表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/16

vsジャイアンメタルスコーピオン②

 高橋のおかげで作れた有利は、ジャイアンメタルスコーピオンが起こした巨大な砂嵐によって一瞬にして失われた。

 砂の密度が高すぎてあの巨体のシルエットすら見えなくなった今、これ以上の戦いは不可能だ。

 しかし、土塁まで下がろうとしても砂嵐のあまりの強さにその場で踏ん張ることが精いっぱいだ。

(このままだとやばい、、、)

 焦っているといきなり体を持ち上げられた。

 レオンハルトが私のことを荷物のように肩に担いでくれていた。

 先ほどは獣化を解除していたが、今は下半身を部分獣化してすごい速さで後方に下がってくれている。

「ありがとう、助かった」

 いかつい顔でニコッと笑いスピードを上げた。

「しっかり捕まっとけよ、面でのダメージはあんたが一番高いからここで脱落されると困るんだ」

 アポピスやほかの仲間たちの安否も気になるがまずは無事に陣地まで戻って策を練る必要がある。

 レオンハルトが無事に帰れるように、砂塵でうまくいかないが魔力探知を使ってジャイアンメタルスコーピオンの位置や陣地の方向を間違えないように指示を出す。

 こうして最初の戦いはこちらの敗北で幕を下ろした。


 陽が落ち始めたころ、ついに陣地に到着することができた。

 すでにほぼ全員がついていたが、数人は欠けていた。

 ラースグリズリーの姿は見当たらず、アポピスも左目が潰され尻尾の一部が切断されている。

 本がすでに治療してくれたのかすでに生え始めているし傷口はふさがっているが、調子を完全に戻すには少し時間がかかりそうだ。

 あたりを見回すと、けがを負っているものは多いが、致命傷の者はおらずまたすぐに再選できそうな状態だった。しかし、悲壮な表情を浮かべているものが多く中には泣いていしまっているものもいる。

 山本、セシリア、ライアが3人で固まって話していて、レオンハルトに頼んで合流してもらった。ライアがこちらに気づいて安堵した表情を見せる。

「二人ともいなかったから心配したんだぞ」

「砂嵐に巻き込まれそうになった時に助けてもらったの」

 3人が感謝を伝えた後、セシリアが表情を真剣なものにし、私たちに提案した。

「一部の人たちでジャイアンメタルスコーピオン討伐の話し合いをもう一度しない?それぞれの隠していた能力も含めて話し合わないと本当に全滅するわ」

「願ってもないことだ。やつが追いかけてこずにとどまっている間に何かしら手を打たねばな」


「始まる前は40人だったクラスが、今は35人になってしまった。これ以上の犠牲を出さないためにも隠し事は無しで行こう」

 天幕に集まった人たちの前でライアがそう言い、ジャイアントメタルスコーピオンを討伐するための会議が始まった。

「まずは高橋の一撃でやつの装甲を破壊しなければ勝てない。

 万全な状態で高橋に攻撃させるための準備を私たちがする必要があるから各々言ってなかった能力もできれば教えてくれ」

 レオンハルトが仕切って話が進み始めた。すぐにノアが手を挙げて高橋に聞いた。

「私たちの命を預けるんだから先に君の能力を教えてよ」

 皆の視線が高橋に集まる。事前の打ち合わせだと何も聞かされてなかったし

「俺は狂戦士っていう能力なんだよ。魔力の消費量が馬鹿にならねえが、代わりに身体能力が一時的にすげえ上がるんだよ。

 あのオーラは狂化中に発生して、周りの魔力を乱すんだよ、だからあいつが回復しなかったんだよ。

 まあまだまだ魔力量は多くねえから20秒が限界だな、使ったら魔力枯渇で戦線復帰できねえしな」

 頭をかきながら高橋が答える。どうやらあの破壊力はそんな簡単に使える代物ではないらしい。

「逆にお前の切り札はあのクマか?それともほかにあるのか?」

「魔力ポーションを使えば同時に二体召喚できる、それが私の切り札。

 次は舐めずに最初から同時召喚する」

 表情こそうまくわからないが、力強い声でノアは自分の切り札を終えてくれた。

「確かにクマ二体と蛇にヤエルが力を合わせれば多少は動きを止められるか、その間に俺があいつの装甲を壊せばいいんだろレオンハルト?」

「そうだな、だが問題はその後だ。

 あの砂嵐の中で連携を取りながら装甲を壊し、さらに殺しきらねばならない。前回はそれができずに敗北したのだからな」

 その言葉に空気が重くなる。

 現状では砂嵐を突破する術もなければ、倒すことができるほどの火力もない。高橋ならもしかしたらできるかもしれないが、装甲を壊している間に効果時間が終わってしまうだろう。

