いもうとが一才になたよ
春です。
転生して5年経ちました。
ワタクシ5歳。
5年間で色々変わった。
まず妹ができた。
妹今一歳。
激かわだね。
ほっぺもっちもち。
あのマリアもデレデレしてる。
生まれる時ちゃんと泣いてたしね。
俺自身も変化があった。
もちろん魔法のこと。
いやぁ、マリアの特訓はやばかったね。
特訓の後は必ず10時間以上寝ちゃう。
だけど特訓の甲斐あって、魔力量がだいぶ増えた。
ピカッ。
だったのが。
パァァァァくらいになった。
属性魔法の方も火、水共に初級魔法までは使えるようになったよ。
それに中級魔法もいくつか会得済み。
マリアは魔法の他に字も教えてくれた。
言語チートは文字には聞かないらしい。
意外と速く覚えれた。
マリアがビックリしてた。
ドヤッ
俺、5歳にしては優秀なのではないだろうか。
でも俺は今かなり焦っている。
何故焦っているのか?
聞きたいか?
そうか、なら教えてやろう。
もう5歳なのにいないだよ。
なにが?
それはあれだよあ・れ。
幼馴染。
幼馴染って必要不可欠だと思うんだよ、俺。
最強だし。
いろんな可能性を秘めてるよね、幼馴染は。
幼馴染がいるだけで物語が楽しくなる。
初恋の幼馴染が知らない男と腕を組んで歩いてるのを発見して、その背中に手を伸ばしながら、ボクが先に好きだったのに〜とか言ってみたい。
もちろんイチャイチャラブラブを一生続けるのもそれはそれで良い。
まぁ何が言いたいかって言うと幼馴染欲しい!!
「ねぇ、マリア」
「なんですか?」
「幼なじみどこ?」
「…………は?」
「だから僕の幼なじみなヒロインはどこにいるの」
「ほんとなにいってんだお前」
あんた年数重ねるごとにメッキが剥がれてきてるよ。
マリアももう30半ば。
色々焦るのもわからなくはないけどそのイライラを俺に向けないでほしい。
そんなんだから行き遅れんだよ。
「あ゛?今なんか言いました?」
心が読まれた、だと!?
まさか、マリアは神様と関係がある人なのだろうか。
たしかに5年前から容姿あまり変わっていない気がするし……
いや、ないな。
神様もっと神々しい人だったし。
「何もいってないよ?」
「あ、あぁ。そっか」
敬語抜けちゃってるよ。
一応仕えている家の子供だよね俺。
「とりあえず、俺は幼なじみがほしい!」
「…………はぁ。でも坊ちゃん引き篭もりなので無理ではないですか?」
おい、引き篭もりはネガティブなイメージ強すぎるよ。
前世でも引き篭もりがバレないように、インドア派のインテリ系気取ってたなぁ。
「引きこもりって言わないで。インドア派っていって」
「ほとんど同じ意味じゃないでしょうか」
「どうかんがえても横文字の方がかっこいいでしょ」
「……まぁ言わんとすることは分かりますけど」
「でしょ!!」
イメージは大事だからね。
今後は一切引き篭もりという単語を口に出さないで欲しい。
「どちらにしろ、家に長くいらっしゃるので、お友達なんてできるわけないじゃないですか。しかも女の子だなんて、むりですよ。むり」
まぁそんなんだよな。
実際、外出しなくても全部屋敷の中で完結しちゃうんだよね。
やばいな、ニートになりそうだな。
「ゆめくらいみたいじゃん」
「追いかける気概がないなら、夢なんて見ない方がいいです」
「……むぅ」
正論すぎて、なんも言い返せない。
じゃぁ、追いかけるしかないよね、夢。
向こうから来ないならこっちから行けば良いんだよ。
「ゆめ追いかける覚悟できたから、ちょっとさがしてくるー」
ーー
「見つかりました?」
「……。うち、ひろすぎない?」
「当たり前です」
