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   ☆6☆


 日陰大学病院の受付の看護婦に竜破がたずねる。

「ちょっと、いいですか、あの、半年前の事なんですけど、

 去年の、

 九月十一日に早乙女教授がこの病院に来てないでしょうか?」

 若い新人っぽい看護婦が、

「早乙女教授って、あの大学のほうの、生物学の教授ですよね。日陰蝶を発見した事でも有名な」

 竜破が、

「そうそう、その教授です」

 看護婦がちょっと警戒したように、

「ご家族の方ですか?」

 竜破が、

「孫です」

 と嘘をつくと看護婦が納得し、

「分かりました。ちょっと待ってくださいね」

 バソコンをいじり、

「あったわ。確かに、

 九月十一日に早乙女教授が病院に来てるわよ」

 炎華が、

「救急で来たのかしら?」

 看護婦が、

「救急? でも症状は」

「こらっ! 患者の個人情報を教えちゃダメでしょ!」

 婦長らしき女性が叱る。看護婦が、

「でも、孫なんですよ」

「言い訳はしない! ダメな物はダメなの!」

 竜破が、

「じゃ、俺らはこれで失礼します」

 と言って逃げ出した。

 その後も婦長の説教が続いたようだが、

 病院を出たあと竜破が、

「これで早乙女教授のアリバイは完璧だな」

 炎華が釈然としない様子で、

「そうらしいわね」

 竜破が困ったように、

「何だよ。まだ疑ってんのかよ?」

 炎華がそっぽを向き、

「なんとなく、すっきりしないだけよ」

 そう言って肩をすくめ、

「美墨ホテルに行きましょう。

 マーブルおばさまに頼んで、

 よろしくお願いします 事件当日の宿帳を見せてもらうのよ」

 竜破が、

「はは~ん、なるほど。

 事件当日、

 二度目にホテルに入った早乙女教授が本当に本物か、筆跡を調べようってわけだ。

 さすがは美少女名探偵雪獅子炎華ちゃんだぜ。目の付け所が違うな」

 炎華が冷淡に、

「ほめても何も出ないわよ。さあ、行きましょう」

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