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第8話 彩りの新芽

この作品は、映像化を想像しながら書きました。

読んだ時にお好きな俳優さんや声優さんを当てて、読書をお楽しみください。

よろしければ、誰をイメージしながら読んだのかコメント欄に書いてくださると、きっと楽しいコメント欄になると思います。

 ピカピカに磨かれたカップたち、汚れひとつ無い小さなカウンター。光をきらきらと取り込む窓。決して広くはないけれど、店主の大切な店。ここは喫茶ブレイクタイム。

 この店には、みーという魔女もいる。みーは『特別なコーヒー豆』から作るコーヒーを注文したが、まだすべての豆が揃っているわけではない。彼女の話によるとあと3つ、その『特別な豆』を探さないといけないようだ。

 みーは魔女だから、普段は猫の姿で自由に過ごしている。みーのために作った棚の上で眠っていたり、光が差し込む窓辺で日向ぼっこをしていたり、今もそうしているようにひとつしかないカウンター席に人の姿になって座っていたり。本当の猫のように自由だ。

 みーの人間の姿には目を引くものがある。日の光の下では赤く見える豊かな巻き毛に白い肌、長く伸びる手足に見合う身長、目は夏の空のように青く、それなのにどこか日本人らしさも感じる顔。一度会ったら忘れられない、そんな言葉がぴったりの店主の最初の客だ。


「なに? さっきから」


 どうやらじっと見つめすぎてしまったらしい。女性をわけも無く見つめ続けるのは失礼に当たると思った店主は慌てて謝罪した。


「すみません。みーさんの言う、特別な豆から作るコーヒーというのは、一体どんなコーヒーになるのだろうと思いまして」


 嘘ではない。この前2つ目を見つけてから、ずっと考えていたことだ。みーの求める特別なコーヒーというのは、一体どんなコーヒーなのか。


「その時が来たらわかる。それにきっとその日も近いわ」

「なぜわかるのです?」

「ん? それはね、貴方がいろんな表情をするようになったから」


 みーは時々、こういういたずらっぽいことを言う。その時は決まって楽しそうに笑うのだ。まるで店主を子ども扱いする。


「百面相で悪かったですね」


 店主はちょっと仕返ししようと、わざと拗ねるように言ってみた。しかしみーには逆効果だったらしく、さらに喜ばせてしまったらしい。彼女は満足そうに、棚の上までひょいと上がって丸くなってしまった。薄く赤みがかった白い毛、ピンクの鼻、そして青い目をしたその猫は、ぱっと見どこに居るのかわからないくらい、お店に馴染んで溶け合う。

 店主は小さく息を吐いて、相棒たちを磨くことにした。この店は夕方からの開店で、OPENの看板を出してもう一刻ほどが経とうとしている。最近は夕日が沈むのも早くなり、「りりり、りりり」と外からの虫の声がよく響く。店の外に広がる田んぼに実った稲たちが、風に混じってさわさわと噂話をしているようだ。

 店主は普段、店の外の景色には興味が沸かない。扉を開ける度に景色が変わっていても店主は気づかないだろう。しかし、この季節のこの音はどこか懐かしい気持ちになるからと、店主はよく窓を開ける。せっかくだから扉も少し開けてもっとよく音が聞こえるようにしようかと入り口の扉を引いたとき、外に扉を開けようとした姿のまま固まっている女性が目の前に現れた。


「あ、えっと」


 女性は気をつけの姿勢に慌てて戻る。


「これは失礼致しました。コーヒーを飲んでいかれますか? 今ならお客様の貸し切りです」

「え、いいんですか?」

「もちろん、ここはそういうお店ですから」

「じゃあ、お邪魔します」


 客として入ってきた女性は店の中をゆっくりと見渡しながら入ってくる。店主は外に出してあるOPENの看板を裏返して、いつものように扉のカーテンを閉める。この店はカウンター席がひとつしかない、1人の客のための店。来店した客がひと息つくための店なのだ。

