が溢れた。
理由なんて、分からない。
嬉しさも、安堵も、今まで我慢してきた全部が、一気に溢れただけだった。
その時電話が鳴った。
「もしもし」
『……受かったな』
碧人の声も、少し震えている。
「うん」
『本当に』
「うん」
二人とも、それ以上、言葉が出なかった。
沈黙。
でも、その沈黙は、今までで一番、あたたかかった。
初めまして。お読みいただきありがとうございます♪
白瀬翠と申します。
水泳部を舞台とした健全なストーリーが少ないと感じたので今回このような作品を執筆させていただきました。
皆様に楽しんでいただけると幸いです。
また、誤字・脱字、不適切な表現等がありましたらコメントで教えていただけると嬉しいです。
その他なんでもお待ちしております。
この作品が日々努力するあなたの背中をそっと押せるような一作となりますように。




