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43【Side】

『ブルクシア 18歳 最大魔力量0 注入魔力量0 創作魔法 呪い、記憶抹消、魅了、束縛』


 この表示を見た学園長が、驚きを隠せなかった。


「ブルクシアは優秀な生徒だと思っていたが……。まさかその優秀さで呪いまで習得しているとは。これがどういうことかわかっているのかね?」

「は、はい……」


 力の抜け切ったブルクシアは観念するしか選択肢がなかった。

 捕らえられたままリビングに連れていかれると、同じようにデズムとミアが拘束されていた。


「離せ。私を誰だと思っておる!」

「私はなんも関係ないでしょう! なにをしたというのですか!」


 必死に抵抗しているが、逃げられる様子もない。

 デズムが魔法を使えば逃げられるかもしれないが、それではこの場合国家反逆罪になる可能性すらある。

 諜報員が絡んでいると、さすがのデズムも強引には抵抗ができないでいた。


 しばらく捕らえられたのち、捜索していた諜報員が物置小屋から戻ってきた。

「ボロボロの衣服を何着か発見しました。また、ところどころにカビの生えた食べ物の残骸が……」

「「「…………」」」


 さらに、デズムの仕事部屋からも諜報員が戻ってくる。

「学園に対する報告書、過去に逮捕した男爵の改ざん過程が記されたもの、またデズム子爵が不貞を改ざんさせ命令したと思われる計画書も出てきました」

「よ……よせ!」


 デズムは汗をたっぷりと流しながら、縛られたロープから手を抜け出そうと必死になっていた。

 ミアが怒り狂いながら怒鳴る。


「デズム様ったら、まだ不倫をしていたのですかっ⁉︎」

「それは……。おい、いくらなんでも調査が強引すぎるだろう!」

「これは国王陛下からのご命令です。ソフィーナさんという血の繋がらない無関係の人間を長期間監禁。ミア容疑者はソフィーナさんへの暴言と暴力。さらに治安維持部隊の疑惑を調査するための実力行使です」

「待て。ソフィーナが血の繋がらない? どういうことだ⁉︎」


 デズムはわけがわからず混乱していた。

 もしも血が繋がっていない者を物置小屋で生活させていたとなれば、それこそ言い逃れもできないほどの重罪になる。

 それよりも、自分の子だと思っていたからこそ、モンブラー子爵家にとっては苦しい思いをしてきたのだ。


「ソフィーナさんの父親はあなたではなく、別にいることが確定していますが」

「な……。いったいどういうことだ……」


 それを聞いたブルクシアは呆然としていた。

 誤って血の繋がらない人間に呪い魔法を発動してしまったのだ。

 これで魔力を失った理由はわかったものの、悔しくてたまらなかった。

 今まで強欲のために苦労して努力してきたものが、全て失ってしまったのだから。


「モンブラー子爵家の全員を逮捕。なおヴィーネという子は学園で捕獲。三人はこのまま拘束し牢獄へ運べ」

「「「…………」」」


 これだけ証拠が出てしまえば、抵抗するだけ無駄だった。

 三人とも、悔し涙をこぼしながら牢獄へ連れて行かれるのだった。

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