 客が席に着いたので、店主も少しだけ早歩きでカウンターの中に戻る。そうして客と向き合う形になってひと呼吸置いてから、店主は客にメニュー表を渡した。茶色い表紙の二つ折りのメニュー表だ。


「どれも見たことない名前・・・・・・」

「当店オリジナルの豆から作る、お客様のためだけの1杯となっております」

「へぇ、すごいこだわってるってことなんですね。お店もすごくお洒落だし」

「恐れ入ります」

「なんか、憧れちゃいます。そういう強い芯みたいなのがしっかりある人って」

「そんな大層なものではありませんよ。私は好きでやっていますから」

「好きなことがはっきりしてるって、すごいことだと思いますよ、実際」

「有難うございます。褒めるのがお上手なんですね」

「いえ! 本心ですよ!」


 客は慌ててメニュー表に顔を埋めてしまった。店主はなんだか微笑ましく感じて、つい顔が緩んでしまう。

 おずおずと客の目がメニュー表の端から出てきた。なにやら困っている様子。


「いかがなさいましたか?」

「あの・・・・・・すみません。どれを選んだらいいかわからなくて」

「お客様のお好きな物を選んでいただいて構いませんよ」

「それが、その。あたし、あんまりそういうの無くて」

「そういうの、と言いますと?」

「その・・・・・・好きとか、嫌いとか。これがいいとか。なんていうか、自分の意思というか」

「たくさんあって選べないということでしょうか」

「いえ、優柔不断とはまたちょっと違うんですけど・・・・・・。言葉を選ばないで言うなら、どれでもいいっていうか。自分で決められないんです」

「・・・・・・なるほど」


 店主は客の事情をなんとなく察し、なるべく失礼の無いように言葉を選ぶ。


「たしかに、どれを選んでもおいしいのは保証致します。もしよろしければ私のお勧めをお出しすることもできますよ。それか、好みを教えていただければそれに合う物をいくつかご紹介することもできます。いかがいたしましょう?」


 客は少し考えてから、メニュー表を先ほどよりは少し下げて、申し訳なさそうに注文した。


「オ、オススメでお願いします」


 客が罪悪感を抱かないよう、しっかりとした笑顔で注文を受ける。そして店主は、コーヒー豆を保管している地下の部屋へと下りて行く。しっかりと温度と湿度が管理された特別室の棚に、ずらりと並べられた小さな瓶。その中に詰まった豆たち。店主が心を込めて焙煎した豆たちだ。

 その中のひとつの瓶を手に取って客の元へと戻る。時間はさほどかかっていない。店主は早速、相棒に豆を入れて挽き始める。

 店主の相棒は小さい割に重量があり、見た目も古めかしいのだが、目の前で粉になっていく様を見つつ、その香りを楽しめるところが店主のお気に入りたる所以だ。『No.2』と書かれたこの相棒は、客がひと息つきに来るこの店にとって、なくてはならない存在なのだ。


「すごい。こんなコーヒーミル初めて見た」

「そうなんですか? それは寂しい限り」

「なんか、今のって密封されてるのが当たり前だし、どこのお店に行っても電動だから、こういうのがあるなんて知りませんでした」

「そうなんですね。この挽いているときの香りも楽しめるのが、私は好きなんですけど」

「たしかに、いい匂いですね」


 客と一緒に、香りを肺いっぱいに吸い込む。店主の好きな瞬間のひとつだ。そうして粉になったら、紙フィルターをセットしたドリッパーをカップに取り付け、粉を入れてお湯を注ぐ。

