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エピローグ

初投稿です

世界譚という形で様々な世界がつながるファンタジー作品を作れたらなと思ってます

「ファイアーボール!!」 

 私が放った魔術の炎のに包まれたゴブリンは黒焦げになった。倒したゴブリンの魔力の一部が角を通して吸収されてる感覚がわかる。

 ふー、と息を吐き周りを警戒する。半年前に9歳になり、麓の探索を許され、こうしてゴブリンやコボルト相手に魔術の練習をする日々だ。私たち鬼人は10歳で一人前と認められ、鬼人の中でも特に素質があれば一族の狩りに参加できる。鬼人の中でも私は比較的才能があり、族長のセラ婆にも炎魔術をよく褒められる。

「結構進んじゃって危ないしそろそろ帰るか」

 そう思い村の方に引き返し始めた。中腹はかなり危険で、オークの群れやジャイアントスネークといったCランク以上の魔物しか存在しない危険地帯だ。

 日課としてるゴブリンとの戦闘を終え村に戻っていると、突然「ドゴーン!」という爆発音が村の方から聞こえてきた。

「!?」

 突然の出来事に緊張感が走る。急いで近くの大樹の上に登って確認してみる。アンデッドの群れが村を襲っていた。ゴブリンやオーク、さらにはワイバーンのアンデッドが数百と村に押し寄せていた。

 それに対抗するように炎や雷の魔術が村から浴びせていた。鬼人は皆が魔法の才能があり、幼い子供でも第三位階の魔法が使える。さらには堀のおかげでアンデッドたちが上手く侵入できていない。

 族長のセラ婆の魔法はすさまじかった。数百年も昔ではあるが、すべての世界で最も優秀である学院の生徒として攻撃魔術を修めたのは知っていた。炎魔術の第八位階の「プロミネンスウィンド」を唱え、すさまじい熱風で面制圧を行い、同時に「プロミネンスジャベリン」を展開しワイバーンなどの大型アンデッドを倒していた。

 (急いで村に帰らないと!!)

 婆がいるから大丈夫だとは思うが、心配になった私は急いで大樹を降りて村に向かった。そんな私の前に黒地に赤の虎の刺繍が施されたローブを身にまとった集団が立ちはだかった。

「誰だお前らは!」

 問いかけたがローブの集団は何も答えずに、魔力弾を飛ばしてきた。

(危ない!!)

 とっさに反応し回避できたが続く魔力弾はよけられず頭に合たってしまった。幸い角にうまく当たり死ななかったが、意識が朦朧としてきた。しかしローブの集団はこちらに興味を示さず、村の方に気を配っていた。そしてこちらが動けないとわかると、移動を開始した

「ま、待て、、、」

 そこで私の意識は途絶えた。




 私は知らない部屋で目が覚めた。少しさびれていて、生活感が全くない部屋ではあるが不思議と汚れなどは全くなかった。

(婆や家族は!!)

 そう思いベッドから立ち上がり部屋から出ようとしたその時、ドアを開けて男が入ってきた。身長2メートルほどの緑目緑髪である。

「体調はどうだ?鬼人の小娘よ」

「大丈夫よ、それより婆や家族は?元気なの?」

 私の問いかけに男は

「あそこの鬼人の村は滅んだよ。セラフィーナも一緒にな。小娘はセラフィーナが君に預けていたお守りの効果で私のもとに飛ばされてきただけだ。百年以上連絡もよこさないのに急に送り付けられてびっくりしたさ」

 そういって男は肩をすくめたが私はそれどころではなかった。

(村が…滅んだ?パパやママも婆も死んじゃった?どうして、、、)

 頭が真っ白になって涙が止まらない。



 そのまま泣きつかれた私は、気づいたら眠ってしまっていたらしい。再び涙がこぼれるが、それよりもなぜ村が滅ぼされたのかという怒りがこみあげてきていた。

 ドアが開きあの男が入ってきた。そして

「村を滅ぼしたやつらに復讐したいなら鍛えてやろう。かなり時間はかかるがな」

 その言葉は今の私には福音のようなものだった

「お願いします、村を滅ぼしたやつらに復讐して家族の仇を取りたい!」

 そう告げると男は聞いてきた

「名は?」

「シャル・レイチェル。セラ婆の孫のレイチェル」

 男は答える。

「わかった、レイチェル。俺はゾシモス、これからお前を鍛えてやる師匠だ」


 こうして私の長い長い戦いは始まりを迎えることになる。

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