探索その3
疲れのせいか、歩くのがダルくなってきている。足取りも重い。今まで疲れを知らなかった俺には堪えるな。
少し神力が戻ったからといってライトを使いっぱなし。元々の神力不足、疲れない訳がない。
――そういえば確認してなかったな――
「ワールド・マネジメント!」
何か能力値や力に変化があれば……打開策が……。
「あ!」
「マップ……あんじゃん…………。」
進むことばかり考えていたので自分の能力の事すら忘れていた。しかも能力に創造が追加されている。
創造は元々あった力だか、封印?かなんかで使えなくなっていた。
なんで気付かなかったのか。ライトを使っている時点で「魔法を創造」している。なにせ、この世界には魔法が存在しないのだから。
「なんだよ!もう、これ、楽勝じゃん!」
マップ、創造、これだけあれば迷いも悩む事もない!既に攻略したも同然!
さっきまでの疲れが全て吹き飛んだかのような気持ちの高鳴りと笑いが止まらない。さすが俺!さすが神!チート最高!
「マップ確認!現在位置を表示!」
ジジッ……ジジッ……ジジジッ…………。
…………ブン!
「おっ?きた、きt……………。」
エラー!現在位置不明!特定出来ません!
「…………はぁ?」
エラー!現在位置不明!特定出来ません!
今まで見たことのない表示が出ている。
通信エラー?屋内だから?そもそもエラーってなんだよ!
何度試しても同じ表示が繰り返される。さっきまで忘れていた疲れが体に重くのし掛かかってくる。
先ほどまでの笑いが嘘のように消え、力が抜けていくような気さえしてくる。
たが、これで確信が持つことができた。神力を使うマップが機能しないということは、他の力によって阻害されているという事。
神力を阻害するほどの力となると原因は…………。
「やっぱり、あるんだな。ピースが」
これで引き返す事は出来ない。
むしろ進む目的が出来たとも思える。
――いや、思えないな――
「はぁ……ダルい…ダルい…………オウチ、カエリタイ…。」