 少しずつ、焦らないのが肝心。焦って一度にお湯を入れてしまうと雑味が増すだけでなく、溢れてしまうことがある。粉の様子を見極めるのが大事だ。

 今回のドリッパーは真っ白な陶磁器製。店を始めるための豆を仕入れがてら、店主の好きが高じて色々なドリッパーも集め、その日の気分や客に合わせて選ぶようになった。

 先日の小さな客に使ったのはガラスでできた物だった。珍しくて思わず手に入れてしまったが、小さな好奇心の役に立てたようで店主は自分の選択に満足していた。


「さ、完成です。『(くれない)大樹(たいじゅ)』というコーヒーでございます。砂糖とミルクはお好きなだけ」


 客の前にできたてのコーヒーと、小さなミルクピッチャー、それからきび糖の入った小さなシュガーポットも出す。


「わぁ、有難うございます。ほんとに、赤いですね。赤茶色?」

「このコーヒーは酸味が強く苦みが優しいのでさっぱりと飲めるのが特徴です。それでいて口に残る酸っぱさではないので、お好みのまま、甘くしたりまろやかにしたりして楽しめるんですよ」

「すごいですね・・・・・・えっと、まずはこのまま飲んでみるのがいいですかね?」

「そうですね。一度ブラックで飲んでいただければ、お好みの加減がわかるかと」

「ですよね! じゃあ、いただきます」


 客がふうふうとコーヒーを冷ましながら、ゆっくりとカップに口をつけて傾ける。


「ん、ホントだ。どっちかというと酸っぱい。どうしようかな。砂糖とか入れた方がいいかな・・・・・・」

「それはもう、お客様のお好きなように飲んでいただいて構いません。そのコーヒーはお客様のためだけのコーヒーですから、誰も文句は言いませんよ」

「・・・・・・そっか・・・・・・えっと、どうしよう」


 客はたっぷり悩んでから、ミルクを少し入れて、シュガーポットを開けた。


「砂糖が茶色い!」

「こちらのコーヒーにはきび糖の方が合うかと思いまして」

「え、砂糖によっても味って変わるんですか?」

「左様でございます。お砂糖にも色々と種類がありますが、どれもそれぞれに味が違います。なので料理や好みで使い分ける方もいるのですよ」

「そう、なんだ・・・・・・みんな自分でいろいろ決めてるんだな・・・・・・」


 ぽそりと客は呟いた。


「さ、コーヒーが冷めないうちに」

「あ! そうでした。すみません」


 客はコーヒーにきび糖を1杯入れて、それから少し悩んで、もう1杯入れてゆっくりと混ぜる。コーヒーは綺麗に色を変えた。もう一度息を吹きかけてコーヒーを冷ましてから、今度は少し勢いをつけてコーヒーを飲んだ。客が目を丸くしてカップをソーサーに戻す。


「すごく、おいしい・・・・・・!」

「お口に合いましたか?」

「はい! これ、すっごく好きです!」

「お客様の特別な一杯をお楽しみください」

「え?」


 客は瞬きの間に姿を消した。何事も無かったかのようにカップの中は静かだ。


「さて。どんなお顔で戻られるか、楽しみですね。みーさん」


 みーは尻尾を一度だけ大きく振って返事をした。






 気づくと客は家の中に居た。でもここは客の家でも、実家でもない。ある男の実家だ。なぜ、自分はここに居るのかわからなかった。

 客はキッチンに立っている。テレビの前には男と男の両親が楽しそうに歓談している。なぜ、自分だけここに居るのかわからない。


「ほのかさん、夕ご飯はまだ?」

「え、あ、すみません。すぐ」

「まったく、どうして貴女っていつもそうなの?」

「まぁまぁ、そう言わないでやってよ母さん」

「ゆう君だってお腹空いたでしょ? こんなことならお見合いなんてしない方がよかったんじゃない? こんな売れ残り」

「たしかに歳は俺より少し上だけど、こうやって足を折った母さんの代わりにいろいろやってくれてるんだし」

「でもねぇ。ほのかさんの料理はちょっと味が濃くて。時間もかかるし」

「あ、それはたしかに。ほのか、早めに頼むよー」


 げらげらと笑うゆう君と呼ばれた男とその母親。なにも言わない父親。誰も手伝おうとはしない空気。ほのかは鍋の湯気に隠れて唇を噛んだ。

 祖母が突然持ってきた見合い話。先方がどうしてもって言うから行ってこいと言われ、断れなかった。蓋を開けてみたら案の定、どうしてもと言っていたのはほのかの祖母の方だった。祖母はいつもそうだった。