敷地広すぎて、外まで行けなかったんですけど。
まじ広すぎね。
こんな家広くしてどうすんだよ、不便すぎるでしょ。
「気になってたこと聞いて良い?」
「はい」
「うちのしゃくいは?」
「伯爵ですね」
爵位第3位きちゃったよ。
そりゃお家大きいわけですよ。
権力ぱねぇ
「すごいねー」
「婚約者の話も出るかもしれませんので、諦めましょう。幼馴染邪魔になりますよ」
「やだ!やーだ。やだやだやだ」
「………坊ちゃん」
そんな残念そうな目で見るなよ。
気持ちよくなっちゃうだろ。
「ねぇ、マリア」
「はい」
「マリアと僕って仲良いよね?」
「まぁ、はい」
「いっしょにたくさん遊んだよね」
「そうですね。0歳から一緒にいますし」
「じゃあさ」
「はい」
「マリアはもしかして、僕の幼なじみなの?」
「違います」
「え、でも……」
「坊ちゃんの気持ち悪い妄想に私を巻き込まないでください」
「ぴえん……」
ーー
また少し時が進んで冬です。
俺は今妹と戯れています。
「ぶーーん。ぶーーん」
「アーーウーー」
「キーー。お客さん目的地に到着だよ」
「ンキャッッ。マンマ」
「マンマじゃない。にーにと呼びなさい」
「マンマ?」
くぅ。
かわいいな。
誰にも渡したくない。
将来彼氏連れてきたら男殺しちゃいそう。
あれ?
そういえば俺5歳だよね。
ないのかな。
「マリアー」
「ここにおりますよ」
「っっっ。びっくりした。いつからいたの?」
急に後ろから声がしたよ。
存在感なさすぎ。
「お嬢様と遊び始めた頃には、もう」
「最初からじゃん」
「何か御用ですか」
「あ、そうそう、ぼく5歳なのに洗礼式(?)みたいの受けないの?」
「洗礼式ですか?」
「うん。スキルとかもらえるやつ」
「聞いたことないですね」
「まじで」
「はい。スキルが与えられるのは7歳ですね」
「え?そうなの?」
「私も神社で祈ってたら貰えましたよ」
「じんじゃ!?」
「っビックリした。急に大き声出さないでください」
「じんじゃがあるの?」
「はい、なにか変ですか?」
「い、いや。きょうかいは?」
「あ〜西の方の地域にそんなのがあるって聞いたことがありますね」
「そうなんだ……」
神社なんだ。
なんか微妙に日本入ってるよねこの世界。
「マリアはどんなスキルもらったの?」
「文字化けでしたね」
主人公なんですか。
「もじばけ?」
「はい、全く読めませんでした。基本的に全員文字化けですよ。たまに読める人もいるらしいですけど」
「そうなんだ」
スキルがそんなんだとチート持ちとか存在しない感じなのかな。
いや、でも神様チートがどうのこうの言ってた気もする。
「5歳のイベントといえば七五三ですかね」
「え、七五三あんの?」
七五三ってあの七五三だろうか。
「知らなかったんですか?」
「3歳も5歳もなんかやった記憶ないんだけど」
「旦那様と奥様と写真撮ってたじゃないですか」
「あれ?」
「そうですよ」
「全然お祝いっぽくなかった」
「坊ちゃんは庶子ですしね。レイ様とアレス様の時はもう少しちゃんとやりましたね」
え!?なんか新情報いっぱい出てきた。
「母さん、おめかけさんなの?」
「そうですよ」
「あとレイとアレスって誰?」
「第一夫人フレデリカ様のお子様ですね。レイ様は1歳、アレス様は2歳坊ちゃんより年上です」
「一回もあったことない」
「奥様とフレデリカ様はあまり仲良くないらしいので」
「そっかー」
アレスは前世兄がいたから良いとして、お姉ちゃんんって言うのは憧れるな。
是非とも会ってみたい。
「あえないの?」
「私にはできませんね。首が飛びます」