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気まぐれ神のpeace maker  作者: ガオー!
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北か?南か?モンエナージ

 清々しいほどの晴天、頬を撫でる心地よい風、微かに聞こえる川のせせらぎ、そして鳴り止まぬ腹の虫。街を出てから二日、俺は空腹と戦っていた。


 感動的な別れ方をした手前、戻って旅の準備も出来ないし、なにより金が無い!それもそのはず、天界に金などない。クソ姉貴の事だ、持たせてくれるはずがない。


「腹、減ったな……、俺も……ここまでか……」


「――――っい、おーーーーい!兄ちゃん、生きてるか!?」


 可愛らしい笑顔で……いや、商人らしき、おっさんが心配そうにこちらを見ている。


「なにか失礼な事、考えてないか?まぁいい、大丈夫そうでよかった」


「親父さ……なにか……食い……も……の……」


「仕方ねぇな、とりあえず荷馬車に乗りな、少しでいいなら恵んでやる」


 ここに神がいた。心からそう思えた。自分が神なことを忘れるくらい、俺はパンにかぶり付いていた。最近のパンは少し、しょっぱいんだな。


「何だ、泣くほどうまかったか?」


 がははっ!と笑う親父は俺が何者か詮索することもなく、手綱を握りながら今、向かっている街について教えてくれた。


 その街は『モンエナージ』。活気があり、商人が集まる流通の中心となる街で、商店なども多く立ち並ぶところらしい。名産は活力剤。なんと、飲むだけで飛行魔法が使えるという伝説まであるほどだ。


「兄ちゃんはモンエナージで仕事でも探すのかい?」


「いや、先にやらなきゃなんねぇ、だりぃことがあるんだ」


「そうか、よく知らんが頑張んな!また困ったことがあったら『ノース商会のサウス』を訪ねな!また、しょっぱいパンを食わしてやるよ」


「ああ、助かったよ、ありがとな」


 街の入口でサウスと別れ、俺はひとまず、教会に行くことにした。この街ではどんな歪みの影響を受けているのかわからない。少し周囲の様子を見ながら探ることにした。なぜなら、早く終わらして、とにかく金を稼がなきゃ飯も食えないし、泊まることすら出来ない。


 最悪、教会にでも泊めさせてもらうことも考えたが、さすがに食事まではお願い出来ないし、なによりベッドで休みたい。それに旅をしているのに手ぶらなど自殺行為でしかない。


 路地裏に入り、マップを確認するべく、ワールド・マネジメントを発動しようとした瞬間……。


「ワールド……ぶえっくしゅ!!!」


――――ブォーン!!うお!?発動した!?


 え?『ワールド』だけで発動するのか、知らなかった。これで時間とか止められたら最高なのにな。


 少し驚いたが、一人で騒いでいたら怪しまれるといけない、見られてはいないが、平然を装い、急いでマップを開く。


 モンエナージは、街の中心に円形の大きな広場があり、真ん中には噴水がある。人が多く集まるので、この涼しさがありがたい。なにより綺麗だ。この広場を囲むように出店が立ち並ぶ。この感じは正に縁日だ。あの伝説のフード『たこ焼き』があれば嬉しいのだが。


「あるわけがない、わかってるんだが、な」


 腹の虫を鳴らしながら確認するが、教会が見当たらない。鍛冶屋、薬屋、宿、食事処、マッサージ店、どこを見ても教会はない。


「教会がないのに、この街の加護はどうなっているんだ!みんな元気すぎんだろ!」


 もしかして、この元気過ぎるのが歪みの原因なのか?これが歪みなら、いっそ、このままでもいいような気がしてくる。


 しかし、マリ一の一件がある。なぜか、人間に神力が宿ってしまっていた。マリーのように気付いてないのなら構わないが、力に気付き、悪用されないとも限らない。


 なにより俺、自身が力を取り戻し、俺Tueeeeを実現させたい。だって、歩くの疲れるし。


「クソ!結局、一から探すのかよ!だりぃな……」






 



投稿遅くなりました、すみません。前回で最終回ではありません。まだまだ続きます!きっと……。

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