 子どもの頃からほのかの意思は尊重されない。勝手な会話も許されない。祖母の思う通りにしなければ、家の中にほのかの人権は無い。それを母も父も見ているだけ。ほのかは自分の味方をすることすら許されなかった。

 祖母が決めた学校、祖母が決めた友人、祖母が決めた習い事、祖母が決めた恋人、祖母が決めた結婚相手。ほのかに、NOという権利は生まれたときから与えられていない。

 ほのかはいつからか自分のことがわからなくなっていた。自分がなにを好きで、なにを嫌いで、なにをしたくて、誰を好きなのか。恋心さえ許されなかったほのかは、本当の恋を知らないままお見合いをした。

 意外と相手はほのかに好感触だったらしく、祖母が勝手に結婚の段取りを決めていた。ほのかの意思は聞かれていない。もうどうでもよかった。ほのかは祖母の操り人形に徹した。それが平和に過ごす唯一の方法だからだ。

 「お前の将来のためだ」というのが祖母の決まり文句。自分の将来なんてどこにあるのだろうか。

 そうして始まった結婚生活は、決して幸せと言えるものではなかった。男がほのかと結婚したのは、ちょうど足を折ってしまった母親の代わりが欲しかっただけなのだと知るのに、さして時間はかからなかった。

 義母ももうとっくに治っているはずなのに、一切の家事をほのかに押しつけて自分は好き勝手過ごしている。挙げ句の果てには自分たちが飼っていた犬の世話までがほのかの仕事になった。ほのかには座る暇も、ゆっくりと熟睡する時間も与えられなかった。涙が溢れた。

 どうしてこんな気持ちにならなきゃいけないんだろう。自分ってなんなんだろう。一体、これは誰のための人生なんだろう。


『そのコーヒーはお客様のためだけのコーヒーですから、誰も文句は言いませんよ』


 どこかで聞いた台詞がほのかの耳の中でこだました。自分のためだけのコーヒー。どう飲んでも誰も文句を言わない。自分の好きなように飲んでもいいコーヒー。自分のための、自分だけの・・・・・・。