 皆が解決策を見いだせない中セシリアが立ち上がった。

「私が砂嵐を散らそう。

 基礎魔術ではないから知られていないが、風の魔術で散らすことはできるはずだ。あたり一帯の砂を散らして維持し続けることはできるが、それ以外のことはできなくなるがな」

「セシリアが砂嵐を散らせるなら後は火力だな、純粋な生物としての強さだけでAランクになった魔物がここまで厄介だとは思わなかったな、、、」

 ため息をつきながらレオンハルトが頭を抱える。

(私がもっと強くてより上位の魔術が使えれば、、、、)

 Aランクの魔物に手こずっているようではヴァラガスに復讐するなどできるはずもない。自分の弱さに怒りを覚える。そんな時、目の前に次元門が現れそれを潜ってカルミナ先生が現れた。

「苦戦しているから助けてやれとゾシモスに言われてな。とはいえこのクラス以外もまだ討伐は終わってないけどな」

 やれやれと首を振りながら空間収納からいくつかポーションを取り出し始めた。

「あまり強力なものは渡すなと言われてるんでね、効果は控えめになっているがな」

 そう言って渡してくれたポーションの効果は全く控えめではなかった。

 狂化してる時に消費する魔力の速さが半分ほどになるというものであったり、一時的に魔力の最大値を上げてくれるものに即効性のある魔力回復ポーション、魔力を乱して再生を阻害する毒ポーションもあった。

「セシリアが使おうとしている魔術や第六位階程度であれば即座に回復できるものだ。あと帰る前に治療ぐらいはしといてやるよ」

 なんともないみたいな表情で渡してきたポーションは強力なものばかりであった。

 レオンハルトが発言の機会を求めて手を挙げ、それをカルミナ先生が許可して質問した。

「勝算はどれほどあると考えていますか?

 もしご存じであればほかのクラスの状況も教えてもらえませんか?」

 どうでもいいが、レオンハルトは豪快な性格なのにこんな丁寧に話せるんだと感心する。

 カルミナ先生が少し笑いながら答えてくれた。

「口の利き方がわかってるじゃねえか。

 まあ勝算はそんな低くねえぞ?セシリアが使おうとしている魔術は第七位階レベルだが、ほかの奴らが第七位階を使えれば勝てない相手ではねーかな。

 ほかのクラスはここよりも悲惨だぞ?ここはレオンハルトが上手く指揮をしているが、ほかは好き勝手に動くやつらばっかだからな。

 さすがにAランクはいないが、ハイデーモンとかのBランクの魔物を複数体相手にさせられているからな。これが終わったらクラスの再編が行われるだろうな」

 あんまり無意味に死んでほしくないんだがねえとぼやいている。

 話しながらもアポピスの治療を行ってくれているあたり師匠に通じるものがある。

 ほかはあるか?と聞いたカルミナ先生に柳などの勇者組は顔色を変えて質問をした。

「ほかのクラスの勇者は大丈夫ですか!?」

「あ~、誰かの体が半分吹き飛んだらしいがちゃんと生きてるらしいぞ、よかったな」

 複雑そうな顔をしているが、とりあえず生きてて安堵したらしい。

「さて私はそろそろ行くぞ、数人でいいから自分の限界を超えれば勝てる相手だ。

 死なないように頑張れよ、生きてりゃ山本が回復してくれるだろうしな」

 そう残して次元門を潜ってカルミナ先生は帰っていった。その後、ほかの生徒の切り札なども聞きながら夜遅くまで会議は続いた。

(私も第七位階を成功させないとな、、、!!!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