 ガシャーンと大きな音が家中に響く。テレビを見ていただけの3人がこちらを見たのが視界の端で見えた。ほのかはカレーの入った鍋を床に叩きつけていた。


「ちょっとほのかさん! なにやってるの! こんな勿体ないこと!」

「あーあ。これどうすんの? てか飯は?」 

「ほのかさん、これはどういうことかね?」


 3人が同時に捲し立てる。ほのかは大きな声で笑った。久しぶりに声を上げて笑った。


「ど、どうしたほのか」

「ほのかさん気が触れたの?」

「笑ってないでちゃんと説明しなさい!」


 義父の怒鳴り声でほのかは笑うのをやめた。ゆっくりと3人を、そして男を睨んで叫んだ。


「あんたたちなんて大っ嫌い!!」






 店主は使った道具を綺麗にして、客の帰りを待つ。待つ、と言っても時間にしてほんのわずかだ。わずかの時が経つと客は静かに席に戻ってくる。


「コーヒーはお気に召しましたか?」


 客が戻ってきたら、店主は必ずそう聞く。客がこちらに帰ってくるお呪いのようなものだ。戻ってきた客は肩で息をしている。


「あ、れ。あたしは・・・・・・」


 コーヒーは空になっていた。


「気に入っていただけたようでよかったです」

「え・・・・・・。あ、はい。これ、とっても好きです。初めて、自分の好きなものを見つけた気がします・・・・・・」

「初めて?」

「はい。お恥ずかしい話、あたしは今まで祖母の言いなりで。あたしの意見を言うと怒るので、言われた通りに生きてきたんです。学校も、趣味も、恋人さえ」

「それはそれは。自分の意思を尊重されないというのはあまりにもつらい」

「でもあたしそれに慣れちゃってて。それが当たり前なんだって思ってたんです。だから自分の好きなものとか、嫌いなものとかわかんないし。恋もしたことなくて。見合いも断れなくて・・・・・・。今度結婚するんです。でもその人が好きってわけじゃないし、なんだか悪い予感もして・・・・・・でも自分がどうしたいのかも、わからないし・・・・・・あたしは、ただの・・・・・・操り人形で・・・・・・」


 ほのかはポロポロと涙を零して震えている。


「大変な中でお過ごしになっていたのですね。差し出がましいようですが、お客様はおばあ様のために十分生きられたと思います。おばあ様も、もしかしたらなにか心の問題があるのかもしれませんが、それはおばあ様の問題です。お客様が背負うものではありません。お客様はご自身で、その背中に背負うものを決めて良いのです」

「自分で、決めていい・・・・・・」

「はい。涙が出るということは、もうお客様の中で答えが出ているのかと。きっと、お客様の中に好きや嫌いはちゃんと残っていると思いますよ」


 店主の言葉を聞いたほのかはぎゅっと唇を噛んで、溢れてくる涙を堪えようとしているようだ。店主はそっと、タオルをほのかに渡した。遠慮することなくタオルを受け取ったほのかは、真っ白なタオルで顔を隠す。

 そうして少しして、ほのかは深呼吸しながらタオルを顔から離した。その顔はとてもさっぱりとして、血が巡っているように見える。もうほのかを操る糸はどこにもない。


「有難うございます! お陰様でいろいろ吹っ切れられそうです」

「いえいえ。私はコーヒーをお出ししただけですから」

「そんなそんな。おいしいコーヒーを頂いて、話を聞いてくださって。こんな田んぼだらけの田舎にお洒落なお店があるからびっくりしちゃったけど、入って良かったです! あたしももう大人だし、自分の好きとか嫌いとかをちゃんと考えてみようと思います。だから、見合いは断る。結婚する前でよかった。それから家も出る。祖母は暴れるだろうけど、そんなこと知りません。それに・・・・・・」

「それに?」

「あたし、恋をしてみたいです」


 笑顔でそう言って帰ったほのかのコーヒーカップを、みーと2人で見つめる。


「恋ねぇ」

「恋をしたいとは、素敵な願い事ですね」

「そうね。誰かを想う気持ち自体は、悪いことではないものね」

「ですね。何事もほどほどがいいということでしょうか」

「あら、想い合ってる者同士なら、魂が擦り切れるくらい愛し合ってもいいと思うけど」

「みーさんはロマンチストなんですね。でもそうですね。そういう情熱的な愛も素敵です」

「貴方はどうなのかしら?」

「私はそんな・・・・・・そんな、ことは・・・・・・」


 一瞬店主の脳裏によぎった森の景色。家の前でこちらに手を振る人影。一体これは・・・・・・。


「あ、生えてきた」


 みーの(まじな)いの掛かったカップから生まれたコーヒーの苗木は、ツヤツヤとした葉を茂らせている。ところどころ黄色や赤色の葉もある。


「探してる木じゃなかったみたいね」

「そのようですね。名前は・・・・・・」

「名前は?」

「『彩りの新芽』なんてどうでしょう?」

「・・・・・・可愛くていいんじゃない?」


 さっき頭によぎったの光景が気になりつつも、看板を店の中にしまい、苗木が生まれたカップを優しく裏へ運んだら、今日はこれにて閉店。


「次はどんなお客様に特別な一杯を振る舞えるのか、今から楽しみです」

次話 『第9話 憤怒の種』

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